民間給与実態統計調査の近年における主な変更点・注意点は以下のとおりである。

年分 変更点等の内容
平成19年分 ・日本標準産業分類の第12回改定(平成19年11月改定)に伴い、業種分類について10分類から14分類へ細分化した。
「運輸通信公益事業」を「運輸・エネルギー事業」、「情報通信業」へ細分化。
「卸小売業」を「卸売・小売業」及び「飲食店,宿泊業」へ細分化。
「金融保険・不動産業」を「金融・保険業」及び「不動産業」へ細分化。
「サービス業」を「医療,福祉」及び「その他のサービス業」へ細分化。
平成20年分 ・業種分類について以下のとおり統合・細分化した。
「繊維工業」、「化学工業」、「金属機械工業」及び「その他の製造業」の4業種を「製造業」へ統合。
「運輸・エネルギー事業」を「電気・ガス・熱供給・水道業」及び「運輸業,郵便業」へ細分化。
「不動産業」に「物品賃貸業」を追加し、「不動産業,物品賃貸業」とした。
「その他のサービス業」を「学術研究,専門・技術サービス業、教育,学習支援業」、「複合サービス事業」及び「サービス業」の3業種へ細分化。
平成23年分 ・政府統計共同利用システム(オンライン調査システム)を利用したオンライン調査を開始した。
平成24年分 ・職務区分「パートタイマー」について「パートタイマー、アルバイト等非正規の給与所得者」へ変更し、これまで職務区分「役員」のみ集計・公表していたものを、「役員」、「正規」及び「非正規」の別に集計・公表するようにした。
平成27年分 ・事業所規模の表章区分「10人未満」について「1〜4人」及び「5〜9人」へ細分化した。
令和元年分 ・回答事業所の負担軽減の観点から、事業所における給与所得者の抽出率を変更した。
・上記変更に伴い、第7層の抽出人数に上限(100人)を設けたことから、従来の復元方法(標本抽出率の逆数を乗じる方法)から、「事業所用の調査票」に記載された「実際の給与所得者数」を用いて復元する方法に変更した。
・新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言発令を踏まえ、標本事業所への疑義照会や督促を中止したことに伴い、例年調査よりも調査票の回収率が低下した。
令和2年分 ・「乙欄適用者」を除いた統計表を集計・公表するようにした。
令和3年分 ・職務区分「正規」及び「非正規」について「正社員(正職員)」及び「正社員(正職員)以外(パート・アルバイトなど)」へ変更した。
令和4年分 以下の項目ごとに対応を行った。
・調査対象外となった事業所への対応
 標本抽出時点(6月末)以後の休廃業などにより、調査の基準日(12月末)において調査の対象とならないことが判明した事業所について、標本として抽出した事業所の総数から差し引き、回収率を算出して、復元推計を行う。
・階層が変動することとなった事業所への対応
 復元推計する際に使用する抽出率は、標本抽出時点の階層の抽出率を使用するとともに、標本抽出時点の給与支給人員が調査の基準日において異なることが判明し、階層が変動することとなった事業所について、母集団の加減算を行う。
・税務データを活用した欠測値補完
 同一階層内における無回答の発生割合の差異を補正するため、低階層について階層内を細分割して推計するとともに、無回答の事業所について、税務データの国税局別・規模別の給与支給人員を活用した欠測値補完の処理を行う。
・従来の統計作成手法の見直し
 標本抽出時点における枠母集団から、調査の基準日における目標母集団への補正について、労働力調査をベンチマークとした処理を廃止し、税務データを活用した欠測値補完などにより推計した目標母集団に対する処理を行う。

令和4年分調査における変更点の詳細については、こちら