直資2-36
直所3-5
昭和53年2月10日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 標題のことについて、社団法人生命保険協会から別紙2のとおり照会があり、これに対して当庁直税部長名をもって別紙1のとおり回答したから了知されたい。


別紙1

直資2-35
直所3-4
昭和53年2月10日

社団法人 生命保険協会
副会長 専務理事 山内正憲 殿

国税庁直税部長
水口昭

 標題のことについては、貴見のとおりで差支えありません。


別紙2

企第1号
昭和53年1月5日

国税庁
直税部長 水口昭 殿

社団法人生命保険協会
副会長 専務理事 山内正憲

拝啓 当業界の税務問題につきましては、平素から何かとご高配を賜り、誠に感謝に堪えません。
 さて、最近生命保険会社では、既存の生命保険契約(以下「転換前契約」という。)の責任準備金等を新たな生命保険契約(以下「転換後契約」という。)の責任準備金等に引継ぐ方法による契約転換制度を設けました。この制度は、転換後契約において、1転換前契約と保険契約者・被保険者が同一であること、2契約者配当の権利を引継ぐこと、3転換前契約の死亡保障の範囲内(死亡保険金、保険期間)での危険選択を行なわないこと、4告知義務違反による契約解除や自殺による保険金支払免責等の場合での転換前契約への復帰が認められること、及び5転換前契約を解約処理するものではないこと等から、この転換は、実質的には、契約の継続性を失わないものとして、これを契約内容の変更と解すべきものと考えます。
 なお、この契約転換制度について、行政当局も別添のとおり同様の見解を示しております。
 かような転換制度に対する所得税法及び相続税法の適用に当って、下記のとおり解釈することについて貴庁のご見解をお伺い申し上げます。

敬具

1. 上記のとおり、転換前契約の責任準備金等を転換後契約の責任準備金等に引継ぐ方法により行なわれる契約転換は、実質的に契約内容の変更であり、転換に伴う所得税及び贈与税の課税関係は生じないと考えます。

2. 但し、契約者と保険料負担者とが同一である場合において、契約者に対する貸付金が転換時に、責任準備金との相殺により精算されたときは、その責任準備金との相殺部分については、転換前契約の一部解約があったものとして契約者の各種所得の金額の計算上収入金額になるものと存じます。この場合には、転換時までに支払った転換前契約に係る保険料の額から転換時までに支払を受ける社員配当金の額を控除した残額のうち、責任準備金との相殺部分に相当する額(すなわち、責任準備金と相殺された貸付金に相当する額)がその各種所得の計算上控除する金額となり、実際には、課税所得は発生しないと存じます。そしてこの責任準備金との相殺部分に相当する額は、転換後契約の消滅時における各種所得の計算上控除する金額から控除すべきものと存じます。

3. また、契約者と保険料負担者とが異る場合において、契約者に対する貸付金が転換時に責任準備金、社員配当金(積立てられた社員配当金を含む。)又は前払保険料をもって精算されたときは契約者に贈与税の課税関係が生ずることになると存じます。

以上