課審5-1(例規)
課審3-9
課審4-1
課所4-1
課資1-3
課法2-4
課消2-5
徴管5-3
平成10年3月13日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。

(趣旨)
土地の流動化、有効利用の推進等の見地から投資単位を小口化するため当初の信託受益権が分割される土地信託商品が創設されることに伴い、平成10年度税制改正の要綱において「委託者を受益者とする土地信託について当初の受益権を分割した場合においても、その受益権の分割・譲渡の態様などからみて、受益者が信託財産を所有している実態にあるものの信託財産の異動及び受益権の譲渡については、受益者がその信託財産を所有しているものとして、長期譲渡所得の課税の特例等を適用する」ことが明らかにされたことから、このような当初の信託受益権が分割される土地信託に関する所得税、法人税、消費税並びに相続税及び贈与税の収扱いを定めたものである。

(用語の意義)

1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

(1) 信託受益権が分割される土地信託信託のうち次に掲げる要件のすべてを満たすものをいう。

イ 土地若しくは土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)又は土地等及びその上にある建物その他の不動産を信託財産とし、その管理、運用又は処分を主たる目的とする信託であること。

ロ 委託者を受益者とする信託であること。

ハ 信託受益権は、当初の信託受益権を譲渡するために委託者により分割されるものであること(受益者に相続開始があったことにより、当該受益者の相続人(包括受遣者を含む。)の数に相当する口数の範囲で当該相続人により分割される場合を除き、その信託期間を通じて再分割されないものに限る。)。

ニ 信託受益権の内容が、信託財産の収益を享受する権利と信託財産の元本を享受する権利とに区分されることのないものであること。

ホ 受託者を信託業務を営む銀行とする信託であること。

(2) 信託財産信託の信託財産又は当該信託財産に帰属する財産債務をいう。

(3) 信託受益権信託の利益を受ける権利をいう。

(4) 委託者、受託者、受益者それぞれ信託の契約上の委託者、受託者、受益者をいう。

(関係法令の適用)

2 信託受益権が分割される土地信託のうち、信託期間満了時に受益者に信託財産を交付することを原則とするものであること、信託受益権の分割口数及び分割後の信託受益権の一口当たりの金額等からみて、受益者が信託財産を所有している実態にあると認められるものに係る所得税、法人税、消費税並びに相続税及び贈与税に関する法令(以下「関係法令」という。)の規定の適用については、次に掲げるところによるほか、昭和61年7月9日付直審5-6ほか4課共同「土地信託に関する所得税、法人税並びに相続税及び贈与税の取扱いについて」通達の「第2所得税に関する取扱い」から「第4相続税及び贈与税に関する取扱い」までの定めに準じて取り扱うものとする。

(1) 受託者による信託財産の取得、運用又は譲渡については、信託財産に帰属する財産債務はその信託の受益者が各自の信託受益権の割合に応じて自ら有するものとして関係法令の規定を適用する。

(2) 分割された信託受益権の譲渡又は取得については、当該信託受益権はその信託の目的となっている信託財産に帰属している財産債務そのものを当該信託受益権の割合に応じて直接有する権利であるものとして関係法令の規定を適用する。

(注) 信託の設定による委託者から受託者への信託財産の移転又は信託の終了に伴う受託者から受益者への信託財産の移転は、所得税、法人税及び消費税に関する法令の規定の適用上、資産の譲渡又は取得には該当しないことに留意する。