会社標本調査の概要

1 調査の目的

この調査は、我が国の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的としている。

2 調査の沿革

この会社標本調査は、昭和26年分から始まり、以後毎年実施しており、調査結果は初回から「国税庁統計年報書」に掲載されてきている。さらに、昭和38年分からは若干の解説を加えて、「税務統計から見た法人企業の実態」として公表している。

3 調査の対象

内国普通法人(休業、清算中の法人並びに一般社団・財団法人(法人税法第2条九の二に規定する非営利型法人を除く。)及び特殊な法人を除く。)について、その年の4月1日から翌年3月31日までの間に終了した各事業年度(この間に事業年度が2回以上終了した法人にあってはその全事業年度)を対象として、翌年7月31日現在でとりまとめている。

4 調査の方法

この調査は、標本調査であり、調査対象法人(母集団)から資本金階級別・業種別等に一定の方法で標本法人を抽出し、その標本法人の基礎データを基に、母集団全体の計数を推計したものである。

5 主な変更点

  1. (1)調査対象事業年度の変更
     平成18年度分の調査から、調査対象事業年度を4〜3月決算ベースに変更している。
     なお、平成18年分については、2〜1月決算ベースでの調査結果も公表している。
    • ・ 平成18年分以前:「2〜1月決算ベース」
      (その年の2月1日から翌年1月31日までに終了した調査対象法人の各事業年度)
    • ・ 平成18年度分以降:「4〜3月決算ベース」
      (その年の4月1日から翌年3月31日までに終了した調査対象法人の各事業年度)
  2. (2)資本金階級区分の変更
     平成23年度分の調査から、各資本金階級を「以上、未満」から「超、以下」に変更している。
  3. (3)業種等の分類の変更
     平成23年度分の調査から、「相互会社」を「その他の法人」から「金融保険業」に変更している。
     平成24年度分の調査から、「企業組合」及び「医療法人」を「その他の法人」から法人ごとの業種に分類するよう変更している。
     なお、全体の内訳として、「企業組合」及び「医療法人」を公表するよう変更している。平成28年度分の調査から、「企業組合」及び「医療法人」をそれぞれの区分に分類・推計した上で法人ごとの業種に分類するよう変更している。
  4. (4)租税特別措置法関連項目の削除
     租税特別措置法の適用額等の実態については、平成23年度分より、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」に基づく調査により別途公表されることとなったため、該当項目を削除した。
  5. (5)連結法人の資本金階級区分による内訳の追加
     平成26年度分の調査から、連結法人の資本金階級区分による内訳を追加した。

6 精度計算

  1. (1)標本設計
     17の業種区分と12の資本金階級区分での層化抽出を行っており、資本金階級区分の「10億円超」については全数抽出としている。
    なお、連結法人については全数抽出としているが、精度計算には含めていない。
  2. (2)精度計算式
     総和に対する標準誤差の計算は(*)式による。
精度計算式の図

会社標本調査の結果

1 用語の説明

(1) 年(度)分 調査対象期間をいう。
(2) 事業年度 法人の決算期間をいう。
(3) 資本金 事業年度末(調査対象期間中に2回以上事業年度末が到来した法人については、最終事業年度末)現在の払込済資本金額(資本積立金額は含まない。)又は出資金額をいう。なお、相互会社については実態に即して、便宜的に資本金100億円超の階級として集計している。
(4) 特定同族会社 発行済株式総数の50%超を1株主グループにより支配されている会社(以下「被支配会社」という。)で、被支配会社であることについての判定の基礎となった株主等のうちに被支配会社でない法人がある場合には、その法人をその判定の基礎となる株主等から除外して判定するとした場合においても被支配会社となるもの(資本金の額又は出資金の額が1億円以下である被支配会社を除く。)をいう。

(注) 税制改正に伴い、平成22年4月1日以後に開始する事業年度分については、資本金の額又は出資金の額が1億円以下である被支配会社であっても、次に掲げる法人との間に当該法人による完全支配関係がある普通法人については、特定同族会社に含む。

  1. (イ) 資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人
  2. (ロ) 保険業法に規定する相互会社(外国相互会社を含む。)
  3. (ハ) 法人税法第4条の7に規定する受託法人
(5) 同族会社 会社の株主等の上位3株主グループが有する株式数又は出資の金額等の合計が、その法人の発行済株式の総数又は出資の総額等の50%超に相当する法人をいう。
(6) 非同族会社 特定同族会社及び同族会社以外の法人をいう。
(7) 営業収入金額 営業及びこれに付随するものから生じた売上げ又は収入金額をいい、営業に直接関係のないもの(例えば、受取利息や資産の売却益、雑収入等)は含まない。
(8) 申告所得金額 法人が税務署に提出した法人税の確定申告書、連結確定申告書又は修正申告書に記載された所得(欠損)金額又は連結所得(欠損)金額をいう。なお、単に「所得」又は「所得金額」という場合、この「申告所得金額」のことをいう。

(注) 所得金額は、法人税法等に基づくものであり、法人の公表決算書等に記載された当期損益額に、例えば、次のようなものを加減算したものをいう。

  • ○加算
    • ・減価償却の償却限度超過額
    • ・各種引当金の繰入限度超過額
    • ・損金に算入した法人税額、道府県民税額、市町村民税額等(加算税、加算金、延滞税を含む。)
    • ・交際費等、寄附金のうち損金不算入額
  • ○減算
    • ・減価償却の当期認容額
    • ・納税充当金から支出した事業税等の金額
    • ・受取配当等の益金不算入額
    • ・繰越欠損金の当期控除額
(9) 算出税額 所得金額に所定の税率を乗じて算出した税額をいう。
(10) 法人税額 算出税額に課税留保金額に対する税額などを加算し、所得税額、外国税額などを控除した後のいわゆる納付すべき法人税額をいう。
(11) 役員賞与 法人が計上した役員賞与(税法上役員の賞与と認められるものを含む。)をいう。

(注) 税制改正に伴い、平成18年4月1日以後開始する事業年度から、役員賞与は役員報酬と同様に役員給与とされ、損金不算入制度の改正が行われている。 
 なお、平成19年度分調査より役員給与の損金不算入額と記載されたものは、その他の社外流出として集計している。

(12) その他の社外流出 益金処分の対象となる金額のうち、社内留保、支払配当及び法人税額を除いたもので、当期分の道府県民税額、市町村民税額等をいう。
(13) 留保金額(社内留保) 当期末の利益積立金額から期首の利益積立金額を控除した金額をいう。
(14) 益金処分に充てられた総額 社内留保に社外流出を加えたものをいう。
(15) 指定寄附金等 国又は地方公共団体に対する寄附金及び財務大臣が指定して告示した寄附金をいう。
(16) 特定公益増進法人等に対する寄附金 特定公益増進法人(例:独立行政法人、日本赤十字社等)若しくは認定非営利活動法人等に対する寄附金又は認定特定公益信託に対する支出金をいう。
(17) 利益計上法人 所得金額が正(利益)である法人(年2回以上事業年度をもつ法人については、いずれかの事業年度の所得金額が正である法人)をいう。
(18) 欠損法人 所得金額が負(損失)又は0(繰越欠損金を控除した結果、所得金額が0となった場合を含む。)である法人(年2回以上事業年度をもつ法人については、全ての事業年度が欠損となった法人)をいう。
(19) 連結親法人 法人税法第4条の2(連結納税義務者)の承認を受けた同条に規定する内国法人をいう。
(20) 連結子法人 連結親法人による完全支配関係(発行済株式又は出資の全部を直接又は間接に保有される関係)がある内国法人をいう。
(21) 連結法人 連結親法人又は当該連結親法人との間に連結完全支配関係がある連結子法人をいう。

2 業種等の分類

会社等の業種は「日本標準産業分類」を基に17分類し、企業組合及び医療法人を内訳として、公表している。

業種名 産業分類
農林水産業 農業、林業、漁業、水産養殖業
鉱業 鉱業、採石業、砂利採取業
建設業 総合工事業、職別工事業、設備工事業
製造業  
繊維工業 繊維工業
化学工業 パルプ・紙・紙加工品製造業、化学工業、製薬業、石油製品・石炭製品製造業、ゴム製品製造業、窯業・土石製品製造業
鉄鋼金属工業 鉄鋼業、非鉄金属製造業、金属製品製造業
機械工業 はん用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、業務用機械器具製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、輸送用機械器具製造業
食料品製造業 食料品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業
出版印刷業 新聞業、出版業、印刷・同関連業
その他の製造業 上記以外の製造業
卸売業 各種商品卸売業、繊維・衣服等卸売業、飲食料品卸売業、建築材料、鉱物・金属材料等卸売業、機械器具卸売業、その他の卸売業
小売業 各種商品小売業、織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業、機械器具小売業、その他の小売業、無店舗小売業
料理飲食旅館業 宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業
金融保険業 銀行業、協同組織金融業、貸金業、クレジットカード業等非預金信用機関、金融商品取引業、商品先物取引業、補助的金融業等、保険業、相互会社
不動産業 不動産取引業、不動産賃貸業・管理業
運輸通信公益事業 鉄道業、道路旅客運送業、道路貨物運送業、水運業、航空運輸業、倉庫業、運輸に附帯するサービス業、郵便業、通信業、放送業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業
サービス業 情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業(新聞業、出版業を除く)、医療業、保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業、学校教育、その他の教育、学習支援業、専門サービス業、学術・開発研究機関、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、娯楽業、廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業、物品賃貸業、広告業、技術サービス業、職業紹介・労働者派遣業、その他の事業サービス業、その他のサービス業、分類不能の産業

3 利用上の注意

  1. 1 この調査は標本調査のため、他の税務統計の関連数値とは一致しない。全体の法人企業数、資本金、営業収入金額等は、調査対象法人の確定申告書等から得た標本値に、標本法人割合の逆数を乗じて推計している。
  2. 2 業種の分類について
     業種の分類は、その法人が数種の事業を兼営している場合は、主たる業種によって分類した。例えば、水産業(主たる業種)を営む法人が他に食料品製造業や不動産業を兼営していても、それらを含めた計数を、農林水産業として計上した。
  3. 3 年2回以上事業年度を持つ法人について
     年2回以上事業年度を持つ法人について、利益の事業年度と欠損の事業年度がある場合は、それらを相殺することなく、利益の事業年度分は利益計上法人欄に、欠損の事業年度分は欠損法人欄にそれぞれ掲げた。
     なお、この場合法人数については、1回でも利益の事業年度がある場合は、利益計上法人として計算した。
  4. 4 連結申告を行った法人について
     連結申告を行った法人については、企業グループ単位で申告がされるため、1グループを1社として連結確定申告書の計数に基づき集計した。また、業種区分及び資本金階級区分は「連結法人」として分類した。
  5. 5 単位及び計数の処理方法
    1. (1) 各表の計数は、単位未満を四捨五入しているので、表の内容の計又は合計が一致しない場合がある。
    2. (2) 金額は、原則として百万円単位とし、単位未満の計数は「0」、該当する計数のない場合又は棄却値は「-」と表示している。

4 正誤情報

5 統計表一覧

平成23年度分以降

統計表
第1表 総括表
第2表 資本金、営業収入、申告所得
第3表 繰越欠損金
第4表 益金処分
第5表 受取配当、外国子会社から受ける配当等
第6表 寄附金、交際費等
第7表 引当金、減価償却費
第8表 留保金
第9表 所得階級別・資本金階級別法人数
第10表 所得階級別・業種別所得金額
第11表 法人数の内訳

平成22年度分

統計表
第1表 総括表
第2表 資本金、営業収入、申告所得
第3表 繰越欠損金
第4表 益金処分
第5表 受取配当、外国子会社から受ける配当等
第6表 寄附金、交際費等
第7表 引当金、減価償却費
第8表 留保金
第9表 所得階級別・資本金階級別法人数
第10表 所得階級別・業種別所得金額
第11表 法人数の内訳
第12表 租税特別措置法関連項目

平成21年度分

統計表
第1表 総括表
第2表 資本金、営業収入、申告所得
第3表 繰越欠損金
第4表 益金処分
第5表 受取配当、業務主宰役員給与
第6表 寄附金、交際費等
第7表 引当金、減価償却費
第8表 留保金
第9表 所得階級別・資本金階級別法人数
第10表 所得階級別・業種別所得金額
第11表 法人数の内訳
第12表 租税特別措置法関連項目

平成20年度分

統計表
第1表 総括表
第2表 資本金、営業収入、申告所得
第3表 繰越欠損金
第4表 益金処分
第5表 受取配当、業務主宰役員給与
第6表 寄附金、交際費等
第7表 引当金、減価償却費
第8表 留保金
第9表 所得階級別・資本金階級別法人数
第10表 所得階級別・業種別所得金額
第11表 所得金額の前本年対比
第12表 法人数の内訳
第13表 租税特別措置法関連項目

平成19年度分

統計表
第1表 総括表
第2表 資本金、営業収入、申告所得
第3表 繰越欠損金
第4表 益金処分
第5表 受取配当
第6表 寄附金、交際費等
第7表 引当金、減価償却費
第8表 留保金
第9表 所得階級別・資本金階級別法人数
第10表 所得階級別・業種別所得金額
第11表 所得金額の前本年対比
第12表 法人数の内訳
第13表 租税特別措置法関連項目

平成18年度分、平成18年分

統計表
第1表 総括表
第2表 資本金、営業収入、申告所得
第3表 繰越欠損金
第4表 益金処分
第5表 受取配当
第6表 寄附金、交際費等
第7表 引当金、減価償却費
第8表 留保金
第9表 所得階級別・資本金階級別法人数
第10表 所得階級別・業種別所得金額
第11表 所得金額の前本年対比
第12表 法人数の内訳

平成17年分以前

統計表
第1表 総括表
第2表 資本金、営業収入、調査所得
第3表 申告所得、繰越欠損
第4表 益金処分
第5表 受取配当
第6表 寄附金、交際費等
第7表 引当金、減価償却費
第8表 留保金
第9表 所得階級別・資本金階級別法人数
第10表 所得階級別・業種別所得金額
第11表 所得金額の前本年対比
第12表 法人数の内訳

公表予定

調査年分の翌々年3月頃
最新年分の公表予定

問い合わせ先

本調査についてのお問い合わせは下記にお願いします。
〒100-8978
東京都千代田区霞が関3-1-1
国税庁長官官房企画課 データ活用推進室 調査統計第一係 調査統計第二係
電話:03(3581)4161 内線3508、3875