(加算対象期間内に贈与を受けた農地等)

70の5-1 措置法第70条の4第1項の規定による贈与税の納税猶予に係る贈与者が死亡した場合において、その贈与が当該贈与者の死亡に係る相続税の加算対象期間(相続税法基本通達19−2((法第19条第1項の規定の適用を受ける贈与))に定める「加算対象期間」をいう。以下70の7の3−2の2までにおいて同じ。)内であるときにおける特例適用農地等についての当該贈与者の死亡に係る相続税の課税関係は、次に掲げるところによることに留意する。(令5課資2-21改正)

(1) 当該贈与者の死亡の時において、現に当該納税猶予の適用を受けている特例適用農地等は、措置法第70条の5第1項の規定により受贈者が当該贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ、当該贈与者の死亡の日における価額で相続税が課税される。
 なお、この適用を受ける農地等は、措置法第70条の6第1項の規定による相続税の納税猶予の適用を受けることができる農地等に含まれる。

(2) 当該贈与者の死亡の日前に、当該納税猶予に係る贈与税の全部又は一部についての納税猶予の期限が確定しており、かつ、受贈者が当該贈与者から相続又は遺贈により財産を取得している場合における当該期限の確定に係る特例適用農地等は、相続税法第19条第1項の規定により、贈与の日における価額で相続税が課税される。
 なお、この適用を受ける農地等は、措置法第70条の6第1項の規定による相続税の納税猶予の適用が受けられる農地等には含まれない。

(当該農地等)

70の5-2 措置法第70条の5第1項に規定する「当該農地等」には、特例適用農地等のうち、措置法令第40条の6第66項第2号又は第3号に掲げる敷地又は用地も含まれることに留意する。(平17課資2-7、平21課資2-9、平24課資2-10、平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25、令5課資2-12改正)

(注) 措置法第70条の4第8項の規定の適用を受ける貸付特例適用農地等に係る借受代替農地等に係る使用貸借による権利又は賃借権については、上記の「当該農地等」に含まれないことに留意する。

(一時的道路用地等の用に供されている特例適用農地等について相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額)

70の5-3 措置法第70条の4第18項第1号の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者に係る同条第1項に規定する贈与者が死亡した場合において、措置法第70条の5第1項の規定の適用を受ける措置法第70条の4第18項に規定する一時的道路用地等(以下70の5-3において「一時的道路用地等」という。)の用に供されている農地等の相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに掲げるところによることに留意する。(平21課資2-9、平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25改正)

(1) 一時的道路用地等の用に供されている農地等に係る受贈者が当該農地等について措置法第70条の6第1項の規定の適用を受ける場合 措置法第70条の5第1項後段かっこ書きに定める価額

(注) 措置法第70条の5第1項後段かっこ書きに定める「当該一時的道路用地等の用に供されていないものとしたときにおける当該農地等としての価額」とは、当該農地等の状況が一時的道路用地等の用に供される直前の現況にあるものとした場合の当該贈与者の死亡の日における当該農地等としての価額をいう。

(2) 一時的道路用地等の用に供されている農地等に係る受贈者が当該農地等について措置法第70条の6第1項の規定の適用を受けない場合 贈与者の死亡の日における当該農地等の時価

(営農困難時貸付けが行われている特例適用農地等について相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額)

70の5-4 措置法第70条の4第22項の規定の適用を受ける同項に規定する受贈者に係る同条第1項に規定する贈与者が死亡した場合において、措置法第70条の5第1項の規定の適用を受ける措置法第70条の4第22項に規定する営農困難時貸付け(以下70の5-4において「営農困難時貸付け」という。)が行われている農地等の相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額は、当該贈与者の死亡の日における貸付けの態様に応じた当該農地等の時価によることに留意する。(平21課資2-9追加、平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25、平30課資2-19改正)

(注) 営農困難時貸付けが行われていた農地等について、措置法令第40条の7第58項の規定により措置法第70条の6第1項の規定の適用を受けようとする場合に、当該農地等に係る贈与者の死亡の日において、当該農地等につき新たな営農困難時貸付けが行われていないときの当該農地等の相続税の課税価格の計算の基礎に算入すべき価額は、当該贈与者の死亡の日における当該農地等の時価によることに留意する。

(買換えの承認に係る特例適用農地等)

70の5-5 特例適用農地等の譲渡等につき措置法第70条の4第15項の規定による買換えの承認を受けている場合において、代替取得農地等を取得する前に贈与者が死亡したときにおける当該承認に係る譲渡等をした特例適用農地等に係る相続税の課税に当たつては、当該特例適用農地等は、措置法第70条の5第1項の規定により受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ、かつ、当該譲渡等に係る特例適用農地等は、措置法第70条の4第15項の規定により譲渡等がなかつたものとみなされることから、当該譲渡等に係る特例適用農地等の当該贈与者の死亡の日における価額が相続税の課税価格の計算の基礎に算入されることになるのであるから留意する。(平21課資2-9改正)

(注) 上記の譲渡等に係る特例適用農地等について、措置法第70条の6第1項の規定による相続税の納税猶予の適用を受ける場合には、同項の規定により当該特例適用農地等は、相続又は遺贈により取得した農地等に含まれることから相続税の納税猶予の適用を受けることができることとなる。
 なお、この場合において、当該譲渡等があった日から1年以内に代替取得農地等を取得しなかったときには、その譲渡等があった日から1年を経過する日において譲渡等があったものとみなされ、当該譲渡等に係る農地等の価額に対応する部分の相続税の納税猶予税額は、納付を要することになる。

(付替えの承認に係る特例適用農地等)

70の5-5の2 特例適用農地等の譲渡等につき措置法第70条の4第16項の規定による付替えの承認を受けている場合において、代替農地等を受贈者が農業の用に供する前に贈与者が死亡したときにおける当該承認に係る譲渡等をした特例適用農地等に係る相続税の課税に当たっては、当該特例適用農地等は、措置法第70条の5第1項の規定により受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ、かつ、当該譲渡等に係る特例適用農地等は、措置法第70条の4第16項の規定により譲渡等がなかったものとみなされることから、当該譲渡等に係る特例適用農地等の当該贈与者の死亡の日における価額が相続税の課税価格の計算の基礎に算入されることになるのであるから留意する。

(注) 上記の譲渡等に係る特例適用農地等について、措置法第70条の6第1項の規定による相続税の納税猶予の適用を受ける場合には、同項の規定により当該特例適用農地等は、相続又は遺贈により取得した農地等に含まれることから相続税の納税猶予の適用を受けることができることとなる。
 なお、この場合において、当該譲渡等があった日から1年以内に代替農地等を当該譲渡等に係る特例適用農地等に代わるものとして農業の用に供しなかったときには、その譲渡等があった日から1年を経過する日において譲渡等があったものとみなされ、当該譲渡等に係る農地等の価額に対応する部分の相続税の納税猶予税額は、納付を要することになる。

(措置法第70条の4第17項の規定による承認に係る特定農地等)

70の5-6 措置法第70条の4第1項の規定の適用を受ける農地又は採草放牧地についての買取りの申出等につき同条第17項の規定による承認を受けている場合において、当該承認に係る特定農地等に係る代替取得農地等を取得する前に又は当該承認に係る特定市街化区域農地等に係る農地若しくは採草放牧地が同項の規定による都市営農農地等に該当する前に贈与者が死亡したときにおける当該承認に係る特定農地等に係る相続税の課税に当たっては、当該特定農地等は、措置法第70条の5第1項の規定により受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ、かつ、当該承認に係る特定農地等は、措置法第70条の4第17項の規定により買取りの申出等及び譲渡等はなかったものとみなされることから、当該買取りの申出等に係る特定農地等の当該贈与者の死亡の日における価額が相続税の課税価格の計算の基礎に算入されることになるのであるから留意する。
 なお、この場合において、当該買取りの申出等に係る特定農地等の当該贈与者の死亡の日における価額は、当該贈与者の死亡の日における現況によるのであるから留意する。(平21課資2-9、平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25改正)

(注) 上記の買取りの申出等に係る特定農地等について、措置法第70条の6第1項の規定による相続税の納税猶予の適用を受ける場合には、同項の規定により当該特定農地等は、相続又は遺贈により取得した農地等に含まれることから相続税の納税猶予の適用を受けることができることとなる。
 なお、この場合において、当該買取りの申出等があった日から1年以内に譲渡等をしなかったとき若しくは都市営農農地等に該当することとならなかったとき又は当該日から1年以内に譲渡等をした場合において当該譲渡等があった日から1年以内に代替取得農地等を取得しなかったときには、当該買取りの申出等があった日から1年を経過する日又は当該譲渡等があった日から1年を経過する日において買取りの申出等があったものとみなされ、当該買取りの申出等に係る特定農地等の価額に対応する部分の相続税の納税猶予税額は、納付を要することとなる。


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