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ホーム税について調べるパンフレット・手引き平成19年6月 源泉徴収のあらまし>第10 非居住者又は外国法人に支払う所得の源泉徴収事務

第10 非居住者又は外国法人に支払う所得の源泉徴収事務

1 非居住者又は外国法人に対する課税制度の概要

1 我が国の課税体系と国際的二重課税の排除措置

 各国の租税制度は、その国の歴史的、政治的、経済的な諸要因等を背景に独自に発達してきたものであり、各国がそれぞれ固有の課税権を排他的又は普遍的に行使しようとすれば、必然的に国際的な二重課税の問題が生じることとなりますが、この二重課税の問題は、課税の原則からすれば、一般的には回避しなければならない事柄であると理解されています。
 このような考え方から、自国の居住者又は内国法人に対して課税する場合とそれ以外の者に課税する場合とを区分して課税権を行使するとともに、二重課税が発生した場合には、これを排除する別段の規定を設けていることが一般的です。
 我が国の所得税法及び法人税法では、居住者及び内国法人以外の者、すなわち、非居住者及び外国法人に対する課税については、その課税の範囲を居住者及び内国法人に比して狭く規定し、課税対象とする所得をその所得の発生源泉地が国内にあるもの、いわゆる国内源泉所得に限ることとしています。
 このように、課税対象を国内源泉所得に限定したとしても、国際間における二重課税を完全に排除することはできないため、二重課税を排除するためには、外国税額控除の規定や国外の所得を非課税とするなどの規定を設けてその調整を図らなければならないこととなります。
 なお、我が国の二重課税の排除措置としては、外国税額控除方式が採用されています。

2 納税義務者の区分と所得税の課税所得の範囲・課税方法

(1) 納税義務者の区分と課税所得の範囲・課税方法
 所得税法上の我が国の納税義務者の区分とその課税所得の範囲及び課税方法の概要は次の表1のとおりです。

(表1)【納税義務者の区分と課税所得の範囲・課税方法の概要】

項目/納税義務の区分 課税所得の範囲 課税方法
 


 
 



 

非永住者以外の居住者

(所法21三)

国の内外で生じたすべての所得(所法51、71一) 申告納税又は源泉徴収
非永住者
(所法21四)
国内源泉所得及びこれ以外の所得で国内において支払われ、又は国外から送金された所得(所法51、71二) 申告納税又は源泉徴収
非居住者
(所法21五)
国内源泉所得(所法52、71三) 申告納税又は源泉徴収
 


 
内国法人
(所法21六)
国内において支払われる利子等、配当等、定期積金の給付補てん金等、匿名組合契約等に基づく利益の分配及び賞金(所法53、71四) 源泉徴収
外国法人
(所法21七)
国内源泉所得のうち特定のもの(所法54、71五) 源泉徴収
人格のない社団等
(所法21八)
内国法人又は外国法人に同じ(所法4) 源泉徴収

(2) 納税義務者の区分
 
所得税法上、納税義務者については、1居住者、2非居住者、3内国法人及び4外国法人の4つに区分されています。この場合、人格のない社団等は、法人とみなされることとされています(所法4)。
 また、それぞれの納税義務者の意義については、次のように定められています。

イ 「居住者」……国内(所得税法の施行地をいいます。)に住所を有し、又は現在まで引き続いて国内に1年以上居所を有する人(所法21三)
 なお、居住者のうち、「日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人」は、非永住者(所法21四)として一般の居住者とは区別して課税所得の範囲が定められています。

ロ 「非居住者」……国内に住所も1年以上の居所も有しない人(所法21五)
 なお、国外に居住することとなった個人が次のいずれかに該当する場合には、その人は、国内に住所を有しない人(非居住者)と推定されます(所令151)。

1 その人が国外において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。

2 その人が外国の国籍を有し又は外国の法令によりその外国に永住する許可を受けており、かつ、その人が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有しないこと、その他国内におけるその人の職業及び資産の有無等の状況に照らし、その人が再び国内に帰り、主として国内に居住すると推測するに足りる事実がないこと。
 また、船舶、航空機の乗組員の住所が国内にあるかどうかは、その人の配偶者その他生計を一にする親族の居住している地又はその人の勤務外の期間に通常滞在する地が国内にあるかどうかにより判定します(所基通3−1)。

ハ 「内国法人」……国内に本店又は主たる事務所を有する法人(所法21六)

ニ 「外国法人」……国内に本店も主たる事務所も有しない法人(所法21七)

(3) 課税所得の範囲
 所得税法における課税所得の範囲については、納税義務者の区別に応じて、それぞれその範囲が定められていますが、源泉徴収の対象となるものの詳細については、「IV 源泉徴収の対象となる国内源泉所得の取扱い」の項で説明します。

(4) 課税方式
 所得税法においては、その納付すべき税額の課税方式として、申告納税方式と源泉徴収方式が採用されており、非居住者については、その人が国内に恒久的施設(P.E.)を有する場合には、居住者と同様に(一定の所得は源泉徴収の上)申告納税方式を原則としていますが、その他の場合には、原則として源泉徴収のみで課税関係が完結する源泉分離課税方式が基本となっています。
 また、外国法人についても、所得税法及び法人税法において同様の取扱いが定められています。

3 非居住者又は外国法人に支払う所得の源泉徴収と申告納税の概要

 非居住者又は外国法人が、国内の源泉から生ずる所得、すなわち国内源泉所得を有する場合には、その国内源泉所得について納税の義務を負い、国内に支店等の事業上の拠点(恒久的施設)を有するか否かによって課税方式が異なっていますが、その事業上の拠点が、1支店・工場である場合、21年を超えて建設作業等を行う場合、3自己のために契約を締結する代理人を置いている場合、413以外の場合(事業上の拠点を有しない場合)、の4つの区分により、その課税方式及び課税対象となる所得が更に次の表2及び表3のように異なっています(所法164、法法141)。
 なお、これらの表は、課税関係の概要を示すものですから、租税条約にはこれと異なる定めのものがあることに注意する必要があります。

(表2)【非居住者に対する課税関係の概要】

非居住者に対する課税関係の概要

(注)

1 措置法第37条の10の規定により、国内に恒久的施設を有する者が行う株式等の譲渡による所得については、15%の税率で申告分離課税が適用されます。なお、措置法第37条の11の規定により、平成15年1月1日から平成20年12月31日までの間の上場株式等の譲渡による所得については7%の優遇税率が適用されます。

2 措置法第41条の9の規定により、懸賞金付預貯金等の懸賞金等については、15%の税率で源泉分離課税が適用されます。

3 措置法第41条の12の規定により、割引債(特定短期公社債等一定のものを除きます。)の償還差益については、18%(一部のものは16%)の税率で源泉分離課税が適用されます。

4 資産の所得のうち資産の譲渡による所得については、不動産の譲渡による所得及び所令第291条第1項第1号から第6号までに掲げるもののみ課税されます。

5 措置法第37条の12の規定により、国内に恒久的施設を有しない者が行う株式等の譲渡による所得については、15%の税率で申告分離課税が適用されます。

6 措置法第42条の規定により、特定の免税芸能法人等が得る対価については、15%の税率が適用されます。

7 措置法第3条及び第41条の10の規定により、国内に恒久的施設を有する者が得る利子等(四号所得)及び定期積金の給付補てん金等(十一号所得)については、15%の税率で源泉分離課税が 適用されます。

8 措置法第8条の2の規定により、国内に恒久的施設を有する者が得る配当等(五号所得)のうち私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等については、15%の税率による源泉分離課税が適用されます。

9 措置法第9条の3の規定により、上場株式等に係る配当等(基準日において配当を支払う内国法人の発行済株式又は出資の総数又は総額の5%以上を有する個人が支払を受けるものを除きます。)については、平成15年4月1日から同年12月31日までの間は10%、平成16年1月1日から平成21年3月31日までの間は7%の優遇税率が適用され、平成21年4月1日以後は15%の軽減税率が適用されます。
 また、公募証券投資信託(公社債投資信託及び特定株式投資信託を除きます。)の収益の分配に係る配当等及び特定投資法人の投資口の配当等については、平成16年1月1日から平成21年3月31日までの間は7%の優遇税率が適用され、平成21年4月1日以降は15%の軽減税率が適用されます。

10 措置法第8条の5の規定により、国内に恒久的施設を有する者が得る配当等(源泉分離課税が適用されるものを除きます。)については、確定申告による総合課税を受ける必要のないいわゆる配当所得の確定申告不要制度の適用が認められます。   

11 措置法第9条の5の2の規定により、外国特定目的信託の利益の分配及び外国特定投資信託の収益の分配については、剰余金の配当とみなされます。

12 所法第5条、第6条の2、第6条の3及び第7条の規定により、法人課税信託の受託者は、その信託財産に帰せられる所得についてその信託された営業所(国内又は国外の別)に応じ、内国法人又は外国法人として所得税が課税されます。

表3)【外国法人に対する課税関係の概要(網かけ部分が法人税の課税範囲)】

外国法人に対する課税関係の概要(網かけ部分が法人税の課税範囲)

(注)

1 事業の所得のうち、組合契約事業から生ずる利益の配分については、所得税の源泉徴収が行われます。

2 措置法第41条の12の規定により、割引債(特定短期公社債等一定のものを除きます。)の償還差益については、18%(一部のものは16%)の税率で源泉徴収が行われます。

3 資産の譲渡による所得のうち、国内にある土地若しくは土地の上に存する権利又は建物及びその附属設備若しくは構築物の譲渡による対価(所令281の3に規定するものを除きます。)については、所得税の源泉徴収が行われます。

2 源泉徴収の対象となる国内源泉所得と源泉徴収税額

1 所得税法に基づく源泉徴収

(1) 源泉徴収の対象となる国内源泉所得の範囲
 非居住者又は外国法人(以下「非居住者等」といいます。)が我が国において、その所得について所得税又は法人税の課税を受ける場合、その課税所得の範囲については、事業所等の拠点(恒久的施設)を有するか否かによって差異があります。
 しかし、次の表4の所得については原則としてその事業所等の拠点の有無にかかわらず(「組合契約事業利益の配分」についてはその事業所等の拠点がある場合に)、その支払の段階で一律に所得税の源泉徴収を受けることになっています。

(表4)【源泉徴収の対象となる国内源泉所得の範囲】

所得の区分 内容
組合契約事業利益の配分
(所法161一の二)
 国内において組合契約に基づいて行う事業から生ずる利益(その事業から生ずる収入からその収入に係る費用(所法第161条第一号の三から第十二号までに掲げる国内源泉所得について源泉徴収された所得税を含みます。)を控除したもの)について、その組合契約に基づいて配分を受けるもの(所令281の2) 。
 この場合の「組合契約」とは、次に掲げる契約をいいます。

1 民法第667条第1項に規定する組合契約

2 投資事業有限責任組合契約に関する法律第3条第1項に規定する投資事業有限責任組合契約

3 有限責任事業組合契約に関する法律第3条第1項に規定する有限責任事業組合契約

4 外国における契約で13に類する契約

土地等の譲渡対価
(所法161一の三)
 国内にある次に掲げる土地等の譲渡対価のうち、その土地等を自己又はその親族の居住の用に供するために譲り受けた個人から支払われるもの(譲渡対価が1億円を超えるものを除きます。)以外のもの(所令281の3)

1 土地及び土地の上に存する権利

2 建物及び建物の附属設備

3 構築物

人的役務の提供事業の対価
(所法161二)
 国内において行う人的役務の提供を主たる内容とする事業で、次に掲げる者の役務提供の対価(所令282)

1 映画、演劇の俳優、音楽家、その他の芸能人、職業運動家

2 弁護士、公認会計士、建築士、その他の自由職業者

3 科学技術、経営管理、その他の分野に関する専門的知識又は特別な技能を有する者

不動産の賃貸料等
(所法161三)
 国内にある不動産、不動産の上に存する権利若しくは採石権の貸与、租鉱権の設定又は居住者若しくは内国法人に対する船舶・航空機の貸付けによる対価
利子等
(所法161四)
 利子所得のうち、次に掲げるもの

1 公社債のうち日本国の国債、地方債又は内国法人の発行する債券の利子

2 国内にある営業所に預けられた預貯金の利子

3 国内にある営業所に信託された合同運用信託、公社債投資信託又は公募公社債等運用投資信託の収益の分配

配当等
(所法161五)
 配当等のうち、次に掲げるもの

1 内国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は基金利息

2 国内にある営業所に信託された投資信託(公社債投資信  託及び公募公社債等運用投資信託を除きます。)の収益の分  配、特定受益証券発行信託の収益の分配

貸付金の利子
(所法161六)
 国内において業務を行う者に対する貸付金で、その業務に係るものの利子(所令283)
使用料等
(所法161七)
 国内において業務を行う者から受ける次の使用料又は対価で、その業務に係るもの(所令284)

1 工業所有権等の使用料又はその譲渡による対価

2 著作権等の使用料又はその譲渡による対価

3 機械、装置及び車両等の使用料

給与等の人的役務
提供の報酬等
(所法161八)

1 俸給、給料、賃金、歳費、賞与又はこれらの性質を有する給与その他人的役務の提供に対する報酬のうち、国内において行う勤務その他の人的役務の提供に基因するもの(所令2851

2 公的年金等(所令2852

3 退職手当等のうち受給者が居住者であった期間に行った勤務その他の人的役務の提供に基因するもの(所令2853

事業の広告宣伝の
ための賞金
(所法161九)
 国内において行う事業の広告宣伝のために、賞として支払われる金品、その他の経済的利益(所令286)
生命保険契約に基
づく年金等
(所法161十)
 国内にある営業所等を通じて締結した生命保険契約、損害保険契約等に基づいて受ける年金等(公的年金等を除きます。)(所令287)
定期積金の給付補
てん金等
(所法161十一)
 国内にある営業所等が受け入れたもので次に掲げるもの

1 定期積金の給付補てん金

2 銀行法第2条第4項の契約に基づく給付補てん金

3 抵当証券の利息

4 金投資口座等の差益

5 外貨投資口座等の為替差益

6 一時払養老保険、一時払損害保険等の差益

 

匿名組合契約等に
基づく利益の分配
(所法161十二)
 国内において事業を行う者に対する出資のうち、匿名組合契約等に基づいて行う出資により受ける利益の分配(所令288)

(注) 所得税第161条第1号の2から第12号までに掲げる対価、使用料、給与、報酬等(以下「対価等」といいます。)には、その対価等として支払われるものばかりではなく、その対価等に代わる性質を有する損害賠償金その他これに類するものも含まれます。また、「その他これに類するもの」には、和解金、解決金のほか、対価等の支払が遅延したことに基づき支払われる遅延利息とされる金員で、その対価等に代わる性質を有するものが含まれます(所基通161−6の2)。

(2) 源泉徴収義務者と源泉徴収税額

イ 源泉徴収義務者
 非居住者等に対して国内において源泉徴収の対象となる国内源泉所得の支払をする者は、その支払の際、所得税を源泉徴収し、納付する義務があります(所法212 1)。
 なお、国内源泉所得の支払が国外において行われる場合であっても、その支払者が国内に住所若しくは居所を有し、又は国内に事務所、事業所その他これらに準ずるものを有するときは、国内において支払われたものとみなして源泉徴収をする必要があります(所法2122)。
 また、組合契約事業から生ずる利益の配分については、組合契約を締結している組合員(注)である非居住者等がその組合契約に定める計算期間その他これに類する期間(これらの期間が1年を超える場合は、これらの期間をその開始日以後1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、その1年未満の期間)をいい、以下「計算期間」といいます。)において生じた利益につき、金銭その他の資産の交付を受ける場合には、その配分をする者を利益の支払をする者とみなし、その金銭等の交付をした日(その計算期間の末日の翌日から2か月を経過する日までにその利益に係る金銭等の交付がされない場合には、同日)においてその支払があったものとみなして源泉徴収をする必要があります(所法2125)。

(注) ここでいう「組合員」とは、組合契約を締結していた組合員並びに外国における組合契約に類する契約を締結している者及び締結していた者をいいます(所令328の2)。

ロ 源泉徴収税額
 源泉徴収税額は、原則として国内源泉所得の支払金額に一定の税率を乗じて求めた金額となりますが、年金や賞金のように、支払金額から所定の控除額を差し引いた上で税率を乗じることとされているものもあります(所法213、所令329)。
 なお、税率及び控除額は次の図1のとおりです。
 また、支払を受ける非居住者等の本国と我が国との間に租税条約が締結されている場合には、その条約で定められている税率(限度税率)に軽減することになります(実施特例法3の2)。

(図1)【源泉徴収の対象となる国内源泉所得と税率等】

図1

(注)

1 国内源泉所得の金額の中に消費税及び地方消費税相当額が含まれる場合には、消費税及び地方消費税を含めた金額が源泉徴収の対象金額となります。ただし、国内源泉所得の支払を受ける者からの請求書等において国内源泉所得の金額と消費税及び地方消費税相当額とが明確に区分されている場合には、その国内源泉所得の金額のみを源泉徴収の対象金額として差し支えありません(平元直法6−1、平9課法8−1改正)。

2 年齢が65歳以上の人が受ける年金については、「10万円×年金の額に係る月数」となります(措法41の15の23)。

ハ 外貨で表示されている支払額の邦貨換算
 源泉徴収の対象とされる所得の支払うべき金額が外貨で表示されている場合には、その外貨表示の支払額を邦貨に換算し、税率を乗じて税額を求めることとなります。この場合の邦貨への換算の方法は、それぞれ次によります(所基通213−1、213−2)。

(イ) 外貨表示の金額を邦貨で支払う場合
 その支払に関する契約等において定められている換算方法等に従って支払うこととなる邦貨の金額によります。

(ロ) 外貨表示の金額を外貨で支払う場合

1 その支払に関する契約等においてその支払期日が定められているとき(支払うべき時期が月、週等の期間をもって定められている場合を含みます。)
 外貨で表示されている額をその支払うべき日(支払うべき時期が月、週等の期間をもって定められている場合は、その期間の末日とし、同日前にその支払が行われた場合は、その支払が行われた日とします。)のその支払をする者の主要取引金融機関(その支払をする者がその外貨に係る対顧客直物電信買相場(以下「電信買相場」といいます。)を公表している場合には、その支払をする者)におけるその外貨に係る電信買相場により邦貨に換算した金額によります。
 ただし、その支払が著しく遅延して行われている場合を除き、その外貨で表示されている額を現に支払った日における電信買相場により邦貨に換算した金額によることとしても差し支えありません。

2 その支払に関する契約等においてその支払期日が定められていないとき
 外貨で表示されている額を現に支払った日における電信買相場により邦貨に換算した金額によります。

(注) 邦貨換算の特例
 外貨で表示されている額に相当する対外支払手段をその支払うべき日以後において外貨の売買業務を行う者から邦貨により購入して支払うときは、その支払が著しく遅延して行われる場合を除き、その支払うべき外貨で表示されている額をその対外支払手段の購入に際し適用された外国為替相場によって換算した金額を、その国内源泉所得の金額として差し支えないこととされています(所基通213−3)。

ニ 源泉徴収税額の納付
 源泉徴収した所得税は、原則として徴収した日の属する月の翌月10日までに「非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書(納付書)」(割引債の償還差益及び上場株式等の譲渡所得については、これらの所得についての所得税徴収高計算書(納付書))を添えて最寄りの金融機関(銀行、郵便局等)、所轄の税務署の窓口又はe-Taxで納付します(所法2121、220、所規80、国税通則法341)。
 なお、非居住者等の所得については、国内源泉所得の支払が国外で行われる場合であっても、その支払者が国内に住所若しくは居所を有するか又は国内に事務所、事業所その他これらに準ずるものを有するときは、国内において支払われたものとみなして源泉徴収の対象とすることになっており、この場合の納付期限は、事務手続等を考慮して翌月10日ではなく、翌月末日となっています(所法2122)。

2 租税特別措置法に基づく源泉徴収

(1) 償還差益に対する源泉徴収
 割引債を発行する者は、その割引債の発行の際にその割引債を取得する個人又は法人から次により計算した額の所得税を源泉徴収し「償還差益の所得税徴収高計算書(納付書)」を添えて、その発行した月の翌月10日までに、最寄りの金融機関(銀行、郵便局等)又は所轄の税務署の窓口で納付しなければなりません(措法41の12、措令26の101、国税通則法341)。

 『(券面金額−発行価額)×18%』

 この規定により徴収して納付すべき所得税は、その割引債の取得者(取得者と償還を受ける者とが異なる場合には、償還を受ける者)の償還差益に対する所得税としてその償還を受ける時に徴収された所得税とみなされます(措法41の124)。
 なお、非居住者(個人)が償還を受ける場合の償還差益については、恒久的施設の有無にかかわらず、源泉分離課税とされ、源泉徴収だけで納税が完結することになっています(措法41の121

(注) 源泉徴収の対象となる割引債の範囲などについては、第6のV「割引債の償還差益に対する源泉徴収」を参照してください。

(2) 懸賞金付預貯金等の懸賞金等に対する源泉徴収

イ 源泉徴収の概要
 非居住者等に対し、懸賞金付預貯金等の懸賞金等の支払等をする者は、その支払等の際、15%の税率によって計算した所得税を源泉徴収し、「非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書(納付書)」を添えて、その懸賞金等を支払った月の翌月10日までに、最寄りの金融機関(銀行、郵便局等)又は所轄の税務署の窓口で納付しなければなりません(措法41の9、国税通則法341)。
 なお,非居住者(個人)が支払を受けるものについては、この源泉徴収だけで納税が完結する源泉分離課税が適用されます(措法41の91)。

ロ 懸賞金等の範囲
 懸賞金付預貯金等の懸賞金等とは、国内において預貯金等(預貯金、合同運用信託、公社債、公社債投資信託の受益権又は定期積金等)の契約に基づき預入等(預入、信託、購入又は払込み)がされた預貯金等を対象として、くじ引きその他の方法により支払等を受ける金品その他の経済上の利益(懸賞金等)をいいます(措令26の9)。

(3) 特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等の源泉徴収
 国内に恒久的施設を有する非居住者が行う有価証券の譲渡による所得のうち一定のものについては、「申告分離課税」による課税を建前としつつ、特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等に対する源泉徴収制度が設けられています。
 特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等に対する源泉徴収制度は、納税者が源泉徴収の選択をした特定口座を通じて上場株式等の譲渡等(信用取引及び発行日取引を含みます。)を行ったことにより一定の方法により計算した差益が生じた場合に、その譲渡対価の支払をする証券業者等がその差益に対し7%(平成21年1月1日以降は15%)の税率による所得税を徴収して納付するものです(措法37の11の4)。

(注) 特定口座に係る源泉徴収制度については「第9 特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等の源泉徴収事務」を参照してください。

(4) 外国特定目的信託の利益の分配又は外国特定投資信託の収益の分配に対する源泉徴収

  非居住者等に対し、国内において外国特定目的信託の利益の分配又は外国特定投資信託の収益の分配の支払をする者は、その支払の際、20%の税率によって計算した所得税を源泉徴収し、「非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書(納付書)」を添えて、その支払った月の翌月10日までに、最寄の金融機関(銀行、郵便局等)、所轄の税務署の窓口又はe-Taxで納付しなければなりません(措法9の5の24、国税通則法341)。また、外国特定目的信託の利益の分配又は外国特定投資信託の収益の分配の支払が国外において行われる場合には、国内において支払うものとみなされ、その支払った月の翌月末日までに源泉徴収税額を納付しなければなりません(措法9の5の25)。なお、非居住者(個人)のうち、1一年を超える建設作業を行う者、2一定の要件を備える代理人等を有する者及び3国内に恒久的施設を有しない者が支払を受けるもの(1及び2が支払を受けるものについては、国内事業に帰せられないものに限ります。)については、この源泉徴収だけで納税が完結する源泉分離課税が適用されます(措法9の5の224)。

3 源泉徴収制度の特例

1 所得税法による課税の特例
 非居住者等のうち我が国に恒久的施設を有する者が支払を受ける国内源泉所得については、原則として総合課税の対象となっていますが、事業及び資産の所得(1号所得)以外の所得については、その支払を受ける際に源泉徴収が行われることになっています(所法71、2121)。
 したがって、特定の所得、例えば、不動産の賃貸料、貸付金の利子などについては、その支払を受ける際に源泉徴収されることによって、居住者又は内国法人と異なる取扱いを受けることとなります。
 しかしながら、我が国に恒久的施設を有して事業活動を行っている非居住者等は、居住者又は内国法人と同様の状況にあることから、一定の要件を満たす場合には、非居住者等に対してのみ源泉徴収の対象とされている特定の所得について源泉徴収の免除を認めるなどによって、居住者又は内国法人と同様の取扱いを受けることができることとされています。

(1) 源泉徴収免除制度
 わが国に恒久的施設を有する非居住者等が、納税地の所轄税務署長から源泉徴収免除証明書の交付を受け、この免除証明書を国内源泉所得の支払者に提示した場合には、その免除証明書の有効期間内にその支払者が支払う国内源泉所得のうち特定のものについては、源泉徴収を要しないこととされています(所法180、214)。

(注)

1 組合契約を締結している者にあっては、組合契約事業以外の事業につき恒久的施設を有する非居住者等に該当する者に限ります(所令305の2、331の2)。 

2 平成16年6月30日以前においては、免除証明書を所得の支払者に提出又は提示することが必要とされていましたが、平成16年7月1日以後から提示方式に統一されました。
 なお、平成16年6月30日以前に支払者に免除証明書を提出又は提示している場合には、平成16年7月1日以後にその支払者から国内源泉所得の支払を受ける場合であっても、その免除証明書の有効期間中に支払われるものであるときは、改正後の規定による免除証明書の提示があったものとして適用されます(平16改正法附則42、92、352)。

 なお、非居住者等が我が国に有している恒久的施設の形態が1年を超える建設作業等又は代理人等である場合には、その建設作業等や代理人等に帰せられる部分の所得に限り源泉徴収が免除されます。
 この源泉徴収の免除の対象となる国内源泉所得は、所得税法第161条に掲げるもののうち、次のものに限られます。

1 組合契約事業から生ずる利益の配分(一号の二)

2 外国法人に支払う土地等の譲渡対価のうち所得税法第13条第1項にただし書に規定する信託で国内にある営業所に信託されたものの信託財産に帰せられるものに係るもの(一号の三)

3 人的役務提供事業の対価(二号)

4 不動産の賃貸料等(三号)

5 貸付金の利子(六号)

6 使用料(非居住者については、所得税法第204条第1項第1号の報酬・料金に該当するものを除きます。)(七号)

7 非居住者に支払う給与その他人的役務の提供報酬(給与及び所得税法第204条第1項第5号の人的役務の提供に関する報酬・料金以外のものを除きます。)(八号イ)

8 事業の広告宣伝のための賞金(外国法人に限ります。)(九号)

9 生命保険契約に基づく年金等(非居住者については、その支払額が25万円以上のものを除きます。)(十号)

(2) 非課税外国法人
 日本の公益法人等に類似する外国法人で所定の要件を備えるものとして財務大臣の指定した外国法人(所得税法の別表第1第2号に掲げられている外国法人)については、所得税を課さないことになっています(所法112)。

2 租税特別措置法による課税の特例

(1) 利子所得に対する非課税措置
 非居住者等が支払を受ける次の利子などについては、所得税が非課税とされています。

イ 振替国債等の利子の非課税
 非居住者等が支払を受ける振替国債又は振替地方債の利子については、非課税適用申告書や所有期間明細書を提出するなどの一定の要件のもとに、その者の所有していた期間(振替記載等を受けていた期間に限ります。)に対応する金額(措法5の2)。

(注) 振替地方債については、平成20年1月1日以後に支払を受けるべき利子について適用されます。

ロ 民間国外債の利子の非課税
 内国法人が昭和60年4月1日から平成20年3月31日までの間に発行した民間国外債につき、非居住者等に対して支払う利子(非課税適用申告書を提出するなど一定の要件を満たす必要があります。)(措法6)。

ハ 特別国際金融取引勘定において経理された預金等の利子の非課税
 外国為替及び外国貿易法第21条第3項に規定する金融機関が、平成10年4月1日から平成20年3月31日までの間に、同項に規定する非居住者であることの一定の証明がされた外国法人から受け入れた預金又は借入金で、特別国際金融取引勘定(オフショア勘定)において経理したものについてその外国法人が支払を受ける利子(措法7)。

ニ 外国金融機関等の債券現先取引に係る利子の非課税
 外国金融機関等(一定の銀行業・証券業・保険業を営む外国法人、外国の中央銀行又は国際機関)が、平成14年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始した一定の要件を満たす債券の買戻又は売戻条件付売買取引につき、一括清算法の対象者である国内の金融機関等又は日本銀行から支払を受ける利子(措法42の2)。

(2) 上場会社等の自己の株式の公開買付けの場合のみなし配当課税の不適用の特例
 上場会社等が、平成7年11月17日から平成21年3月31日までの間に公開買付けにより自己の株式を取得した場合において、その上場会社の株主である非居住者がその公開買付に応じて行うその上場会社等の株式の譲渡の対価として交付を受ける金銭の額がその上場会社等の資本金等の額のうち、みなし配当課税を行わずに、譲渡対価の全額を株式の譲渡による収入金額として譲渡所得の金額の計算をすることとされています。(措法9の6)。

3 租税条約による課税の特例

(1) 租税条約による課税の特例の概要
 非居住者等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより、その非居住者等が支払を受ける国内源泉所得に対する課税が軽減又は免除される場合があります。
 この課税の免除又は軽減を受けようとするときは、所定の事項を記載した届出書(添付書類が必要な場合にはその添付書類も含みます。)や申請書をその国内源泉所得の支払者を経由して税務署に提出する必要があります。
 現在、租税条約に定める特例のうち、源泉徴収に関するものの概要は次のとおりです。

イ 利子、配当、使用料に対する課税の軽減又は免除の特例
 利子、配当、工業所有権等の使用料については、租税条約により、源泉所得税が軽減又は免除されることがあります。

ロ 上記イ以外の所得に対する免税の特例

(イ) 組合契約事業から生ずる利益を免税とするもの
 組合員が国内に恒久的施設を有しない場合等に免税とするものです。

(注) 「組合員」については、21(1)を参照。

(ロ) 芸能人等の人的役務の提供事業の対価を免税とするもの
 芸能人等の人的役務の提供事業の対価であっても、この提供事業を行う者が日本国内に恒久的施設を有しない場合等に免税とするものです。
 ただし、租税条約に次の規定がある場合には、適用されません。

1 芸能人等が人的役務の提供を行う国に恒久的施設を有するものとみなす規定

2 芸能人等の役務提供事業の所得は、役務提供地で課税できるとする規定

3 人的役務を提供する芸能人等がその雇用者である法人の所有者である場合(いわゆる「ワンマンカンパニー」)の適用除外に関する規定

(ハ) 船舶、航空機の貸付けの対価を免税(国際運輸業所得の免税)とするもの

(ニ) 特許権等の譲渡対価を免税とするもの

(ホ) 短期滞在者に支払う報酬を免税とするもの

(ヘ) その他の特例として、次の者の人的役務の提供に対する報酬等を免税とするもの

1 自由職業者

2 学生、事業修習者等

3 教授等

4 政府職員

 所得源泉地についての特例
 租税条約において、所得源泉地に関して国内法と異なる定めを規定している場合には、その租税条約の定めるところに従って、国内源泉所得の範囲を判定することになります(所法162、法法139)。

(2) 租税条約に基づく軽減又は免除を受けるための手続

イ 租税条約に関する届出書の提出
 租税条約に基づく所得税の軽減又は免除を受けるためには、源泉徴収の対象となる国内源泉所得の支払を受ける者が、「租税条約に関する届出書」(特典条項の適用がある租税条約の規定に基づき所得税の軽減又は免除を受ける場合には、「特典条項に関する付表」及びその添付書類を含みます。以下同じです。(注))を支払の日の前日までにその支払者を経由して支払者の納税地の所轄税務署長に提出する必要があります(実施省令1の2、2〜3、4〜9、9の5〜9の9)。
 この届出書の提出がない場合には、国内法の規定による税率で源泉徴収を行うことになります。

(注) 特典条項の適用がある租税条約の規定に基づき所得税の軽減又は免除を受ける場合には、原則として届出書に相手国の居住者証明書の添付が必要とされていますが、次のことを条件に、その添付を省略することができます(実施省令9の10)。

1 届出書を提出しようとする者は、その提出の際、居住者証明書の原本を源泉徴収義務者に提示すること(この場合の居住者証明書とは、提示の日前1年以内に作成(発行)されたものに限ります。)。

2 届出書を提出しようとする者は、源泉徴収義務者から、「条約届出書の記載内容につき居住者証明書の原本により確認をした旨」の記載を届出書に受けて、税務署長に提出すること。

(注) 源泉徴収義務者は、提示を受けた居住者証明書の写しを作成し、これを国内にある事務所、事務所その他これに準ずるものの所在地において提示の受けた日から5年間保存する必要があります。

ロ 源泉徴収税額の還付請求

(イ) 租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書
 上記イの「届出書」の提出という手続は、租税条約に基づく軽減又は免除を受けるためのものですが、次の場合には、「届出書」とともに「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書(様式11)」を提出することにより、軽減又は免除の適用を受けた場合の源泉徴収税額と国内法の規定による税率により源泉徴収された税額との差額について還付を受けることができ、最終的に租税条約の適用を受けることとなります。

1 租税条約の相手国の居住者である自由職業者、芸能人若しくは運動家又は短期滞在者に該当する個人が、2以上の支払者から給与又は報酬の支払を受けるため、その給与又は報酬につき届出書を提出することができないことに基因して源泉徴収された所得税額について還付請求をするとき

2 租税条約の相手国からの留学生、事業等の修習者又は交付金等の受領者に該当する個人が、2以上の支払者から人的役務の対価としての俸給、給料、賃金その他の報酬の支払を受けるため、その報酬につき届出書を提出することができないことに基因して源泉徴収をされた所得税額について還付請求をするとき

3 租税条約の規定が遡及して適用される場合で、その規定の適用を受ける者が、租税条約の適用開始日以後その効力発生の日までの間に支払を受けた国内源泉所得につき源泉徴収をされた所得税額のうち、その租税条約の規定に基づき軽減又は免除を受けるべき金額について還付請求をするとき

4 1又は2に掲げる場合以外の場合で、その支払を受ける所得につき租税条約に関する届出をしなかったことに基因してその所得につき源泉徴収をされた所得税額のうち、租税条約の規定に基づき軽減又は免除を受けるべき金額について還付請求をするとき

(ロ) 割引債の償還差益に係る源泉徴収税額の還付請求書
 割引債の償還差益については、国内法では原則として割引債の発行時に18%(特定のものは16%)の税率で源泉徴収が必要とされていますが、租税条約によってはこの差益に対する課税が軽減又は免除されることがあります。
 この場合、「租税条約に関する割引債の償還差益に係る源泉徴収税額の還付請求書(様式13又は様式14)」を提出して、租税条約上の軽減又は免税の適用を受けた場合との差額の還付を受けることにより調整されることになります(実施省令3の4)。

4 実施特例法等による源泉徴収の特例
 租税条約の規定により免税とされる非居住者等が免税芸能法人等に該当する場合には、その免税芸能法人等が支払を受ける芸能人等の役務提供事業の対価に対していったん所得税の源泉徴収をする必要があります(措法42)。その源泉徴収された所得税については、実施特例法の規定により、免税芸能法人等が芸能人等に対して支払う役務提供報酬から源泉徴収をして、その所得税を納付した後に「租税条約に関する芸能人等の役務提供事業の対価に係る源泉徴収税額の還付請求書(様式12)」を提出することにより還付されます。この場合、この還付金の一部をその納付すべき所得税に充当することもできることとされています(実施特例法3、同省令1の3)。

(注) 免税芸能法人等とは、国内において、映画若しくは演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供を主たる内容とする事業を行う非居住者又は外国法人のうち、次のいずれかに該当することを要件として租税条約の規定により免税とされる者をいいます(措法421)。

1 国内に居所や事務所、事業所等を有しないこと。

2 その支払を受ける芸能人等の役務提供事業の対価が、国内に有する恒久的施設に帰せられないこと。

【免税芸能法人等の役務提供事業の対価に係る源泉徴収の具体例】
 下の図は、日本国内に恒久的施設を有していないことによって租税条約の規定に基づき日本国の租税が免除される免税芸能法人等が日本国内で芸能人や運動家の役務提供事業を行ったことによる対価についての源泉徴収と還付の手順(14)を示したものです。
 ここでは、免税芸能法人等(プロモーター)が、日本国内で非居住者である芸能人の役務提供を行うことによって日本の興行主(スポンサー)から1,000万円の対価の支払を受け、芸能人や他のプロモーターにその対価のうちから700万円の報酬を支払う例を示しています。

免税芸能法人等の役務提供事業の対価に係る源泉徴収の具体例

(注)

1 上記のプロモーターは、芸能人への報酬の支払に対する源泉徴収税額の納付に税務署からの還付金の一部を充てること(充当)ができます。

2 上記のプロモーターは、「免税芸能法人等に関する届出書」を提出していることから、スポンサーからプロモーターへ支払われる対価については、15%の源泉徴収税率が適用されています(措法423、措令273、措規19の12)。

4 源泉徴収の対象となる国内源泉所得の取扱い

1 組合契約事業から生ずる利益の配分(一号の二所得)
 民法上の組合契約や投資事業有限責任組合契約、有限責任事業組合契約、外国におけるこれらに類する契約に基づいて国内において行う事業から生ずる利益で、それらの契約に基づいて配分を受けるものについては、組合員である非居住者等の国内源泉所得とされ、源泉徴収の上、総合課税の対象とされています。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 国内源泉所得の範囲

  国内において民法に規定する組合契約など次の(1)掲げる契約(以下「組合契約」といいます。)に基づいて行う事業(以下「組合契約事業」といいます。)から生ずる利益で、その組合契約に基づいて配分を受けるものが国内源泉所得に該当します。

(1) 対象となる組合契約の範囲(所法161一の二、所令281の21

1 民法第667条第1項に規定する組合契約

2 投資事業有限責任組合契約

3 有限責任事業組合契約

4 外国における13に類する契約

(2) 組合契約事業から生ずる利益(所法161一の二、所令281の22
 次の算式により計算したもののうち組合契約を締結している者(組合契約を締結していた者を含みます。以下、「組合員」といいます。)がその組合契約に基づいて配分を受けるものをいいます。

(注) 所得税法第161条第1号の3から第12号までに掲げる国内源泉所得について同法第212条第1項の規定により源泉徴収された所得税を含みます。

 

2 源泉徴収

(1) 源泉徴収義務者
  組合員である非居住者等が、組合契約事業の計算期間において生じた利益について金銭その他の資産(以下「金銭等」といいます。)の交付を受ける場合には、所得税法上、その利益の配分をする者がその利益の支払をする者とみなされ、源泉徴収義務者となります(所法2125)。
 なお「配分をする者」とは、配分を受けるべき組合員のすべてをいいますから、組合員の全員が源泉徴収義務者となります(国税通則法9、所基通212−4) 。

(2) 源泉徴収すべき日
 金銭等の交付をした日(計算期間の末日の翌日から2か月を経過する日までにその利益に係る金銭等の交付がされない場合には、同日)においてその金銭等に係る利益の支払があったものとみなして、源泉徴収を行うこととなります(所法2125)。

3 源泉徴収に要しないもの

  国内に組合契約事業に関する恒久的施設も、それ以外の事業についても恒久的施設がない場合には、その組合員である非居住者等が受ける利益については源泉徴収をする必要がありません(所法2121)。


1 原則的取扱い

  租税条約では、事業所得条項が適用になります。租税条約において、事業所得は、非居住者等が国内に有する恒久的施設を通じて国内において事業を行う場合に、その恒久的施設に帰せられる部分に対してのみわが国で課税されます。したがって、国内に恒久的施設が存在しない場合や、恒久的施設が存在していてもその恒久的施設に組合契約事業から生ずる利益が帰属していない場合には、その利益についてはわが国において課税されないことになります。

(注) 組合契約事業は、組合員の共同事業ですから、組合契約事業の事務所等が恒久的施設に該当する場合には、すべての組合員が国内に恒久的施設を有することになります。これは、国内法の適用においても同様です。

 

2 租税条約上の恒久的施設

  国内法上の恒久的施設の範囲と租税条約上の恒久的施設の範囲は、異なっていることがあります。国内法上、恒久的施設に該当する場合であっても、租税条約上、恒久的施設に該当しない場合には、租税条約に関する届出書の提出により源泉徴収の必要はないこととなりますので、租税条約の規定をよく確認する必要があります。

2 土地等の譲渡対価(一号の三所得)
 国内法上、非居住者等が日本国内にある土地及び建物等の不動産を譲渡した場合については、その譲受対価を支払う者が、その支払の際に所得税を徴収しなければならないこととされており、租税条約においても、その不動産の所在地国に課税権を認めるのが一般的です。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 原則的取扱い

  土地等の譲渡対価については、他の資産の譲渡による所得とは区分して源泉徴収を要することとされています。

(1) 源泉徴収義務者

   源泉徴収義務者には「土地等の譲渡対価の支払をする者」がすべて含まれることになっており、給与の源泉徴収義務者となっているか否か等影響しないので、一般の給与所得者も源泉徴収義務者となり得ます。
ただし、居住用のために、比較的少額な不動産を譲り受けた個人に対してまで源泉徴収義務を課すことについては適当でないとの考え方から、一定の適用除外措置が講じられています。
また、源泉徴収義務が免除されている国際復興開発銀行(世界銀行)やアジア開発銀行等の国際機関は除かれます(国際復興開発銀行協定(世銀協定)79(a)他)。

(2) 土地等の譲渡者である非居住者等

   源泉徴収は、非居住者等から土地等を譲り受けた場合に行うこととなりますが、この場合の非居住者等とは次の者をいいます。

イ 非居住者

   国内に住所を有しない個人で国内に引き続き1年以上居所を有しない者をいいます。
 したがって、日本人であっても、海外企業への出向や海外勤務等で海外で継続して1年以上居住する予定で出国した人は、非居住者となります。
 ただし、国内に居住する外国の大使及び外交官である大公使館職員は、人的非課税とされていますので、これらの人の有する土地等の譲渡による対価については源泉徴収をする必要はありません。

ロ 外国法人

   国内に支店を有するかどうかにかかわらず、国内に本店や主たる事務所を有しない法人をいいます。
 ただし、財務大臣の指定を受けた所得税法別表第一第二号に掲げる「非課税外国法人」が支払を受ける土地等の譲渡対価については、所得税の源泉徴収の必要はありません(所法112)。
 なお、土地等の譲渡対価に係る源泉徴収については、所得税法第13条第1項ただし書に規定する信託で、国内にある営業所に信託されたものの信託財産に帰せられるものに係るものを除き、「国内に恒久的施設を有する非居住者又は外国法人の受ける国内源泉所得に係る源泉徴収免除制度」の適用はありません(所法1801)。

 

(3) 土地等の範囲

  「土地等」を源泉徴収の対象となるものとならないものとに区分すると、右の図のようになります。

【土地等の区分と源泉徴収】

土地等の区分と源泉徴収

 

2 源泉徴収を要しないもの

   土地等の譲渡対価の額が1億円以下で、その土地等を個人が自己又はその親族の居住の用に供するために譲り受けたものである場合には、その個人が支払う譲受対価については、所得税の源泉徴収を行う必要はないことになっています(所令281の3)。
 この規定は「個人の居住用」であるということが要件となっているため、譲受者が法人の場合は、源泉徴収を要することとなります。

 租税条約では、土地等の譲渡による所得については、その土地等の所在地国に課税権を与える源泉地国課税が通例とされています。
 我が国が締結した租税条約の多くは、不動産の譲渡等について別途規定を設けており、その適用に当たっては、各国の租税条約を個々に検討する必要があります。

3 人的役務の提供事業の対価(二号所得)
 人的役務の提供を主たる内容とする事業の対価については、国内法上は、一般の事業所得と区分し別個の国内源泉所得として特掲していますが、租税条約上は、一般の事業所得と同様に整理されています。
 ただし、芸能人や職業運動家の役務提供が事業として行われる場合には、特別な規定を設けて、役務提供地国における課税権を認める方法が採られている例が多くなっています。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 原則的取扱い

(1) 課税対象所得の内容・範囲

  国内源泉所得として課税対象となるのは、人的役務の提供を主たる内容とする事業で、その人的役務の提供が国内において行われる場合のその対価に限られます(所法161二)。
 したがって、日本の企業が国外で非居住者等から役務の提供を受けた場合の対価については、国内源泉所得には該当しません。
 また、源泉徴収の対象となる人的役務の提供事業の対価は、次の役務提供を主たる内容とする事業に係るものに限られています(所令282)。

1 映画若しくは演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務提供を主たる内容とする事業

2 弁護士、公認会計士、建築士その他の自由職業者の役務提供を主たる内容とする事業

3 科学技術、経営管理その他の分野に関する専門的知識又は特別の技能を有する者のその知識又は技能を活用して行う役務提供を主たる内容とする事業

(注)

1  これらの人的役務の提供とは、その役務提供事業者(個人)が行う自己の人的役務の提供ではなく、例えば、自己が雇用又は支配下に置く芸能人や雇用契約等のない第三者など、自己以外の他の者による役務提供をいいます。

2  その事業が、人的役務の提供を主たる内容とする事業であるかどうかについては、その外国企業等の営む主要業種いかんにかかわらず、我が国の国内における人的役務の提供に関する契約ごとに、その契約に基づく人的役務の提供が上記1から3までの事業に該当するかどうかで判断します(所基通161-9)

(2) 具体的な判定

イ 著作権等の使用料との区分

  芸能人の役務提供を主たる内容とする事業の対価であっても、その実演に係る録音物の増製又は放送について支払う対価で、その実演についての役務提供の対価と区分して別途支払われるものは、著作隣接権の使用料(7号所得)に該当します。
 ただし、上記の対価が区分されていない場合やその実演の対価と一括して支払われる場合には、その全額を人的役務の提供事業の対価としてとらえることになります(所基通161-10の2)。

ロ 個人の人的役務提供の対価(報酬)との関係

  非居住者が、次に掲げるような者を伴って国内で自己の役務の提供をした場合に支払われる報酬は、個人の人的役務の対価(八号所得)に該当します(所基通161-10)。

1 弁護士、公認会計士等の自由職業者の事務補助者

2 映画又は演劇の俳優、声楽家等の芸能人のマネージャー、伴奏者、美容師

3 プロボクサー、プロレスラー等の職業運動家のマネージャー、トレーナー

4 通訳、秘書、タイピスト

ハ その他

1 損害賠償金等
 人的役務の提供事業の対価に代わる性質を有する損害賠償金その他これに類するもの(遅延利息等)も、人的役務の提供事業の対価に該当します(所基通161-6の2)。

2 旅費、滞在費等
 人的役務を提供する者のその役務を提供するために要する往復の旅費や国内の滞在費等も、人的役務の提供事業の対価に該当します。
 ただし、その費用を、その対価の支払者が航空会社やホテル等に直接支払い、かつ、その金額が通常必要と認められる範囲内のものである場合には、その部分については、課税しなくて差し支えないこととされています(所基通161-8)。

 

2 源泉徴収を要しないもの

  映画若しくは演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務提供事業の対価のうち不特定多数の者から支払われるものについては、源泉徴収の必要はありません(所法2121、所令328一)。

1 原則的取扱い

   租税条約の多くは国内法とは異なった取扱いをしており、人的役務の提供事業の対価を「企業の利得」又は「産業上又は商業上の利得」としてとらえています。そのような条約の場合には、国内に有する恒久的施設を通じて事業を行わない限り、原則として、日本の租税は免除されることとなります。

 

2 芸能人等の人的役務提供事業の対価の取扱い

  人的役務提供事業の中でも芸能人又は運動家の役務提供事業の対価については、その事業活動を行う役務提供地に恒久的施設があるものとみなすこととしたり、その事業の所得を「企業の利得」又は「産業上又は商業上の利得」として取り扱わないものとして役務提供地国において課税することとしている条約が多くなっています。
 ただし、租税条約には、免税規定が設けられているものもありますので注意が必要です。

4 不動産の賃貸料等(三号所得)
 我が国に不動産等の資産を所有している非居住者等が、この資産を他に賃貸し、その対価を得ている場合には、その賃貸料等は、我が国における国内源泉所得として課税の対象とされます。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 不動産の賃貸料等の範囲

  不動産の賃貸料等とは、次に掲げるものをいいます(所法161三)。
 なお、不動産の賃貸料等に代わるものとして支払われる賠償金等についても、不動産の賃貸料等に含まれることとされています。

1 国内にある不動産及び不動産の上に存する権利の貸付けによる対価

2 採石法の規定による採石権の貸付けによる対価

3 鉱業法の規定による租鉱権の設定による対価

4 居住者又は内国法人に対する船舶又は航空機の貸付けによる対価

 

2 「船舶または航空機の貸付けによる対価」の意義

  いわゆる裸用船(機)契約に基づき支払を受ける対価をいいます。
 なお、乗組員とともに利用させるいわゆる定期用船(機)契約又は航海用船(機)契約に基づき支払を受ける対価は、運送事業の所得(一号所得)に該当することになります(所基通161−12)。

(注) 船舶又は航空機の貸付けに伴う技術指導等の役務対価
  船舶又は航空機の貸付けに伴いその船舶又は航空機の運航又は整備に必要な技術指導の役務提供の対価の支払を受けた場合に、契約書等において船舶又は航空機の貸付けによる対価とその役務提供による対価とが明らかに区分されている場合を除き、その総額が「船舶又は航空機の貸付けによる対価」に該当します(所基通161−13)。

 

3 源泉徴収を要しないもの

  不動産の賃貸料のうち、土地、家屋等を自己又はその親族の居住の用に供するために借り受けた個人が支払うものは、源泉徴収の必要はありません(所法2121、所令328二)。

1 所得源泉地

  租税条約では、不動産の賃貸料による所得については、その不動産の所在地国にも課税権を認めているのが一般的です。
 また、我が国の締結した租税条約の多くは「事業所得」条項に優先して、不動産所得に関する条項を適用することとしており、恒久的施設の有無やその所得が恒久的施設に帰属するかどうかにかかわらず、その不動産の所在地国でも課税することとされています。

 

2 船舶および航空機の賃貸料

  租税条約においては、船舶及び航空機の裸用船(機)契約に基づく賃貸料を不動産の賃貸料として取り扱っていないのが一般的であり、多くの条約では、使用料条項において、「設備の使用料」又は「船舶・航空機の裸用船(機)料」と規定されています。
 なお、使用料条項にこれらの規定がない場合には、通常、「事業所得」条項が適用されます。
 また、国際運輸業所得については、その事業を営む企業の本国でのみ課税し、源泉地国での課税は免除しているのが一般的です。このような条項が置かれている場合には、その点についても注意する必要があります。

5 利子等(四号所得)
 非居住者等が収受する公社債や預貯金などの利子等(国内源泉所得)については、その支払を受ける者が国内に恒久的施設を有しているかどうか、また、その利子等が受領者の国内事業に帰せられるものであるかどうかにかかわらず、利子等の支払者は、原則として、その支払の際に所得税の源泉徴収を行う必要があります。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 利子等の範囲

  源泉徴収の対象となる利子等とは、次に掲げるものをいいます(所法161四) 。

イ 公社債のうち、日本国の国債若しくは地方債又は内国法人の発行する債券の利子
 この場合、「内国法人の発行する債券」には、振替記載等したため現に債券の存在しない社債等も含まれます(所基通161-14)。

ロ 国内にある営業所、事務所その他これらに準ずるもの(以下「営業所」といいます。)に預け入れられた預貯金の利子

ハ 国内にある営業所に信託された合同運用信託、公社債投資信託又は公募公社債等運用投資信託の収益の分配

 

2 割引債の償還差益の取扱い

割引債の償還差益は、「国内にある資産の運用又は保有による所得(一号所得)」とされているので、ここでいう利子等には該当しません。
 ただし、この償還差益については、別途租税特別措置法の規定に基づき18%の税率(特定のものは16%)により源泉徴収を要することとされています(措法41の12)。


 我が国の締結した租税条約の多くは、源泉地国と居住地国との双方が課税権を有する方式を採用しています。

1 利子等の範囲

  所得税法上は、公社債の利子、預貯金の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配について「利子等(四号所得)」と規定し、「貸付金の利子(六号所得)」とは区分して規定していますが、租税条約上はこれらの利子等を同一のカテゴリーに属するものとして包括的に規定している例が多くなっています。  我が国が締結した租税条約においては、債務者の居住地国を所得の源泉地国とする債務者主義が一般的となっています。

 

2 割引債の償還差益の取扱い

  割引債の償還差益については、利子等として取り扱っている条約を締結している国と特段の規定がない条約(いわゆる明示なき所得)を締結している国とがありますが、これらを区分すると次のページの図2のとおりとなります。
 なお、国内法に基づき源泉徴収が行われる割引債のこれらの区分別の課税関係は、次のようになります。

(1) 利子等として取り扱っている国

  割引債の発行時に18%(特定のものは16%)の税率で源泉徴収し、償還時に所定の手続を経た後、租税条約上の限度税率との差額について還付することとなります。

(2) 我が国の国内法を適用

  資産の運用又は保有による所得(一号所得)として、割引債の発行時に18%(特定のものは16%)の税率で源泉徴収をする必要があります。

(3) 明示なき所得に該当し、居住地国課税

  割引債の発行時に18%(特定のものは16%)の税率でいったん源泉徴収し、償還時に上記(1)同様の還付手続により、源泉徴収した所得税の全額を還付することにより、最終的に免税となります。

 

(図2)【割引債の償還差益の取扱い】

利子等として取り扱っている国 アイルランド、アメリカ、イギリス、イスラエル、イタリア、インド、インドネシア、カナダ、ザンビア、シンガポール、スロバキア、スウェーデン、タイ、大韓民国、チェコ、中華人民共和国、デンマーク、トルコ、ノルウェー、ハンガリー、バングラデシュ、フィリピン、フランス、ブルガリア、ベトナム、ポーランド、マレーシア、南アフリカ共和国、メキシコ、ルクセンブルク、ルーマニア、ロシア
明示なき所得に該当し、我が国の国内法を適用(日本で課税) エジプト、オーストラリア、オーストリア、スリランカ、ニュージーランド、パキスタン、フィジー、ブラジル
明示なき所得に該当し、居住地国課税(日本で免税) オランダ、スイス、スペイン、ドイツ、フィンランド、ベルギー

(注) ロシアとの条約は、アゼルバイジャン、アルメニア、ウクライナ、ウズベキスタン、キルギス、グルジア、タジキスタン、トルクメニスタン、ベラルーシ、モルドバにも適用されます。

6 配当等(五号所得)
 非居住者等が内国法人から受ける所得税法第24条第1項に規定する配当等は、国内源泉所得として源泉徴収を要することとされています。
 なお、配当等に対する課税の考え方は各国とも異なっており、租税条約上の規定もまちまちとなっています。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 配当等の範囲

  源泉徴収の対象となる配当等とは、次に掲げる配当等をいいます(所法24、161五、措法9の5の2)。

1 内国法人から受ける所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は基金利息

2 国内にある営業所に信託された投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除きます。)又は特定受益証券発行信託の収益の分配

3 外国特定目的信託の利益の分配及び外国特定投資信託の収益の分配

 

2 上場株式等の配当等に対する源泉徴収税率の特例制度

  非居住者等が平成15年4月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当等については、15%の源泉徴収税率が適用されることとされていますが、この源泉徴収税率については、平成15年4月1日から同年12月31日までの間は10%、平成16年1月1日から平成21年3月31日までの間は7%の優遇税率が適用されます。


1 課税対象所得の範囲

  配当等に対する課税方法については、国によって考え方が異なっていることから、租税条約上の規定もまちまちとなっていますが、課税対象とする配当等の定義については、おおむね国内法と同一のものとなっています。
なお、フランスとの租税条約のようにタックス・クレジットの供与に関する規定のあるものもあります。

 

2 限度税率等

  配当等については、多くの租税条約では源泉地国と居住地国の双方で課税できる旨を規定しています。したがって、租税条約の多くは限度税率を規定しており、一般的には15%が通例となっています。
また、一定の親子間の配当については、進出する企業等が支店形態で進出する場合と現地法人の形態で進出する場合とでアンバランスが生じないようにするため、別途規定しているものが多く、この場合の限度税率は10%又は5%が通例となっていますが、日米租税条約や日英租税条約、日仏租税条約のように、一定の居住者につき免税としているものもあります。

7 貸付金の利子(六号所得)
 国内法では、国内で業務を営んでいる者に対するその国内の業務に使用される貸付金等の利子については、その債務者がその利子を支払う際に所得税を徴収することとされており、いわゆる使用地主義を採っています。
これに対し、租税条約では、債務者の居住地を源泉地とする、いわゆる債務者主義を採っているものが一般的です。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 貸付金の利子の範囲

  次に掲げる貸付金(これに準ずるものを含みます。)の利子が源泉徴収の対象となります(所法161六、所基通161−16)。

1 貸付金等が債務者の国内業務に関するものであること

2 貸付金、預け金、前払金等の名称のいかんを問わずその実質が貸付金であるもの及びこれに準ずるもの

3 勤務先に対する預け金で預貯金に該当しないもの

4 取引先等に対する保証金、預け金

5 売買、請負、委任の対価又は物・権利の貸付けや使用の対価に係る延払債権

6 5の対価に代わる性質を有する損害賠償金等に係る延払債権

 

2 課税の対象とならないもの

  次に掲げるような貸付金の利子については、いずれも国内源泉所得に該当しないため、源泉徴収をする必要はありません。

(1) 船舶又は航空機の購入資金
 非居住者等の業務の用に供される船舶又は航空機の購入のために、その非居住者等に対して提供された貸付金の利子は、国内源泉所得に該当しないこととされています(所基通161-20(1))。

(2) 国外業務に係る貸付金の利子
 国外において業務を行う者に対して提供された貸付金で、その国外において行う業務に係るものの利子は、国内源泉所得には該当しないこととされています(所基通161-15、161-20(2))。

(3) 非居住者の行う業務に係るもの以外の貸付金の利子
 非居住者に対して提供された貸付金で、その非居住者の行う業務以外のものに係る貸付金の利子は、国内源泉所得には該当しないこととされています(所基通161-15、161-20(3))。

(注) 特別国際金融取引勘定(オフショア勘定)において経理された預金等(借入金を含みます。)の利子及び外国金融機関等の債券現先取引に係る利子の非課税制度については、32を参照。

1 貸付金の利子の租税条約上の区分

  租税条約においては、「貸付金の利子」もいわゆる「利子」として預貯金等の利子と同様に取り扱われます。

 

2 所得源泉地

  租税条約における「利子」の課税方式は、債務者主義と使用地主義とに区分されます。
 債務者主義とは、債務者の居住地国を所得の源泉地国とする方式であり、使用地主義とは、貸付金等の使用の場所の所在地国を所得の源泉地国とする方式です。
 「貸付金の利子」については、我が国の所得税法では使用地主義を採っていますが、我が国が締結した租税条約においては、他の「利子」と同様に債務者主義が一般的となっています。
 なお、「利子」が生じた締約国において恒久的施設又は固定的施設を通じて独立の活動を行う場合であって、その「利子」がそれらの施設と実質的に関連する場合には、その施設の存在する国のみが課税権を有する旨を規定しているものもあります。

8 使用料等(七号所得)
 国内法では、非居住者等が国内において業務を行う者から支払を受ける工業所有権、著作権等の使用料又は譲渡の対価で、その支払者の国内業務に係るものについては、国内源泉所得として所得税の源泉徴収を要することとされており、いわゆる使用地主義を採っています。
 これに対し租税条約では、債務者の居住地国を源泉地とする、いわゆる債務者主義を採っているものが一般的です。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 使用料等の範囲
 非居住者等が国内において業務を行う者から支払を受ける次に掲げる使用料又は譲渡の対価で、その支払者の国内業務に係るものが、源泉徴収の対象とされています(所法161七)。

1 工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料又はその譲渡の対価

2 著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含みます。)の使用料又はその譲渡の対価

3 機械、装置、車両、運搬具、工具、器具及び備品の使用料

 

2 「国内業務に係るもの」の意義
 「国内業務に係るもの」とは、国内において業務を行う者に対して提供・供与された工業所有権等のうち、その国内において行う業務の用に供されている部分に対応するものをいいます。
 したがって、例えば、日本の企業が提供を受けた工業所有権等を、国外において業務を行う他の者(再実施権者)のその国外における業務の用に供することにより、外国の企業に対して支払う使用料(再実施権者の使用に係る部分に限ります。)は、国内源泉所得に該当しないことになります(所基通161-21)。
 また、日本の企業が外国の企業に支払う機械、器具等の使用料であっても、その機械、器具等が日本国外においてのみ使用されるときは、国内源泉所得には該当しないことになります。


3 「使用料又は譲渡の対価」の意義
 「使用料又は譲渡の対価」とは、技術等の実施、使用、採用、提供、伝授又は技術等に係る実施権若しくは使用権の設定、許諾若しくはその譲渡の承諾について支払を受ける対価の一切をいいます。
また、著作権の使用料とは、著作物の複製、上演、演奏、放送、展示、上映、翻訳、編曲、脚色、映画化その他著作物の利用又は出版権の設定につき支払われる対価及び著作権の譲渡の対価の一切をいいます(所基通161-23)。
つまり、使用料という名目にとらわれず、支払の実質が使用料の性質を持っているかどうかによって判断する必要があります。したがって、ランニングロイヤリティはもちろんのこと、頭金(イニシャルペイメント)等もこれに含まれます。


4 「特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの」の意義
 「特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの」とは、特許権、実用新案権、意匠権、商標権等の工業所有権等の目的にはなっていないが、生産その他業務に関し繰り返し使用し得るまでに形成された創作、すなわち特別の原料、処方、機械、器具、工程によるなど独自の考案又は方法を用いた生産についての方式、これに準ずる秘けつ、秘伝その他特別な技術的価値を有する知識及び意匠等をいいます。
したがって、いわゆるノウハウはもちろん、機械、設備等の設計及び図面等に化体された生産方式、デザインもこれに含まれますが、海外における技術の動向、製品の販路、特定の品目の生産高等の情報又は機械、装置、原材料等の材質等の鑑定若しくは性能の調査、検査等は、これに該当しません(所基通161-23)。


5 特許権侵害等により支払われる和解金等
 特許権の侵害があった場合に支払われる損害賠償金や和解金については、その実質が使用料に代えて支払われるものが多く、そのようなものは使用料として取り扱うことになっています(所基通161-23)。


6 課税の対象とならないもの
(1) 実費程度の場合

   支払う対価が、派遣技術者の給料や作成した図面の紙代等の実費に通常見込まれる利潤を加算した金額に満たないときは、その支払金額が技術の使用回数・期間・生産高等に応じて計算されていない限り、使用料課税の対象とはしないこととされています(所基通161−24、同注書参照)。

(2) 使用料のほか技術者の給料等を支払う場合

イ 技術提供契約に基づき使用料を支払う場合において、次のような実費を併せて支払うときは、それらが契約書、請求書等において明確に区分されている限りその実費相当部分は課税対象とはなりません(所基通161−25(1)〜(3))。
 したがって、これらの費用が区分されることなく一括して支払われるときは、その全額が使用料として課税の対象とされることになります。

1 技術提供者が自ら又は技術者を派遣して日本国内において人的役務を提供するために要する費用

2 技術習得のために派遣された技術者に対して技術を伝授するために要する費用

3 提供する図面、型紙、見本等を作成するための実費相当額

ロ 映画フィルムやテレビ放送用フィルム、ビデオテープの提供契約に基づいてこれらの物とともに提供されるスチール写真等の広告宣伝材料の代金で、その広告宣伝材料の作成のための実費程度と認められるものについては、それが契約書、請求書等で使用料と明確に区分されていれば課税の対象としないこととされています(所基通161−25(4))。

1 所得源泉地

  我が国が締結した租税条約の多くは、使用料については受領者の居住地国において課税することを前提としながら、所得源泉地国においても課税できる旨を規定しています。
 なお、日米租税条約や日英租税条約においては、使用料につき一律に源泉地国免税とされています。
 使用料の所得源泉地に関する規定(ソースルール)は、我が国が締結している租税条約をみると次のように分類することができます。

区分 条約締結国
債務者主義を採っている条約締結国 カナダ、大韓民国、ドイツ、フランスほか48か国
使用地主義を採っている条約締結国 パキスタン、フィジーの2か国
特に規定を置かない条約締結国(国内法による使用地主義) アイルランド、オーストリア、スリランカ、ニュージーランドの4か国

 

2 使用料等の範囲

(1) 工業所有権等

  OECDモデル条約では、工業所有権等の使用料について、「特許権、商標権、意匠、模型、図面、秘密方式若しくは秘密工程の使用若しくは使用の権利の対価として、又は産業上若しくは学術上の経験に関する情報の対価として受領するすべての種類の支払金」と定義しており(同モデル条約第12条第2項)、我が国が締結した租税条約の多くも、同モデル条約の定義を採用しています。

(2) 著作権

  OECDモデル条約では、「著作権」の範囲を、「文学上、芸術上若しくは学術上の著作物(映画フィルムを含みます。)の著作権」と定義しています(同モデル条約第12条第2項)が、我が国が締結した租税条約の多くも、同モデル条約の定義を採用しています。
 なお、映画フィルム(ラジオ放送用・テレビジョン放送用のフィルム又はテープを含みます。以下同じです。)の使用料については、おおむね

1 事業所得とするもの

2 事業所得の範囲から除外しているもの

3 使用料とするもの

4 それぞれの国の国内法の取扱いによるもの

に分かれています。

(3) 機械・装置

  租税 条約において機械・装置の使用料(いわゆるリース料)に対する課税関係は、次の3つに大別されます。

1 事業所得とするもの(恒久的施設がなければ課税しない。)

2 使用料の範囲から除いているもの

3 使用料とするもの

(注) 一部の租税条約においては、使用料を文化的使用料と工業的使用料に区分して定義し、文化的使用料について課税を免除しているものがあります。

 

3 譲渡の対価

  工業所有権等の譲渡益(キャピタルゲイン)については、国内法では使用料と同様に取り扱われていますが、我が国の締結した租税条約では、キャピタルゲインに関する取扱いはまちまちとなっており、次のように大別することができます。

区分 条約締結国
譲渡収益を使用料と同様に取り扱う条約締結国 シンガ ポール、大韓民国、デンマーク、ベトナム等
真正(完全)な譲渡以外の譲渡対価を使用料とする条約締結国 オランダ、スイス、 スペイン、ドイツ、 ベルギー、フラン ス、メキシコ
工業所有権等の譲渡対価についても他の財産(動産)の譲渡対価と同様に取り扱う条約締結国 アイルランド、アメリカ、イタリア、オーストラリア、スウェーデン、中華人民共和国等

(注) 源泉地国課税(債務者主義・使用地主義)・居住地国課税のいずれを採っているかは租税条約の規定により異なります。

9 給与等の人的役務提供の報酬等(八号所得)
 国内法では、給与等の人的役務の提供に対する報酬等については、原則として、国内において役務の提供が行われたものを国内源泉所得として源泉徴収を要することとされています。
 これに対し租税条約では、人的役務の提供による報酬等を、給料等の雇用契約に基づくものと、自由職業者等の事業所得に該当するものとに分類して規定し、給与等については短期滞在者を源泉地国免税、自由職業者については芸能人等に該当する者を除き恒久的施設がなければ源泉地国免税としているのが一般的です。
 なお、この所得は、非居住者が自己の役務の提供に基づき取得するものであり、他人の役務を提供することを目的とした人的役務の提供事業の対価(二号所得)とはその内容を異にしています。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 給与、報酬等の範囲

  次に掲げる個人の人的役務の提供の対価は、国内源泉所得に該当し(所法161八)、源泉徴収が必要です。

1 俸給、給料、賃金、歳費、賞与又はこれらの性質を有する給与のうち、国内において行う勤務に基因するもの

2 人的役務の提供に対する報酬のうち、国内において行う人的役務の提供に基因するもの

3 退職手当等のうち、受給者が居住者であった期間に行った勤務その他の人的役務の提供に基因するもの

4 公的年金等(外国の法令等に基づく年金等を除きます。)

1 概要

  租税条約では、人的役務の提供の対価等を雇用契約等に基づく役務提供に係るものと、雇用契約等に基づかない自由職業者の役務提供に係るものとに区分して規定しています。

 

2 給与所得(雇用契約等に基づく役務提供に対するもの)に対する課税

(1) 原則的取扱い

   給与等については、原則として、その勤務(役務提供)が日本国内で行われた場合に、我が国において課税することとされています。
したがって、国外における勤務等に対する給与等については、我が国においては課税されないこととなります。
また、その勤務が国内及び国外の双方にわたって行われた場合には、その給与等の総額のうち、国内において行った勤務に対応する部分の金額が課税対象となり、原則として、次の算式により計算することになります(所基通161-28)。

【算 式】

給与所得(雇用契約等に基づく役務提供に対するもの)に対する課税の算式

 

2 給与所得(雇用契約等に基づく役務提供に対するもの)に対する課税

(1) 原則的取扱い

   給与等については、国内法と同様に、原則として、役務提供が行われた国で課税することとされていますが、租税条約では、人的交流の促進等の観点から、短期滞在者や交換教授、留学生、事業修習者等について、一定の条件の下に源泉地国免税とするなどの特例を設けています((3)短期滞在者の免税以降を参照してください。)。
なお、これらの特例に該当しない場合には、その給与、報酬について国内法に基づき、20%の税率により源泉徴収をすることになります。

 

(2) 役員に対する特例

イ 法人の所在地国での課税

   役員は、非常勤役員として取締役会に出席するのみで日常の業務に直接関与しない場合、あるいは単に役員に名前を連ねているのみの場合も少なくないほか、合弁企業や親子会社間を往来するなど、実際の役務提供の場所の判定が困難なケ−スが少なくありません。また、役員としての役務については、企業経営という職務の性質からみて、その所得の源泉地を実際の役務提供地国に限定することは妥当でないとも考えられます。このようなことから、役員に対する報酬については、次のロを除いて、法人の所在地国において課税することとしています(所法161八イ)。

ロ 内国法人の使用人として常時国外勤務を行う場合

   内国法人の役員としての勤務で、国外において行うものであっても内国法人の使用人(海外にある支店などの長)として常時勤務するような場合に受ける役員報酬については、一般の使用人が勤務した場合と同様に国内源泉所得としないことになっています(所令2851一かっこ書き、所基通161−29)。
また、内国法人の役員が国外にある法人の子会社に常時勤務する場合において、次に掲げるいずれの要件も備えているときの役員報酬についても、国内源泉所得とされないことになっています(所基通161−30)。

1 その子会社の設置が現地の特殊事情に基づくものであって、その子会社の実態が内国法人の支店、出張所と異ならないものであること。

2 その役員の子会社における勤務が内国法人の命令に基づくものであって、その内国法人の使用人としての勤務であると認められること。

(2) 役員に対する特例

   我が国の締結した租税条約でも、国内法と同様に、役員については、その役務提供地ではなく法人の居住地(所在地)国で課税できる旨を規定しているのが一般的です。
ただし、日本・オーストラリア租税協定のように役員報酬についても役務提供地国課税としているものもあります。

 

 

(3) 短期滞在者の免税

   海外支店への出張などによる短期滞在者について、滞在地国で課税が行われると、滞在地国と居住地国との間に二重課税の問題が発生し、煩雑な納税や還付手続が必要となります。
そこで、租税条約では一定の短期滞在者に関する免税規定を設け、人的役務の提供地である源泉地国での課税を免除することとしています。
我が国の締結した租税条約も、これを規定しており、多くは次の3つを要件としてこれを認めることとしています。

1 滞在期間が課税年度又は継続する12か月を通じて合計183日を超えないこと。

2 報酬を支払う雇用者は、勤務が行われた締約国の居住者でないこと。

3 給与等の報酬が、役務提供地にある支店その他の恒久的施設によって負担(課税所得の計算上損金に算入)されないこと。

(4) 教授等の免税

   我が国の締結した租税条約の多くは、大学その他の教育機関(学校教育法第1条に規定する学校に限ります。)において教育又は研究を行うために来日した教授等が取得する人的役務の提供による報酬について、2年間を限度として免税とする旨を規定しています。
なお、租税条約によっては、教育を行う機関を高等教育機関に限定したり、政府あるいは教育機関の招へいを要件としているもの、教育若しくは研究が公的な利益を目的とするものでなければならない旨を規定しているものもあります。

(5) 学生、事業修習者等の免税

   学生(学校教育法第1条に規定する学校の学生、生徒又は児童に限ります。)、事業修習者等が取得する報酬については、欧米諸国などとの条約では、生計、教育、勉学、研究又は訓練のために受け取る給付で国外から支払われるもの、すなわち海外からの送金について課税を免除するにとどまっています。
これに対して、アジア諸国などとの条約では、上記の海外からの送金のほか、政府又は宗教若しくは慈善、学術等の団体からの交付金、手当又は奨励金、雇用主などから支払われる給与等の報酬及び滞在地国における人的役務の提供の対価等(アルバイト収入)をも含めて免税としているものもあります。
事業修習者とは、職業上又は事業上の知識又は技能をほとんど有しない見習者をいいますが、アジア諸国などとの租税条約には、これに加えて、ある程度の技能を有する者で、他企業から技術上又は職業上の経験を習得するために相手国を訪れる事業習得者についても、相手国で行う人的役務の提供に対する課税を一定の制限のもとに免税としているものもあります。


(3) 外国政府等に勤務する職員の給与の非課税

   外国政府、外国の地方公共団体に勤務する人が日本国内における勤務により受ける給与(その外国がその国において勤務する日本国の国家公務員又は地方公務員の給与について所得税に相当する税を課さないこととしている場合に限ります。)については、課税しないことになっています(所法91八、所令24、所規3)。

(注)

1  外国政府等に該当しない法人から受ける給与は、たとえその法人が外国政府等の全額出資による法人であっても、非課税となりません(所基通9-12(1))。

2  その勤務が外国政府又は外国の地方公共団体のために行われるものであっても、例えば、その外国政府又は外国の地方公共団体が舞踊、サーカス、オペラ等の芸能の提供を行っている場合のように、その業務が我が国若しくは我が国の地方公共団体の行う業務以外の業務又は収益を目的とする業務である場合には、その業務に従事したことにより受ける給与は非課税とはなりません(所基通9-12(3))。

 

(6) 政府職員の報酬の免税

イ 租税条約による免税

   我が国が締結した租税条約は、国内法の規定に従って、政府職員の取得する報酬について職員派遣国の課税権を確認し、接受国では、課税を免除する旨を規定しています。

ロ 国際条約による免税

   一定の国際機関に勤務する者の給与について租税条約以外の国際条約(協定)において課税上の特例(非課税)を定めているものがあり、その主なものは次のとおりです。

1 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定

2 国際連合の特権及び免除に関する条約

3 専門機関の特権及び免除に関する条約

4 外交関係に関するウィーン条約

5 各国との間の領事条約

 

3 自由職業者等の報酬(給与所得以外のもの)に対する課税

(1) 人的役務の提供に対する報酬の範囲

   「人的役務の提供に対する報酬」とは、非居住者が自己の活動により、他人のために労務等を提供することにより支払を受ける報酬のうち給与等に該当するもの以外のものをいいますから、主として次に掲げるような租税条約でいう自由職業者等が受ける報酬がこれに該当することになります(所法161八イ)。

(イ) 弁護士、公認会計士等

(ロ) 映画・演劇の俳優、音楽家その他の芸能人

(ニ) 職業野球の選手、プロサッカーの選手、プロボクサー、プロレスラーその他の職業運動家

(2) 国内源泉所得の範囲

   自由職業者等に支払う人的役務の提供に対する報酬については、国内において行う人的役務の提供に基因する部分が国内源泉所得に該当し、この部分のみが課税対象となります(所法161八イ)。
したがって、国外において自由職業者等による人的役務の提供を受けた場合の対価は、我が国において課税されないことになります。
なお、人的役務の提供が国内及び国外の双方にわたって行われた場合の国内源泉所得の計算は、課税上弊害がある場合を除き、給与等の場合と同様です(8 給与等の人的役務提供の報酬等の2【算式】を参照してください)。

(3) 源泉徴収を要しないもの

   映画若しくは演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務提供の対価のうち不特定多数の者から支払われるものについては、源泉徴収の必要はありません(所法2121、所令328一)。

 

3 自由職業者等の報酬(給与所得以外のもの)に対する課税租税

  条約では、医師や弁護士など「自由職業者」を特掲し、その所得については、一般的には事業所得に準じた取扱いをしています。

(1) 原則的取扱い

   我が国が締結している租税条約の多くは、自由職業者の所得については、事業所得に準じて「固定的施設がなければ課税せず」の原則が規定されており、国内に自己の活動を遂行するために通常使用することができる固定的施設を有しない場合には、自由職業者の人的役務の提供に対する報酬について課税は行われません。
また、固定的施設を有する場合には、その固定的施設に帰属する部分のみが課税の対象となります。

(2) 芸能人等に対する特例

   演劇、映画、ラジオ又はテレビジョンの俳優、音楽家その他の芸能人及び運動家に対しては、滞在期間の長短又は活動状況に関係なく、役務提供地国においても課税できることが、租税条約における確立された慣行となっています。ただし、例外的に芸能人等に対して一部免税を認めている租税条約もあります。

 

4 退職手当等に対する課税

(1) 国内源泉所得の範囲

   非居住者に支払う退職手当等については、居住者であった期間に行った勤務(内国法人の役員として非居住者であった期間や内国法人等が運行する船舶等において勤務した期間を含みます。)に対応する部分が国内源泉所得に該当し、この部分のみが源泉徴収の対象となります(所法161八ハ、所基通161−28(注)2)。
したがって、その退職手当等が居住者としての勤務期間とそれ以外の勤務期間とを合算した期間に対して支払われる場合には、次の算式による勤務期間あん分により国内源泉所得に該当する退職手当等の額を計算することとなります。

 

 【算式】

退職手当等に対する課税の算式

(2) 退職所得についての選択課税

   非居住者が支払を受ける退職手当等については、その支払の際に源泉徴収が行われますが、受給者本人の選択により、退職に基づいてその年中に支払われる退職手当等の総額を居住者が受けたものとみなして、居住者と同様の課税を受けることもできます(所法171)。
これは「退職所得についての選択課税」といわれる制度で、長年、国内で勤務した人が海外支店への転勤などにより非居住者となったまま退職した場合に、国内勤務のまま退職した者と比較して税負担が高額となることのないよう、その調整を図るために設けられた制度です。
この場合、退職手当等の受給者である非居住者は、源泉徴収された税額の精算のために退職手当等の支払を受けた翌年1月1日(その日までに、その年中の退職所得の総額が確定したときは、その確定した日)以後に、税務署長に対し所得税の確定申告書を提出することにより、既に源泉徴収された税額の一部又は全部について還付を受けることができます(所法173)。

 

4 退職手当等に対する課税

(1) 租税条約の適用条項

   我が国が締結した租税条約には、退職手当等に関する規定を設けたものはなく、給与所得に関する規定(退職手当等の支払を受ける者が法人の役員である場合には、役員報酬に関する規定)が適用されます。
なお、我が国の締結した租税条約の)多くは、「退職年金」の条項を規定していますが、退職手当等について、この条項の適用はありません。

(2) 役員退職金の取扱い

   役員に対する退職手当等については、役員報酬に関する規定が適用されます。
したがって、多くの場合、役員に対する退職手当等を支払う法人の所在地国において課税できることとなります。

 

5 公的年金等に対する課税

  国内法においては、非居住者に対し支払う公的年金等(外国の法令に基づくものを除きます。)については、居住者であった期間に行った勤務に基因するものに限らず、すべて課税されます(所法161八ロ、所令2852)。

5 退職年金等に対する課税

(1) 原則的取扱い

   我が国の締結した租税条約は、ほとんどが退職年金条項を有し、居住地国課税(役務提供地国免税)を原則としています。

(2) 政府職員の退職年金に対する課税

   政府職員としての過去の勤務に基づき支払われる退職年金については、一般の退職年金の取扱いと異なり、その政府職員が条約相手国に居住しており、かつ、その居住地国の国民等である場合を除き、その退職年金の支払国において課税できることとされています。

10 その他の国内源泉所得(九号所得〜十二号所得)
 その他の国内源泉所得としては、「事業の広告宣伝のための賞金」、「生命保険契約に基づく年金等」、「定期積金の給付補てん金等」及び「匿名組合契約等に基づく利益の分配」があります。

国内法による取扱い 租税条約による取扱い

1 事業の広告宣伝のための賞金(九号所得)

(1) 課税対象所得の範囲

   国内源泉所得となる「事業の広告宣伝のための賞金」とは、国内において行われる事業の広告宣伝のために賞として支払う金品その他の経済的利益(旅行その他の役務の提供を内容とするもので、金品との選択ができないとされているものを除きます。)をいいます(所令286)。

(2) 課税標準

   この所得の課税標準は、居住者に対するものと同様、賞金等として支払われる金額から50万円を控除した残額です(所法213 1ロ)。
 したがって、50万円以下のときは課税を要しないことになります。


2 生命保険契約に基づく年金等(十号所得)

(1) 課税対象所得の範囲

   国内源泉所得となる年金等とは、国内にある営業所又は国内において契約締結の代理をする者を通じて締結した次に掲げる年金給付の定めのある契約に基づいて支給を受けるものをいいます(所令287)。
1 生命保険契約及び生命共済契約

2 退職金共済契約

3 退職年金に関する信託、生命保険又は生命共済の契約

4 小規模企業共済法に基づく共済契約

5 損害保険契約及び損害共済契約

  なお、ここにいう年金等(十号所得)には、所得税法第161条第8号ロに規定する公的年金等は含まれません。

(2) 課税標準

   この所得の課税標準は、契約に基づいて支払われる年金等の額から、その契約に基づいて払い込まれた保険料又は掛金の額のうち、その支払われる年金の額に対応する金額を控除した残額となります(所法2131一ハ)。

 

3 定期積金の給付補てん金等(十一号所得)

 国内源泉所得となる定期積金の給付補てん金等とは、国内の営業所が受け入れたもの又は国内の営業所等を通じて締結された次に掲げる契約に基づいて支給を受けるものをいいます(所法161十一)。

1 定期積金契約に基づく給付補てん金

2 銀行法第2条第4項の契約に基づく給付補てん金

3 抵当証券の利息

4 貴金属(これに類する物品を含みます。)の売戻し条件付売買の利益(いわゆる金投資口座の差益など)

5 外国通貨で表示された預貯金で、その元本と利子をあらかじめ約定した率により本邦通貨又は他の外国通貨に換算して支払うこととされているものの差益(いわゆる外貨投資口座の差益など)

6 一時払養老保険、一時払損害保険等の差益(保険期間等が5年以下のもの及び保険期間等が5年を超えるもので保険期間等の初日から5年以内に解約されたものに基づく差益)

 

4 匿名組合契約等に基づく利益の分配(十二号所得)

 国内源泉所得となる匿名組合契約等に基づく利益の分配とは、国内において事業を行う者に対する出資のうち、匿名組合契約(これに準ずる契約を含みます。)に基づいて受ける利益の分配をいいます(所法161十二)。

(注) 匿名組合契約に準ずる契約とは、当事者の一方が相手方の事業のために出資をし、相手方がその事業から生じる利益を分配することを約する契約をいいます(所令288)。

 我が国の締結した租税条約の多くは、別段の定めのない所得(明示なき所得)に対しては、受益者の居住地国のみが課税権を有することとし、源泉地国では課税しないこととしています。
 しかしながら、こうした規定のない条約の締結国の居住者又は外国法人に対して支払われるものは、我が国の国内法に従って課税することになるので、左に掲げた九号所得から十二号所得までの所得については、租税条約における年金条項(保険年金)が適用される場合を除き、原則として国内源泉所得として課税されることになります。
 また、「明示なき所得」について、居住地国課税を原則としながら、源泉地国においても課税できる旨規定している租税条約や、匿名組合契約の分配金を配当等に含めて規定している租税条約もありますので、注意する必要があります。

(参考) 我が国が締結した租税条約で既に発効しているものの概要は、次の表のとおりです。

国名 限度税率 備考
利子 配当 使用料
アイルランド
※    %
10
%
15 (10)
%
10

※ 割引債の償還差益を含む。

アゼルバイジャン共和国
※1
10
15 (−) ※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

アメリカ合衆国
※1
10
※2
10(5又は免税)
免税

※1 金融機関等や年金基金が受け取る利子は免税。割引債の償還差益を含む。

※2 年金基金が受け取る配当は免税

アルメニア共和国
※1
10
15 (−) ※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

イスラエル
※1
10
15 (5)
※2
10

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

イタリア共和国
10
15 (10) 10

※ 割引債の償還差益を含む。

インド共和国
10
10 10 (−)

※ 割引債の償還差益を含む。

インドネシア共和国
10

15 (10)

10

※ 割引債の償還差益を含む。

ウクライナ
※1
10
15 (−) ※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

ウズベキスタン共和国
※1
10
15 (−) ※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

エジプト
(アラブ連合共和国)
国内法どおり 15 (−)
15

※ 映画フィルムの使用料を除く。

オーストラリア連邦 10 15 (−) 10  
オーストリア共和国 10 20 (10)
10

※ 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む

オランダ王国 10 15 (5)
10

※ 真正譲渡以外の著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

カナダ
10
15 (5) 10

※ 割引債の償還差益を含む。

キルギス
※1
10
15 (−)

※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

グルジア共和国
※1
10
15 (−)
※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)
※1
10
※2
10 (5又は免税)
免税

※1 金融機関等や年金基金が受け取る利子は免税

※2 年金基金が受け取る配当は免税

ザンビア共和国
10
免税 10

※ 割引債の償還差益を含む。

シンガポール共和国
※1
10
15 (5)
※2
10

※1 割引債の償還差益を含み、特定の利子は免税

※2 一定の著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

スイス 10 15 (10)
10

※ 真正譲渡以外の著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

スウェーデン
10
15 (5又は免税) 10

※ 割引債の償還差益を含む。

スペイン 10 15 (10)
10

※ 真正譲渡以外の著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

スリランカ
※1
20 (−)
※2
半額課税

※1 銀行が受け取る利子は免税

※2 著作権、映画フィルムの使用料は免税

スロバキア共和国
※1
10
15 (10)

※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

タイ
※1
25
※2
国内法どおり(20)
※3
15

※1 金融機関が受け取る利子は10%、割引債の償還差益を含む。

※2 親子会社間で産業的事業を営む法人からの配当は15%

※3 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

大韓民国
※1
10
※2
15 (5)
※3
10

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 親子会社間配当については平成15年末まで10%

※3 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

タジキスタン共和国
※1
10
15 (−) ※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

チェコ共和国
※1
10
15 (10)

※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

中華人民共和国
※1
10 (−)
10 ※ 割引債の償還差益を含む。
デンマーク王国
※1
10
15 (10)
※2
10

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

ドイツ連邦共和国
※1
10
15 (10)
※2
10

※1 公債の利子は免税

※2 真正譲渡以外の著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

トルクメニスタン
※1
10
15 (−)

※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

トルコ共和国
15
15 (10) 10

※ 金融機関が受け取る利子は10%、割引債の償還差益を含む。

ニュージーランド 規定なし 15 (−) 規定なし  
ノルウェー王国
※1
10
15 (5)
※2
10

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

パキスタン
30
− (15) 免税

※ 特定の利子は免税

ハンガリー共和国 (ハンガリー人民共和国)
※1
10
10 (−) ※2

※1 割引債の償還差益を含み、特定の利子は免税

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

バングラデシュ人民共和国
※1
10
15 (10)
※2
10

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

フィジー 国内法どおり 国内法どおり 10

※ 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

フィリピン共和国
※1
15
25 (10)
※2
25

※1 割引債の償還差益を含み、公社債の利子は10%。

※2 映画フィルム等の使用料は15%
  創始企業からの使用料は10%

フィンランド共和国 10 15 (10)
10

※ 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

ブラジル連邦共和国 12.5 12.5 (−)
12.5

※ 商標権の使用料は 25%、映画フィルム等の使用料は15%

フランス共和国
※1
10
15(5又は免税)
※2
10

※1 特定の利子は免税

※2 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

ブルガリア共和国
※1
10
15 (10)
※2
10

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

ベトナム
※1
10
10 (−)
※2
10

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

ベラルーシ
※1
10
15 (−)

※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

ベルギー王国 10 15 (10)
10

※ 真正譲渡以外の著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

ポーランド共和国 (ポーランド人民共和国)
※1
10
10 (−)

※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

マレーシア
※1
10
15 (5)
※2
10

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 著作権、工業所有権等の譲渡益を含む。

南アフリカ共和国
※1
10
15 (5)
※2
10

※1 間接融資等免税、償還差益を含む。

※2 裸用船料・パテント譲渡益を含む。

メキシコ
15
15(5又は免税) 10

※ 割引債の償還差益を含み、金融機関が受け取る利子は10%

モルドバ
※1
10
15 (−)

※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

ルーマニア
(ルーマニア社会主義共和国)
※1
10
10 (−)

※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は 10%、工業的使用料は 15%

ルクセンブルク大公国
10
15 (5) 10

※ 割引債の償還差益を含む。

ロシア連邦
(旧ソヴィエト社会主義共和国連邦)
※1
10
15 (−) ※2

※1 割引債の償還差益を含む。

※2 文化的使用料は免税、工業的使用料は10%

(注)

1 限度税率は、日本側の税率を示します。

2 「配当」欄の( )書は、親子会社間配当に対する特別税率を示します。

3 アゼルバイジャン共和国、アルメニア共和国、ウクライナ、ウズベキスタン共和国、キルギス、グルジア共和国、タジキスタン共和国、トルクメニスタン、ベラルーシ及びモルドバは、旧ソヴィエト社会主義共和国連邦との間で締結された条約を承継したものです。

4 チェコ共和国、スロバキア共和国は、旧チェッコスロバキア社会主義共和国との間で締結された条約を承継したものです。

5 香港及びマカオには、日中租税協定は適用されません。

6 この表は租税条約の概要を掲げたものですから、具体的な適用関係については、それぞれの租税条約の該当条項を確認してください。

平成19年6月 源泉徴収のあらまし