直審(源)7
昭和41年1月19日

国税局長 殿

国税庁長官

 標題のことについては、○○協会会長から別紙1のような陳情があり、これに対して別紙2のとおり回答したから、通知する。


別紙1

昭和40年11月1日

国税庁長官 殿

○○協会会長

 営業倉庫の日雇労務賃金は従来所得税法第185条の規定によりまして、同法別表第5の日額表甲表丙欄の適用を受けておりましたが、昭和40年度の税法改正によって引続き2か月を超えて雇用される場合の給与に対しては除外されることとなりました。
 しかし営業倉庫における日雇労務者の実態は、税法改正による甲欄適用を実施することは極めて困難な事情にありますので、何卒下記の理由を御賢察下さいまして、従前どおり丙欄適用のお取扱い賜わりたく御願い申し上げます。

理由

(1) 営業倉庫の荷役作業は、その業務の性質から繁閑の振幅が大きく、日々の荷役量が不定であるため、一定の作業を消化するための常傭労務者を雇用しているほかは、大部分を日雇労務者の労働力に依存せざるを得ないものであります。

(2) 日雇労務者の担当は、もっぱら単純作業でありまして、荷役作業中、主要な機械の操作その他責任ある仕事は、つねに常傭労務者が担当します。
給与の支払も日雇労務者に対しては、労働当日行ないます。

(3) 日雇労務者の雇用は、大半を職業安定所を通じて行ない、これ等は日雇カードを所持しているものでありますが、時にはカードを所持しない労務者によって充足される場合もありまして、いずれも一般的に、その身上の詳細については明確を欠くものが極めて多く、居所、姓名、家族構成について、その真実性を期待したり、正否を判断することは困難であって、日々の手続上非常に難渋している次第であります。
 また、その就労状況を見ましても賃金を追って職場を移動する性格もありますので、これ等の年間を通じての収入を確認することなど全く不可能な状態にあります。

(4) 健康保険、失業保険は、いずれも日雇労働者保険が適用されております。


別紙2

直審(源)6
昭和41年1月19日

○○協会会長 殿

国税庁長官

 標題のことについては、次のとおり回答します。
 営業倉庫の荷役作業に従事する労働者で日日雇い入れられるもののうち、下記のいずれにも該当するものに支払う給与については、その特殊事情を考慮して所得税法施行令第309条((日払の給与等の意義))かっこ書の規定にかかわらず、当分の間、所得税法別表第五の甲表の丙欄を適用して所得税を計算することとしてさしつかえありません。

1 従事する職務内容がもっぱら単純作業に限られており、作業の段取りをしもしくは指揮監督をし、または主要な機械を操作する等の職務に従事する者でないこと。

2 労働した日において給与の支払いを受ける者であること。

3 厚生年金保険法、健康保険法および失業保険法(日雇労働被保険者に関する特例の規定を除く。)の規定による被保険者に該当しないこと。