直資3−7
昭和56年6月25日
国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿
国税庁長官
標題のことについては、高松国税局長から別添2のとおり上申があり、これに対し別添1のとおり指示したから了知されたい。
別添1
直資3−6
昭和56年6月25日
高松国税局長 殿
国税庁長官
標題のことについては、下記のとおり取扱われたい。
記
別添2
高局直資第116号
昭和56年1月13日
国税庁長官 殿
高松国税局長
別紙1の事実関係を有する事案に係る租税特別措置法第33条の4第1項第1号の適用並びに譲渡の日及び納税義務者の判定については、別紙2のとおり甲、乙及び丙説があり、その取扱いに疑義がありますから何分の指示を願います。
なお、当局としては乙説によるのが相当と考えます。
おって、このことに関しては、○○県知事から別紙3のとおり照会がありましたので、参考のため添付します。
(注) 別紙3の添付は省略した。
年月日 |
事項 |
摘要 |
|
---|---|---|---|
1 | ○.○.○ | (訴えの提起) 土地の登記簿上の所有者(甲)が土地使用者(乙)に対し、土地返還の訴えを提起する。 |
|
2 | ○.○.○ | (買取りの申出) ○○県が登記簿上の所有者(甲)に対して買取りの申出を行う。 |
県は土地使用者(乙)に対しては買取りの申出をしていない。 |
3 | ○.○.○ | (収用裁決の日) ― 権利取得の時期○.○.○ 土地所有者が甲と確定した場合、又は、乙と確定した場合等のそれぞれに条件を付している。 |
土地所有者不明。 但し、甲又は乙。 |
4 | ○.○.○ | (補償金供託の日) 被供託者間に争いがあるため、所有権が確定できないので、上記裁決にかかる補償金を供託する。 |
被供託者、甲又は乙。 ○.○.○本件土地の所有権を建設省へ移転登記。 |
5 | ○.○.○ | (一審判決) 反訴原告(被告乙)らの請求は棄却する。 |
|
6 | ○.○.○ | (確定申告書の提出) 所轄署は、一審判決により土地の登記簿上の所有者(甲)に申告をしょうよう。甲は、代替資産を取得する旨の確定申告書を提出する。 |
署は、土地使用者(乙)に対しては指導をしていない。 |
7 | ○.○.○ | (控訴提起) 土地使用者(乙)が控訴状を提出する。 |
内容 |
問題点 |
||
---|---|---|---|
措置法第33条の4の規定の適用ついて | 適用はない。 買取申出の日は、昭和○年○月○日。そして収用裁決による権利取得の日は昭和○年○月○日であり、6ヶ月を経過している。(同法第33条の4第3項第1号による) |
||
譲 渡 の 日 及 び 納 税 義 務 者 に つ い て |
甲 説 |
譲渡の日-所有権についての確定判決の日 納税義務者-判決により確定した所有者 収用委員会の裁決を了しているが係争中の物件であり、所有者は甲(登記簿上の所有者)、又は乙(土地使用者の相続人)いずれとも判定し難く、かつ、補償金も供託中で、甲、乙とも収受していない実情にあるので、確定判決により譲渡の日及び納税義務者を判断する。 |
被収用者と想定される両者が、その所有権について争いが提起されているとしても、これにより収用裁決の効果(譲渡の日)に変動が生ずるものではない。 |
乙 説 |
譲渡の日-裁決書に示された日 納税義務者-実質判断による。 所有権の帰属をめぐつて係争中であるとはいえ、収用裁決も下り、土地の所有権は現実として移転しているので、譲渡の日は、裁決書に示された日となる。また、納税義務者は一審判決にかかわらず(結果として判決と同じになることもある)課税当局が実質判断により決める。(根拠通達相評基210) |
|
|
丙 説 |
譲渡の日-裁決書に示された日 納税義務者-甲・乙両者 現状としては、係争中の物件であり、真実の所有者については甲・乙いずれとも判定し難いのであるが、収用委員会の裁決も下りているから甲・乙の両者を納税義務者とし、裁決書に示された日をもつて譲渡の日とする。 |
自主申告に応じない場合、同一物件の譲渡について、二人の納税義務者に対し決定を行うことに問題はないか。 |