課個5−5
平成21年12月17日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。
 なお、昭和28年8月17日付直所5−20「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)、昭和29年5月18日付直所5−22「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)、昭和30年2月22日付直所5−8「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)及び昭和31年3月12日付直所5−4「大工、左官、とび等に対する従来の取扱通達にいう『大工、左官、とび等』の意義等について」(法令解釈通達)は、廃止する。

(趣旨)
 大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得が所得税法第27条に規定する事業所得に該当するか同法第28条に規定する給与所得に該当するかについては、これまで、昭和28年8月17日付直所5−20「大工、左官、とび等に対する所得税の取扱について」(法令解釈通達)ほかにより取り扱ってきたところであるが、大工、左官、とび職等の就労形態が多様化したことなどから所要の整備を図るものである。

1 定義
 この通達において、「大工、左官、とび職等」とは、日本標準職業分類(総務省)の「大工」、「左官」、「とび職」、「窯業・土石製品製造従事者」、「板金従事者」、「屋根ふき従事者」、「生産関連作業従事者」、「植木職、造園師」、「畳職」に分類する者その他これらに類する者をいう。

2 大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得区分
 事業所得とは、自己の計算において独立して行われる事業から生ずる所得をいい、例えば、請負契約又はこれに準ずる契約に基づく業務の遂行ないし役務の提供の対価は事業所得に該当する。また、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく役務の提供の対価は、事業所得に該当せず、給与所得に該当する。
 したがって、大工、左官、とび職等が、建設、据付け、組立てその他これらに類する作業において、業務を遂行し又は役務を提供したことの対価として支払を受けた報酬に係る所得区分は、当該報酬が、請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は、雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定するのであるから留意する。
 この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。

(1)他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。

(2)報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。

(3)作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。

(4)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。

(5)材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。