徴管5-6
徴徴2-4
課資2-138
平成5年5月28日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官


 標題のことについては、下記のとおり定めたから、今後これにより取り扱うこととされたい。

(理由)
最近の経済情勢下において、相続税の延納の条件の変更、許可の取消し、分納税額の不履行等に関する事案が増加していることにかんがみ、相続税法(昭和25年法律第73号)第39条に規定する延納の条件の変更及び同法第40条に規定する延納の許可の取消し並びにそれらの処分に係る滞納処分の取扱いを定めたものである。

1 延納の条件の変更

(1) 変更が可能であることの周知
 延納の分納期限が到来する分納税額について、当該分納期限のおおむね1か月前に「相続税の延納分納税額の納付のお知らせ」(別紙)を当該延納の許可を受けた者に送付し、延納の条件の変更が可能であることも周知する。

(2) 変更ができる場合
 延納の許可後、次のような事情が生じた場合には、原則として、分納期限未到来の延納税額について延納の条件の変更をすることができる。

イ 延納の許可を受けた者につき、相続財産の譲渡が計画どおりいかない等のため一時的に資金繰りが悪化し、許可に係る延納の条件では履行が困難となった場合

ロ 計画伐採立木に係る相続税の延納の許可を受けた者につき、森林法(昭和26年法律第249号)第12条の規定による森林施業計画の変更があり、許可に係る延納の条件が適当でなくなった場合

ハ 延納税額の数回分が繰上納付されたため、その納付の状況が許可に係る延納の条件と著しく異なることとなったような場合

(3) 変更の範囲
 延納の許可後、当該許可に係る延納の条件では履行が困難であるという事由で延納の条件を変更する範囲は、次のとおりとする。

イ 分納期限の延長
 分納期限を延長する変更は、次回の分納期限(当初の許可に係るもの)の前日までを限度とする。ただし、最初の分納期限の延長が行われた後、(2)のイに掲げる事由が継続するなどやむを得ない事情が存する場合には、当該延長後の分納期限について、次回の分納期限(最初の延長に係るもの)の前日まで延長しても差し支えないものとする。

ロ 延納期間の延長
 延納の申請に基づいて許可された延納期間(年数)については、当該申請者について申請当時法律上延納できることとされている期間(年数)まで延長することができるものとする。

ハ 延長できる最終の分納期限
 イ及びロにより延長できる最終の分納期限は、当該延納の許可を受けた者について法律上延納できることとされている最終納期限を限度とするものであるから留意する。

(注) 延納の条件を変更する場合には、提供されている担保物の価額が条件変更後の延納税額を担保するに不十分であると認められるときは、増担保の提供又は担保の変更を求めるものとする。

(4) 変更の手続き
 延納の条件の変更は、原則として、延納の許可を受けた者からの申請により、分納期限未到来の延納税額について行うものとする。ただし、(2)のイに掲げる事由により分納期限(当初の許可又は最初の延長に係るもの)が経過しても分納税額の納付がない場合には、当該分納期限経過後おおむね2か月以内に、延納の許可を受けた者の弁明を聴いた上、延納の条件を変更することができるものとする。

2 延納の許可の取消し

 延納の許可を受けた者について相続税法第40条第2項に規定する事由が生じたときには、同項の規定するところにより、その許可を取り消すことができることに留意する。ただし、前記1の(2)のイに掲げる事由により分納期限(当初の許可又は最初の延長に係るもの)が経過しても分納税額の納付がないときには、1の(4)により、延納の条件の変更の可否を検討することとし、その間、国税徴収法(昭和34年法律第147号)第2条第12号に規定する強制換価手続が開始されたとき、延納の許可を受けた者が死亡し、その相続人が限定承認したときなど当該分納税額の徴収上支障がある場合を除き、延納の許可を取り消さないこととする 。

3 分納税額が未納の場合の処理

 分納期限(延納の条件の変更後のものを含む。)を経過しても分納税額の納付がないもの(国税通則法(昭和37年法律第66号)第46条の規定による納税の猶予の措置をとったものを除く。)については、次により処理する。

(1) 1の(4)により延納の条件の変更の可否を検討する。

(2) 2により延納の許可の取消しをしない間においては、当該分納税額について納付の催告に止め、督促状を発しないこととする。

(3) (1)により延納の条件の変更の可否を検討した結果、延納の許可を受けた者が延納の条件の変更に応じなかったとき又は担保不足等により延納の条件の変更が認められないとき、あるいは2により延納の許可を取り消したときには、督促状を発し、一般の例により徴収の手続をとる。

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