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別紙

能能発0127第2号
平成22年1月27日

国税庁課税部審理室長
山川 博樹 殿

厚生労働省 職業能力開発局
能力開発課長 田畑 一雄

緊急人材育成支援事業による職業訓練等を受講する者に支給される訓練・生活支援給付金等の課税関係について(照会)

1 照会の趣旨

 厚生労働省では、平成21年7月末から、雇用保険を受給できない者(求職者給付の受給資格がない者又は受給が終了した者等)に対する職業訓練の実施、再就職、生活への支援を主たる目的とする緊急人材育成支援事業(以下「本件支援事業」という。)を実施している。
 本件支援事業では、緊急人材育成・就職支援基金により新たに実施する基金訓練(注)又は公共職業訓練を受講する一定の者に対し、訓練期間中の生活保障のために訓練・生活支援給付金(以下「給付金」という。)を支給することとしている。
 また、給付金の支給のみでは生活費が不足する者等を対象に、訓練・生活支援資金融資を実施し、生活に必要な資金を貸し付けることとしている。この訓練・生活支援資金の融資を受けた訓練受講者が訓練受講後に一定の要件を満たすこととなったときには、貸付元本額の50%に相当する額の返済を免除することとしている。
 そこで、1訓練受講者が支給を受ける給付金は雑所得に該当すると解してよろしいか、また、2訓練・生活支援資金の返還債務が免除されたことによる経済的利益(以下「本件免除益」という。)は一時所得に該当すると解してよろしいか、照会いたします。

(注) 基金訓練とは、専修・各種学校、教育訓練企業、NPO法人、社会福祉法人、事業主などが、中央職業能力開発協会により訓練実施計画の認定を受けて実施する以下の内容の職業訓練です。

1 職種に関わりなく再就職に必要なITスキル等(文書作成、表計算・図表作成、プレゼンテーション制作など)を習得するための3か月の訓練

2 医療、介護・福祉、IT、電気設備、農林水産業、その他地域で必要とされる人材に求められる基本能力から実践能力までを習得するための3か月〜1年の訓練

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2 照会に係る事実関係

(1) 給付金の概要

 給付金は、次の要件に該当する者を対象に、訓練期間中、被扶養者を有しない者については月額10万円、被扶養者を有する者については月額12万円を支給する(最長24か月)。

  • イ 公共職業安定所長のあっせんを受けて基金訓練又は公共職業訓練を受講する者
  • ロ 雇用保険法に規定する求職者給付の受給ができない者、雇用対策法及び同法施行規則に規定する職業転換給付金の就職促進手当及び訓練手当が受給できない者
  • ハ 世帯の主たる生計者
  • ニ 年収が200万円以下であり、かつ、世帯全体の年収が300万円以下である者
  • ホ 世帯を構成する者全員の保有する金融資産の合計が800万円以下である者
  • ヘ 現在住んでいる土地・建物以外に土地・建物を所有していない者

(2) 訓練・生活支援資金融資の概要

 訓練・生活支援資金融資は、給付金の支給対象者であり、かつ、労働金庫の審査により返済が困難でないと認められる者に対し、給付金の支給を受ける期間中(最長24か月)、被扶養者を有しない者については月額5万円、被扶養者を有する者については月額8万円を上限に、いずれも年利3.0パーセントで貸し付けるものである。
 また、訓練終了後6か月以内に、6か月以上の雇用が見込まれる就職をして雇用保険一般被保険者資格を取得した後、当該資格取得日の翌月の15日までに就職届等を提出した場合に訓練・生活支援資金融資による貸付額の50パーセントに相当する額の返済を免除することとしている。

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3 照会者の求める見解となることの理由

(1) 給付金の所得区分

 給付金は、雇用保険法に規定する失業等給付の求職者給付又は雇用対策法及び同法施行規則に規定する職業転換給付金の就職促進手当及び訓練手当が受給できない者に対し、訓練期間中における生活保障や円滑な訓練受講に資するために支給するものであり、これらの給付とは異なるものであることから、雇用保険法第12条及び雇用対策法第22条の公課の禁止規定は適用されない。
 また、所得税法第9条第1項各号に掲げる非課税所得にも該当しないことから、課税の対象となる。
 この場合の所得区分については、給付金は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得のいずれにも該当せず、また、訓練期間中継続的に支給されるものであり、一時所得にも該当しないことから、雑所得として取り扱われることとなる(所法351)。

(2) 本件免除益の所得区分

 本件免除益は、訓練終了後6か月以内に、6か月以上の雇用が見込まれる就職をして雇用保険一般被保険者資格を取得した場合に、貸付額の50%相当額の返済が免除されるものであり、また、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に返済を免除するものではないことから、その免除を受けたときにおける経済的利益として課税の対象となる(所法36、所基通36−15(5)、36−17)。
 この場合の所得区分については、本件免除益は、役務の提供等の対価としての性質を有しない一時の所得と認められるので、一時所得として取り扱われることとなる(所法341)。