課評2-8
課資1-13
平成10年8月25日
(一部改正 平11.7.26課評2-14外 )



国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

標題のことについては、下記に掲げるものの評価について、課税上弊害がない限り、昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17「財産評価基本通達」(以下「評価基本通達」という。)25((貸宅地の評価))の(2)の定めにかかわらず、評価基本通達27((借地権の評価))に定める借地権割合(以下「借地権割合」という。)の地域区分に応じて、当分の間、下記により取り扱うこととしたから、平成10年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得したものの評価については、これによられたい。

(趣旨)
評価基本通達9((土地の上に存する権利の評価上の区分))の(6)に定める定期借地権等の目的となっている宅地の評価については、平成6年2月15日付課評2-2、課資1-2「財産評価基本通達の一部改正について」により、その評価方法を定めているところであるが、借地借家法(平成3年、法律第90号)第2条第1号に規定する借地権で同法第22条((定期借地権))の規定の適用を受けるもの(以下「一般定期借地権」という。)の目的となっている宅地の評価については、最近における一般定期借地権の設定の実態等を勘案するとともに、納税者の便宜に資するため、所要の措置を講じたものである。


* 下記は、最終改正後のものです(平成11年9月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得したものの評価に適用)。


1 一般定期借地権の目的となっている宅地の評価
 借地権割合の地域区分のうち、次の2に定める地域区分に存する一般定期借地権の目的となっている宅地の価額は、課税時期における評価基本通達25((貸宅地の評価))の(1)に定める自用地としての価額(以下「自用地としての価額」という。)から「一般定期借地権の価額に相当する金額」を控除した金額によって評価する。
 この場合の「一般定期借地権の価額に相当する金額」とは、課税時期における自用地としての価額に、次の算式により計算した数値を乗じて計算した金額とする。
(算式)
  (1−底地割合)×課税時期におけるその一般定期借地権の残存期間年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率÷一般定期借地権の設定期間年数に応ずる基準年利率のよる複利年金現価率

 (注) 基準年利率は、評価基本通達4-4に定める基準年利率をいう。

2 底地割合
 1の算式中の「底地割合」は、一般定期借地権の目的となっている宅地のその設定の時における価額が、その宅地の自用地としての価額に占める割合をいうものとし、借地権割合の地域区分に応じ、次に定める割合によるものとする。

(底地割合)

借地権割合 底地割合

路線価図 評価倍率表



C 70% 55%
D 60% 60%
E 50% 65%
F 40% 70%
G 30% 75%

(注)

1 借地権割合及びその地域区分は、各国税局長が定める「財産評価基準書」において、各路線価図についてはAからGの表示により、評価倍率表については数値により表示されている。

2 借地権割合の地域区分がA地域、B地域及び評価基本通達27((借地権の評価))ただし書に定める「借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金その他の一時金を支払うなど借地権の取引慣行があると認められる地域以外の地域」に存する一般定期借地権の目的となっている宅地の価額は、評価基本通達25の(2)に定める評価方法により評価することに留意する。

3 「課税上弊害がない」場合とは、一般定期借地権の設定等の行為が専ら税負担回避を目的としたものでない場合をいうほか、この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められることのない場合をいい、個々の設定等についての事情、取引当事者間の関係等を総合勘案してその有無を判定することに留意する。
 なお、一般定期借地権の借地権者が次に掲げる者に該当する場合には、「課税上弊害がある」ものとする。

(1) 一般定期借地権の借地権設定者(以下「借地権設定者」という。)の親族

(2) 借地権設定者とまだ婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及びその親族でその者と生計を一にしているもの

(3) 借地権設定者の使用人及び使用人以外の者で借地権設定者から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの並びにこれらの者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの

(4) 借地権設定者が法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第15号((定義))に規定する役員(以下「会社役員」という。)となっている会社

(5) 借地権設定者、その親族、上記(2)及び(3)に掲げる者並びにこれらの者と法人税法第2条第10号((定義))に規定する政令で定める特殊の関係にある法人を判定の基礎とした場合に同号に規定する同族会社に該当する法人

(6) 上記(4)又は(5)に掲げる法人の会社役員又は使用人

(7) 借地権設定者が、借地借家法第15条((自己借地権))の規定により、自ら一般定期借地権を有することとなる場合の借地権設定者