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別紙

平成21年2月25日

国税庁 課税部長
荒井 英夫 殿

資源エネルギー庁

省エネルギー・新エネルギー部長
羽藤 秀雄

グリーン・エネルギー・マークの使用料に対する税務上の取扱いについて(照会)

1 照会の経緯

 我が国が積極的な地球温暖化対策を国内外に示していく必要があることから、平成20年2月に経済産業大臣より※1新エネルギー政策の抜本的強化策の検討指示がなされ、総合資源エネルギー調査会の※2新エネルギー部会の下にグリーンエネルギー利用拡大小委員会(委員長:山地憲治 東京大学教授)を設置し、集中的に抜本強化策を検討した。
 同小委員会においては、消費者がグリーン電力※3を使用して製造された製品を嗜好する場合に、グリーン電力を使用して製造された製品か否かが明確に判別できるようグリーン・エネルギーに関するマークを制定し、製品に添付すべきとの意見が出されたことから、財団法人日本エネルギー経済研究所(以下「エネルギー研究所」という。)はグリーン・エネルギー・マーク(以下「マーク」という。)を制定することとなった。

※1:太陽光・風力・バイオマス発電、太陽熱・バイオマス熱利用等、技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、石油代替エネルギーの導入を図るために特に必要なもの。

※2:経済産業大臣の諮問機関

※3:グリーン電力とは、風力、太陽光、バイオマス(生物資源)などの再生可能エネルギーにより発電された電力をいう。

2 グリーン・エネルギー・マーク制度の概要

(1) 制度の目的

 グリーンエネルギー利用拡大小委員会での検討を受けて、企業や消費者等からの信頼性の確保、制度の公平性・透明性が担保されつつ、民間事業者の資金を活用してグリーン電力の普及拡大を図ることを目的とする。

(2) マークの使用について

 企業は、マーク・ライセンシー※4である事業者(以下「マーク事業者」という。)との間でマークの使用許諾契約を締結し、その契約に基づき、当該企業が各事業年度においてマークを添付した製品の製造に対して費消した電力量に応じたグリーン・エネルギー・マーク使用料(以下「マーク使用料」という。)を支払う(参考資料1参照)。
 企業は、このマーク使用料の支払により、製品にマークを添付し、販売することが可能となり、この販売等を通じて当該企業が地球温暖化対策に取り組んでいることをアピールすることにより企業イメージの向上を図ることができるとともに、その趣旨に賛同する消費者の購買を期待することができる。

※4:マークライセンシーとは、マークの商標権を有するエネルギー研究所との間において締結した使用許諾契約(以下「包括的使用許諾契約」という。)により、マークの製品への添付を希望する企業に対して当該使用許諾に基づく使用権を再使用許諾することができる者をいう。

(3) グリーン電力の発電等

イ グリーン電力の発電委託等

 マーク事業者は、エネルギー研究所との包括的使用許諾契約に基づき、マーク事業者からエネルギー研究所に対する使用料が無償とされるとともに、再使用許諾により得られる利益をもってグリーン電力発電事業者※5との間でグリーン電力の発電委託契約を締結し、グリーン電力の発電を確保することが義務付けられる(参考資料2参照)。※6

※5:グリーンエネルギー認証センター(エネルギー研究所の附置機関)により認定を受けた発電設備によりグリーン電力を発電する事業者をいう。

※6:企業がマークを添付する製品の製造に費消した電力量の合計量以上の電力量を、マーク事業者がグリーン電力発電事業者との間で発電委託契約を締結している場合には、当該マーク事業者は上記義務を履行しているものとみなされる。

ロ グリーン電力の発電

 グリーン電力発電事業者は、マーク事業者から上記イの発電委託を受けた場合には、当該発電委託に基づく発電を行い、その発電実績をマーク事業者を通じてグリーンエネルギー認証センターに報告し、当該発電委託どおりに発電を行ったことにつき認証を受けることとしている。
 なお、グリーン電力発電事業者は、マーク事業者から受けるグリーン電力の発電委託契約に基づく委託料及び電力会社に対する電力の売却代金をもって事業を運営※7することとなる。

※7:グリーン電力の発電は、火力発電などの他の発電に比べてコスト高であることから、発電したグリーン電力の電力会社に対する売却代金のみでは事業運営を行うことはできない。

3 照会事項

(1) 法人税について

 企業は、マーク事業者との間のマークの使用許諾契約に基づきマーク使用料を支払うこととなるが、このマーク使用料は、企業の所得計算において損金の額に算入して差し支えないか。
 また、マーク使用料の金額は、当該使用契約に基づき、各企業の事業年度ごとの金額が当該事業年度におけるマークの使用実績に応じて確定するが、各企業においては棚卸資産の取得価額に該当することから、その確定額のうち当該事業年度の売上げに対応する部分の金額を当該事業年度における製造原価として損金の額に算入することとして差し支えないか(当該事業年度の売上げに対応しない部分の金額は棚卸資産として翌期に繰り越すこととなる。)。

(2) 消費税について

 企業がマーク事業者に支払うマーク使用料は、資産の譲渡等の対価に該当し、仕入税額控除の対象になるものと解して差し支えないか。

4 照会事項に対する照会者としての見解

(1) 法人税について

イ マーク使用料の内容等

 企業は、マーク使用料の支払により製品へのマークの添付・販売が可能となり、この販売等を通じて当該企業が地球温暖化対策に取り組んでいることをアピールすることにより企業イメージの向上を図ることができるとともに、その趣旨に賛同する消費者の購買を期待することができる。
 換言すれば、企業にとってマーク使用料は、企業及び商品の広告宣伝効果を期待して支払うものと認められる。

[マークの表示例]

1 太陽光発電の場合

1.太陽光発電の場合の図

2 太陽光以外による発電の場合

2.太陽光以外による発電の場合の図

※8:マークの下部に記載している文章(以下「マーク説明文」という。)のうちアンダーライン部分(「製造」及び「50%」)は、いずれも例示である。

ロ マーク使用料の金額

 企業は、マーク事業者との間でマークの使用許諾契約を締結し、その契約に基づき、当該企業が各事業年度においてマークを添付した製品の製造に対して費消した電力量に応じたマーク使用料を支払うこととなる。
 マーク使用料の金額は、個々の使用許諾契約において定めることとなるマークの使用範囲※9のうち製品の製造等に使用する電力量(以下「基準使用量」という。)に個々の契約ごとに定める1kwh当たりの単価※10を乗じて計算することとなる。※11

※9:マークの使用許諾契約においては、マークの使用範囲として、1使用商品名、2使用目的、3使用方法、4使用媒体、5使用予定数量及び6基準使用量を定めることとしている。

※10:1kwh当たりの単価は、エネルギー研究所が設定するマーク使用料の標準単価を上限として、企業とマーク事業者の間で決定される。このマーク使用料の標準単価は、年間契約量及び電力の種類に応じ、例えば、下表のとおり定めることとなる。

年間契約量 太陽光以外による発電 太陽光発電
10万kWh以上
5円/kWh
12円/kWh
10万kWh未満
10円/kWh
15円/kWh

なお、上記※6のとおり、マーク使用料を受けたマーク事業者においては、対象となる製品の製造等に使用する電力量に相当するグリーン電力の発電を確保する義務がある。このため、マーク使用料の標準単価は、グリーン電力の発電に要する費用と一般的な発電(火力発電など)による電力の調達費用との差額に、マーク事業者における手数料等を加えた合理的な金額となるようエネルギー研究所が算出することとなる(マーク事業者は複数存在するが、当該標準単価は全マーク事業者に等しく適用される。)。

※11:マーク使用料の金額は、対象となる製品の製造等に使用する電力の使用料金(企業により異なるが大規模な工場における平均的な単価は1kwh当たり13円程度と考えられる。)に比べた場合、その使用料金の38%から115%までに相当する金額となる。

 具体的な設例によって、マークの使用範囲及びマーク使用料の金額を計算すれば、次の設例のとおりとなる。

[設例]

 X社が、A(電化製品)に太陽光発電によるマークを添付するため、Aの組立作業(100%)に要する基準使用量につき、マークの使用許諾契約を締結した場合。

(マークの使用範囲)

  • 1 使用商品名:A(電化製品)
  • 2 使用方法:製品Aの本体等に説明文と共にマークを表示
  • 3 使用媒体:製品Aの本体のほか製品Aの製品説明書及びX社のホームページ
  • 4 使用予定数量:30万台
  • 5 電力の種類:太陽光発電
  • 6 基準使用量:60万kWh
  • 製品Aの組立作業に要する電力使用量の100%

(上記の場合のマーク使用料の金額計算例)
 12円/kWh×60万kWh=720万円・・・X社のマーク使用料

※ 12円/kWh:1kwh当たりの単価(この設例では年間契約量10万kWh以上の標準単価(太陽光発電の場合)を採用したものとしている。)

※ 60万kWh:1台あたり2kWh×使用予定数量30万台

《マークの表示》

マークの表示の図

※12:製品本体が小さいために、マーク説明文を記載できない場合におけるマークの使用方法については、ガイドラインに詳細を定めている。この場合、例えば、製品本体にはマークを表示するとともに、その下段に使用工程及びその工程における割合(数値を%で表示)並びにグリーンエネルギーの種類を示すアルファベット(太陽光はPなど)及びその使用割合(数値を%で表示)を記載し、その製品説明書及び企業のホームページ等において、マーク説明文として記載すべき内容を記載するといった使用方法となる(参考資料3参照)。

ハ 使用許諾契約によるマーク使用料の支払

 企業とマーク事業者との間で締結するマークの使用許諾契約は、企業の事業年度を基準として締結される。
 また、マーク使用料は、当該各事業年度末から1ヶ月が経過する日までにマーク事業者から企業に請求書をもって請求し、企業は、請求日の翌月末日までにマーク事業者の指定する銀行口座に支払うこととしている。

※13:マーク使用料の金額が多い場合は、分割払いを求める場合がある。

ニ 照会事項に対する見解

 企業が、マーク事業者との間でマークの使用許諾契約を締結し、その契約に基づき支払うマーク使用料は、上記イのとおり、企業にとって企業及び商品の広告宣伝効果を期待して支払うものであり、また、上記ロのとおり、マークの使用量等に応じて金額が設定されていることから、寄附金の額に該当しない対価性のある費用に該当するものと考えられる。
 また、当該使用許諾契約は、上記ハのとおり、企業の事業年度を基準として締結され、マーク使用料が企業の各事業年度におけるマークの使用実績に応じて確定する。
 しかしながら、マーク使用料は製品の製造のために要するものであることから棚卸資産の取得価額(法令321二)に算入すべきものである。
 したがって、その確定額のうち当該事業年度の売上げに対応する部分の金額を当該事業年度の各企業の所得計算において、製造原価として損金の額に算入することとなるものと考えられる。
 なお、その確定額のうち当該事業年度の売上げに対応しない部分の金額は、棚卸資産として翌事業年度以降の売上げに応じて損金算入することとなると考えられる。

(2) 消費税について

イ マーク使用料の内容等

 上記2の(2)のとおり、企業は、マークの使用許諾契約に基づき、製造した製品にマークを添付することができるものであり、対価性のあるマークの使用料に該当する。

ロ 照会事項に対する見解

 企業が支払うマーク使用料は、上記イのとおり、商標たるマークの使用料であることから、消費税法上の資産の貸付けの対価に該当するものと考える。
 したがって、企業はマークを使用した課税期間の使用実績に応じて確定した金額を仕入税額控除の対象とすることができる。