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課法4-11
課総2-9
課消4-6
官総6-39
査調2-64
平成21年4月1日
改正 平成22年6月11日
改正 平成24年12月19日

各国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

法人課税部門における書面添付制度の運用に当たっての基本的な考え方及び事務手続等について(事務運営指針)

 標題のことについては、下記のとおり定めたから、平成21年7月10日以降、これにより適切な運営を図られたい。
 なお、平成14年3月14日付課法3−6ほか7課共同「税理士法の一部改正に伴う法人課税部門における新書面添付制度の運用に当たっての基本的な考え方及び事務手続等について」(事務運営指針)は、平成21年7月9日をもって廃止する。

(趣旨)
 書面添付制度(税理士法(昭和26年法律第237号。以下「法」という。)の平成13年度改正により、従来の更正前の意見陳述に加えて、法第33条の2の書面(以下「添付書面」という。)が申告書に添付されている場合において、納税者に税務調査の日時、場所をあらかじめ通知するときには、その通知前に、法第30条の書面(以下「税務代理権限証書」という。)を提出している税理士又は税理士法人(以下「税理士等」という。)に対して、添付書面の記載事項に関する意見陳述の機会を与えることとされたものをいう。以下同じ。)を適正に運用し、税務執行の一層の円滑化・簡素化を図っていくためには、書面添付制度の一層の普及・定着を図る必要があることから、日本税理士会連合会(以下「日税連」という。) と協調して、その普及等に取り組むこととしている。
 この普及策の一つとして、日税連においては「添付書面作成基準(指針)」を定めたところであり、それを踏まえ、国税庁においては、法第35条第1項に規定する意見聴取(以下「意見聴取」という。)を行った結果、調査の必要性がないと認められた場合に、税理士等に対し「現時点では調査に移行しない」旨を原則として書面により通知することとしたことから、所要の整備を図るものである。

第1章 書面添付制度の運用に当たっての基本的な考え方

1 制度の適正・円滑な運用及び普及・定着の推進

 書面添付制度は、税務代理する税理士等に限らず、広く税理士等が作成した申告書について、それが税務の専門家の立場からどのように調製されたかを明らかにすることにより正確な申告書の作成及び提出に資するとともに、税務当局が税務の専門家である税理士等の立場をより尊重し、税務執行の一層の円滑化・簡素化に資するとの趣旨によるものであるから、本制度の執行に当たっては、制度の理解を更に深め、その趣旨を踏まえた適正・円滑な運用を行い、制度の普及・定着を図る。

2 書面添付制度適用法人の的確な管理

 申告書(法人税確定申告書、復興特別法人税申告書、消費税及び地方消費税の確定申告書又は間接諸税の納税申告書をいう。以下同じ。)に添付書面の添付がある法人(間接諸税にあっては、法人又は個人。以下同じ。)については、法人管理簿等を活用し、過去の申告事績及び調査事績並びに資料情報に加え、添付書面の記載事項及び税理士等の関与の程度に基づき、的確な管理を行う。その際、実況区分の判定に当たっては、添付書面の記載事項等を積極的に活用する。

3 書面添付制度を活用した調査事務の効率的運営

 添付書面は、申告書審理や準備調査に積極的に活用するほか、添付書面の記載事項のうち確認を要する部分については、意見聴取の際に十分聴取するよう努める。
 また、書面添付制度は、税務当局が税務の専門家である税理士等の立場をより尊重し、税務執行の一層の円滑化・簡素化に資するとの趣旨によるものであることから、添付書面の記載事項がその趣旨にかなったものと認められる場合には、じ後の調査の要否の判断において積極的に活用し、調査事務の効率的な運営を図る。

第2章 書面添付制度に係る事務手続及び留意事項

第1節 添付書面がある申告書の回付後の事務

 内部担当者から申告書等の回付を受けた統括官等(法人課税部門の特別国税調査官、統括国税調査官、特別調査情報官、国際税務専門官、情報技術専門官又は審理専門官をいう。以下同じ。)は、添付書面の添付がある申告書に添付されている税務代理権限証書が複数の税目(復興特別法人税、消費税並びに源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税は除く。)の税務代理権限を証している場合には、添付書面の写し及び税務代理権限証書の写しを担当する部門に回付する。

第2節 意見聴取の実施

1 事前通知前の意見聴取の実施

統括官等は、申告書に添付書面の添付がある法人に対し実地の調査を行おうとする場合には、国税通則法第74条の9に規定する事前通知(以下「事前通知」という。)を行わないこととしたときを除き、事前通知を行う前に税務代理権限証書に記載された税理士等に対し添付書面の記載事項について意見聴取を行うよう調査担当者に指示する。
 なお、法第33条の2第1項に規定する添付書面の1面「1 自ら作成記入した帳簿書類に記載されている事項」欄から3面「5 その他」欄又は法第33条の2第2項に規定する添付書面の1面「1 相談を受けた事項」欄から3面「5 その他」欄に全く記載がないものは、法第33条の2第1項又は第2項に規定する記載事項が記載されていないものであり、添付書面に該当しないものであるから、そのような添付書面が添付されていたとしても補正依頼、意見聴取等を行う必要はないことに留意する。

(注) 添付書面に該当しないものについては、KSKに入力された申告事績の庁指定コードを訂正する必要があることに留意する。

2 意見聴取の時期、方法

調査担当者は、事前通知予定日の1週間から2週間前までに税務代理権限証書に記載された税理士等に対し意見聴取を行う旨を口頭(電話)で連絡し、意見聴取の日時、方法を取り決める。
 この場合、意見聴取は事前通知予定日の前日までに了することとし、原則として税理士等に来署依頼する方法により行う。また、添付書面の「事務処理欄」に意見聴取を行う旨を通知した日及び事前通知予定日を記入する。

(注)
  • 1 税理士等が遠隔地に所在している場合など来署が困難な場合には、電話による意見の聴き取り又は文書による意見の提出によっても差し支えない。
  • 2 意見聴取は、原則として、統括官等と調査担当者が行う。

3 意見聴取の内容

意見聴取は、税務の専門家としての立場を尊重して付与された税理士等の権利の一つとして位置付けられ、添付書面を添付した税理士等が申告に当たって計算等を行った事項に関することや、意見聴取前に生じた疑問点を解明することを目的として行われるものである。
 したがって、こうした制度の趣旨・目的を踏まえつつ、意見聴取により疑問点が解明した場合には、結果的に調査に至らないこともあり得ることを認識した上で、意見聴取の機会を積極的に活用し、例えば顕著な増減事項・増減理由や会計処理方法に変更があった事項・変更の理由などについて個別・具体的に質疑を行うなどして疑問点の解明等を行い、その結果を踏まえ調査を行うかどうかを的確に判断する。
 なお、意見聴取における質疑等は、調査を行うかどうかを判断する前に行うものであり、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないものであることから、意見聴取における質疑等のみに基因して修正申告書が提出されたとしても、当該修正申告書の提出は更正があるべきことを予知してされたものには当たらないことに留意する。
 また、意見聴取の過程において、じ後の申告や帳簿書類の備付け、記録及び保存に関して指導すべき事項が認められた場合には、意見聴取の際に、その内容等についてじ後の改善を図るよう税理士等に十分説明する。

4 意見聴取後の事務

 調査担当者は、意見聴取を行った後、次の事項を別紙1の書面(以下「応接簿」という。)に記載して統括官等の決裁を了し、法人税歴表(間接諸税にあっては、間接諸税調査簿)に編てつする。

  • 1 相手方、応接者、調査対象法人名、応接方法、応接日時
  • 2 意見聴取した内容
  • 3 意見聴取した結果、税理士等に対して指導した事項
  • 4 調査への移行の有無
  • 5 別紙2の書面(以下「意見聴取結果についてのお知らせ」という。)の送付要否
  • 6 その他参考となる事項

(注) 「意見聴取結果についてのお知らせ」を作成する場合は、応接簿と併せて決裁を受ける。

5 意見聴取結果の税理士等への連絡

(1) 調査に移行しない場合

 意見聴取を行った結果、調査の必要がないと認められた場合には、税理士等に対し「現時点では調査に移行しない」旨の連絡を、原則として「意見聴取結果についてのお知らせ」により行う。ただし、次に掲げる場合には口頭(電話)により行う。
 なお、口頭(電話)により意見聴取結果を税理士等へ連絡する場合には、「意見聴取結果についてのお知らせ」を送付しない理由を併せて説明し、じ後の添付書面の適切な記載等が図られるよう指導することに留意する。

1 意見聴取を行ったことに基因して自主的に修正申告書が提出された場合又はじ後の申告や帳簿書類の備付け、記録及び保存に関して指導した事項がある場合

2 法第33条の2第1項に規定する添付書面の2面「3 計算し、整理した主な事項」欄及び3面「5 その他」欄又は法第33条の2第2項に規定する添付書面の2面「3 審査した主な事項」欄及び3面「4 審査結果」欄に記載がない場合

3 2に掲げる各欄の記載はあるが、明らかに記載に不備がある又は内容が具体性に欠けるなど、2に準ずると認められる場合

(2) 調査に移行する場合

 意見聴取を行った結果、調査の必要があると認められた場合には、納税者に対する事前通知を行う前に、税理士等に対し意見聴取結果と「調査に移行する」旨の連絡を口頭(電話)により行う。
 なお、この場合において、税理士等に対する意見聴取結果の連絡と併せて税理士等に対する事前通知を行うこととしても差し支えない。

(注)

  • 1 税理士等に対し「現時点では調査に移行しない」旨を連絡した場合であっても、その後申告書の内容等に対する新たな疑義が生じたときには、調査することを妨げるものではない。
     その際、事前通知を行う場合には改めて意見聴取を行う。
  • 2 「意見聴取結果についてのお知らせ」を送付した場合は、当該意見聴取結果についてのお知らせ(税務署控え)を法人税歴表に編てつする。

6 更正前の意見聴取

 添付書面が添付された申告書について更正をすべき場合には、法第35条第2項に基づき、当該添付書面に記載されたところにより当該更正の基因となる事実について税理士等が計算し、整理し、若しくは相談に応じ、又は審査していると認められるときは、国税通則法第74条の11第2項に規定する調査結果の内容の説明を行う前までに、当該税理士等に対し、意見を述べる機会を与えなければならないことに留意する。


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