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平成20年度 査察の概要

平成21年6月
名古屋国税局

脱税はいわば社会公共の敵というべきものであり、大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及することなどを目的として、厳正な査察調査を実施しています。
 平成20年度(平成20年4月〜平成21年3月)においては、従来からの所得税・法人税事案に加え、社会・経済状況の変化を踏まえつつ、国際取引事案、無申告事案をはじめとする社会的に意義のある波及効果の高い事案の摘発に取り組んできました。
 今般、平成20年度の査察調査の結果がまとまりましたので、その概要を報告します。

1 着手・処理・告発件数、告発率の状況

主要ポイント

  • ○ 平成20年度に査察に着手した件数は26件です。
  • ○ 平成20年度以前に着手した査察事案について、平成20年度中に処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)した件数は24件、そのうち検察庁に告発した件数は17件であり、その結果、告発率は70.8%となっています。
年度
項目
平成
16
17 18 19 20
着手件数
24

26

28

27

26
処理件数(A) 25 26 27 27 24
告発件数(B) 18 17 21 20 17
告発率(B/A)
72.0

65.4

77.8

74.1

70.8
着手・処理・告発件数、告発率の状況

2 脱税額の状況

主要ポイント

  • ○ 平成20年度中に処理した事件に係る脱税額は、総額で25億円、そのうち告発分は21億円です。
  • ○ 告発した事件1件当たりの脱税額は、平均で1億2,200万円となっています。
年度
項目
平成
16
17 18 19 20


総額 百万円
1,785
百万円
1,973
百万円
2,726
百万円
4,048
百万円
2,546
同上1件当たり 71 76 101 150 106
告発分 1,495 1,634 2,384 3,663 2,066
同上1件当たり 83 96 114 183 122

(注)脱税額には、加算税額を含む。

脱税額の状況

(参考1)大口事案の推移

年度
項目
平成
16

17

18

19

20
告発件数
18

17

21

20

17
うち脱税額が3億円以上 1 1 2 2 1
うち脱税額が5億円以上 1 -

(注)脱税額には、加算税額を含む。

3 税目別告発事件の推移

主要ポイント

  • ○ 平成20年度の税目別の告発事件数及び脱税額については、法人税事件の比率が高くなっています。

(参考2)税目別の件数

年度
区分
平成
16

17

18

19

20
件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合
所得税
6

33

2

12

8

38

5

25

3

18
法人税 11 61 10 59 4 19 13 65 12 70
その他 1 6 5 29 9 43 2 10 2 12
合計 18 100 17 100 21 100 20 100 17 100
税目別の件数

(参考3)税目別の脱税額

年度
区分
平成
16

17

18

19

20
脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合
所得税 百万円
457

30
百万円
538

33
百万円
875

37
百万円
595

16
百万円
387

19
法人税 562 38 862 53 358 15 1,858 51 1,351 65
その他 475 32 233 14 1,151 48 1,211 33 328 16
合計 1,494 100 1,633 100 2,384 100 3,664 100 2,066 100

(注) 脱税額には、加算税額を含む。

税目別の脱税額

4 告発の多かった業種・取引と脱税の手段・方法等

主要ポイント

  • ○ 平成20年度においては、鉱物・金属材料卸、人材派遣業が上位を占めています。
     鉱物・金属材料卸では、鉄くず関連の所得税・法人税事案が大宗を占めています。

(参考4)告発の多かった業種・取引(2者以上)

平成 18 19 20
業種 者数 業種 者数 業種 者数
人材派遣業 6 機械器具製造 5 鉱物・金属材料卸 5
キャバレー・飲食店 4 商品・株式取引 3 人材派遣 5
パチンコ 2

(注)同一の納税者が複数の税目で告発されている場合は、1者としてカウントしている。

(参考5)脱税の手段・方法等

告発の多かった業種・取引で見られた脱税の手口としては、鉱物・金属材料卸及び人材派遣業ともに収入除外による脱税が見られました。
 このほか、昨年に引き続き、架空原価、架空経費の計上及び実際の収支に基づかない所得金額による申告が見られました。

5 不正資金の留保状況及び隠匿場所

主要ポイント

  • ○ 脱税によって得た利益の多くは、現金、預貯金又は有価証券として所有・管理されていました。
  • ○ 脱税により取得した簿外資産の隠匿場所は様々でしたが、多くが現金等を居宅内に隠していました。
  • (1)脱税によって得た利益の多くは、現金、預貯金又は有価証券として所有・管理されていたほか、関係会社等への貸付金やブランド品の購入などの個人的な遊興費に充てられているものも見受けられました。
  • (2)脱税により取得した簿外資産等の隠匿場所は様々でしたが、現金を
    • ○ 居宅に設置した金庫
    • ○ 居宅衣裳ケースに入れた紙袋
    • ○ 居宅押入れに置いたバッグや紙袋
    に隠していたケースなどがありました。

6 査察事件の一審判決の状況

主要ポイント

  • ○ 平成20年度中に一審判決が言い渡された件数は25件であり、すべてについて有罪判決が出されました。
項目
年度
判決件数(A) 有罪件数(B) 有罪率
(A/B)
1件当り犯則税額(D) 1人当り懲役月数(E) 1人(社)当り罰金額(F)
平成18
17

17

100.0
千円
51,997

14.0
千円
14,393
19 24 24 100.0 64,231 15.0 15,625
20 25 25 100.0 104,186 18.8 33,038

(注)(D)〜(F)は、他の犯罪との併合事件を除いてカウントしている。