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沖縄県病院事業局に寄附をした場合の税務上の取扱いについて(別紙)

別紙1-1

7 事前照会の趣旨(法令解釈・適用上の疑義の要約及び事前照会者の求める見解の内容)

 沖縄県病院事業局(以下「本病院事業局」という。)は、「沖縄県病院事業の設置等に関する条例」により県民の健康保持に必要な医療を提供するために設置された沖縄県の行政組織であり、地方公営企業法に基づき、県立病院事業の管理・運営を行っております。
 地方公営企業法は、病院事業など地方公共団体の管理・運営する組織について、財務・職員の身分等を定め、その経済性を発揮するとともに本来の目的である公共の福祉の増進を図るように運営することを確保するための法律です。
 この地方公営企業法第7条では、地方公営企業を経営する地方公共団体に「管理者」を置くことができるとされており、本病院事業局にも管理者として「沖縄県病院事業管理者病院事業局長」(以下「本病院事業局長」という。)を設置しております。
 そして、この管理者は「地方公共団体の長の補助職員」として位置づけられておりますが、地方公営企業法第8条では地方公営企業の業務に関して管理者の名において行った行為は「地方公共団体を代表する」ものとされ、その法律上の効果は権利義務の主体である地方公共団体に帰属するものであります。
 これまで、本病院事業局においては、寄附の募集を行っていませんでした。
 今後、本病院事業局は病院事業の本来の目的である公共の福祉を更に増進するため、本病院事業局長名で寄附を募集する予定であります。
 ところで、所得税法第78条第2項第1号及び法人税法第37条第3項第1号に規定される「国又は地方公共団体に対する寄附金」については、原則として、所得税においては所得控除の対象、法人税においては損金算入されることとなっています。しかし、個人及び法人が支出した寄附金が、国又は地方公共団体(以下「国等」という。)において採納の手続きを経たとしても、その寄附金が「特定の団体」に交付されることが明らかである等、最終的に国等に帰属しないと認められるものは、国等に対する寄附金には該当しないこととして取り扱うこととされています(所得税基本通達78−6、法人税基本通達9−4−4)。本病院事業局は本件寄附金を支出した寄附者に対し、本病院事業局長名で寄附採納受託書を発行する予定です。
 ついては、この募集に応じて、寄附者が支出する寄附金(以下「本件寄附金」という。)は、地方公共団体である本病院事業局に対して行うものであることから、所得税法第78条第2項第1号及び法人税法第37条第3項第1号に規定される「国又は地方公共団体に対する寄附金」に該当するものとして取り扱ってよろしいでしょうか。

別紙1-2

8 事前照会に係る取引等の事実関係(取引等関係者の名称、取引等における権利・義務関係等)

 本病院事業局は、公共の福祉の更なる増進を図るため、個人及び団体に対し、広く寄附を募集する予定であります。
 なお、本件寄附金の募集に関する概要は次のとおりです。

(1) 寄附金の受け入れ

 本件寄附金は、本病院事業局の歳入として受け入れることとなるため、地方公営企業法第17条の規定により、沖縄県の特別会計である沖縄県病院事業会計に受け入れることになります。
 なお、本件寄附金は、沖縄県病院事業会計決算書により県議会へ報告します。

(2) 寄附金の受付窓口及び寄附採納受託書等の交付

 本件寄附金の受付窓口は沖縄県病院事業出納取扱金融機関(琉球銀行本支店)とし、本病院事業局が直接採納します。
 なお、採納に当たっては、本病院事業局が直接本件寄附金を受け入れるために、本病院事業局長名で寄附採納受託書を寄附者あてに交付することとし、領収証書については、本病院事業局出納員の名義で交付します。

(3) 寄附金の運用・運営

 受け入れた本件寄附金は、沖縄県立病院及び付属診療所の医療体制の充実を図るため必要な医療機器を購入するなど、目的に沿って適切に活用します。
 なお、受け入れた寄附金の調定及び使用方法の決定は、本病院事業局長が行います。

(4) 広報

 本件寄附金の募集・使用内容等は、随時広報を行い、広く県民の理解と協力を求めることとします。

別紙1-3

9 8の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由(具体的な根拠となる事例、裁判例、学説及び既に公表されている弁護士、税理士、公認会計士等の見解を含む。)

 本件寄附金については、次に掲げる事項を踏まえれば、「特定の団体に交付されることが明らかであるなど最終的に国等に帰属しないと認められるもの」(所得税基本通達78−6、法人税基本通達9−4−4)には該当しないものと考えられます。

  • (1) 地方公営企業法第8条では、地方公営企業の業務に関して管理者の名において行った行為は「地方公共団体を代表する」ものとされており、本件寄附金の受領に際しては、当該管理者である病院事業局長名で寄附採納受託書が発行されること。
  • (2) 受け入れた本件寄附金は、沖縄県立病院及び付属診療所の医療体制の充実を図るために必要な医療機器を購入するなどの目的に沿って運用され、その調定及び使用方法の決定は、当該管理者である本病院事業局長が行うこととされていること。
  • (3) 本病院事業局が行う病院事業の経理は、地方公営企業法第17条の規定により、地方公共団体の特別会計により行うこととされており、本件寄附金についても、沖縄県の病院事業会計(県の特別会計)で受け入れ、最終的に国等に帰属すると認められること。
  • (4) 本病院事業局は沖縄県の行政組織であること。

 以上のことから、本件寄附金は所得税法第78条第2項第1号及び法人税法第37条第3項第1号に規定される「国又は地方公共団体に対する寄附金」に該当するものとして取り扱われるものと考えます。