〔 昭和47.6.13 間消4−36
国税庁長官・国税局長
〕

 石油ガスの充てん者がその石油ガスの充てん場から移出した課税石油ガスの販売代金の全部または一部を領収することができなくなった場合には、石油ガス税法(以下「法」という。)第15条((戻入れの場合の石油ガス税の控除等))第3項の規定により、税務署長の承認を受けて、当該領収をすることができなくなった販売代金にかかる課税石油ガスの重量に対する石油ガス税相当額の控除または還付を受けることができることとされているが、その承認等にあたっては、下記によることとしたから、当該承認事務の迅速、かつ、円滑な処理を図ることとされたい。

(理由) 最近、課税石油ガスの販売代金の領収をすることができなくなった事例が激増しているので、これに伴う石油ガス税の販売代金の領収不能控除等の承認申請手続および税務署長の承認事務等の簡素合理化を図る必要がある。

1 法第15条第3項に規定する「領収をすることができなくなったことにつき正当な理由があること」とは、石油ガス税法基本通達第53条((領収不能による控除等の取扱い))第2項に例示するもののほか、課税石油ガスの販売先について、おおむね次に掲げる理由が生じたため、当該課税石油ガスの販売代金の領収をすることができなくなったと認められることをいうものとすること。

(1) 行政処分による事業(タクシー業)等の免許の取消しを受けたことによる事業の廃止

(2) 事業廃止の認可を受けたことによる事業の廃止

(3) 財産の差押えを受けたこと等による事実上の事業の廃止

(4) 債権者等の管理による事実上の売掛債権のたな上げまたは切捨て

(5) 債権者集会の決定等による売掛債権のたな上げまたは切捨て

(6) その他(1)から(5)までに準ずる状態

2 法施行令第12条((販売代金領収不能の場合の承認申請等))第1項に規定する「領収することができなくなったことにつき正当な理由があることを証する書類」とは、それぞれの状態に応じ、おおむね次に掲げる書類をいい、その添附は、これらのうち、いずれか一の書類で足りるものとすること。
 なお、「領収することができなくなったことにつき正当な理由があること」が、新聞、テレビ等の一般的な情報等により公知の事実である場合、直税もしくは徴収関係の部内資料または電話照会等により税務署においてそれらの状態をは握することができる場合においては、その書類の添附を省略させても妨げないこと。

(1) 和解調書(写)、和解を証する書面(写)、債権放棄を証する書面(写)

(2) 判決書(写)、競売開始決定書等強制執行が行なわれたことを証する書面(写)、差押通知書(写)

(3) 債権者集会等の議事録(写)

(4) 事業免許の取消しを証する書面(写)、事業の廃止を証する書面(写)

(5) 住民票、戸籍騰(抄)本、登記簿騰(抄)本

(6) 報道媒介物(新聞、業界紙、官庁刊行物等)、内容証明郵便物、還付郵便物

(7) 公正と認められる第三者のそれらの状態を証する書面

(8) その他(1)から(7)までに準ずる書類で、「領収をすることができなくなったことにつき正当な理由があることを証する書類」と認められるもの

3 法第15条第3項に規定する承認の申請があった場合には、その承認申請書の添付書類等に基づき、その申請内容を迅速に調査し、早期にその処理を図ること。
 なお、その承認申請にかかる課税石油ガスの販売代金が少額であり、かつ、当該販売代金の額が通常発生することが予想される貸倒金額の範囲内にとどまるものであるときには、書面審理により申請どおり承認を与えることとしても妨げないこと。