課評2-8
課資2-139

平成7年8月18日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

標題のことについては、下記により取り扱うこととしたから、これによられたい。

(趣旨)
阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律(平成7年法律第48号)が施行されたことに伴い、同法第29条((特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例))第1項に規定する特定株式等の阪神・淡路大震災の発生直後の価額の評価に関する取扱いを定めたものである。

(用語の意義)

  1. 1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
    1. (1) 大震災  阪神・淡路大震災をいう。
    2. (2) 震災特例法  阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成7年法律第11号)をいう。
    3. (3) 震災特例法施行令  阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令(平成7年政令第29号)をいう。
    4. (4) 特定株式等  震災特例法第29条第1項に規定する特定株式等をいう。
    5. (5) 評価通達  昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17「財産評価基本通達」をいう。
    6. (6) 評価会社  特定株式等に係る株式の発行法人又は出資のされている法人をいう。
    7. (7) 指定地域  震災特例法第29条第1項に規定する指定地域をいう。
    8. (8) 動産等  震災特例法施行令第22条((特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例等))第1項に規定する動産等をいう。
    9. (9) 課税時期  相続、遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下同じ。)若しくは贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。以下同じ。)により財産を取得した日又は相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日をいう。
    10. (10) 直前期末  課税時期の直前に終了した事業年度の末日をいう。

(特定株式等の大震災の発生直後の価額)

  1. 2 震災特例法施行令第22条第3項第2号に定める金額は、評価通達の定めによって評価した1株当たりの特定株式等の価額にその特定株式等の数を乗じて計算した額による。ただし、次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げるところによる。
    1. (1) 評価通達180((類似業種比準価額))に定める類似業種比準価額によって評価する場合
       評価通達183((評価会社の1株当たりの配当金額等の計算))に定める評価会社の「1株当たりの配当金額」、「1株当たりの利益金額」及び「1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」を次に掲げるところにより計算した金額によって評価した1株当たりの特定株式等の価額
      1. イ「1株当たりの配当金額」
         次のロにより計算した「1株当たりの利益金額」に次に掲げる割合を乗じて計算した金額
        評価通達183(1)に定めるところにより計算した直前期末以前2年間の評価会社の利益の配当金額の合計額/評価通達183(2)に定めるとろこにより計算した直前期末以前2年間の評価会社の法人税の課税所得金額を基として計算した利益金額の合計額
      2. ロ「1株当たりの利益金額」
         評価通達183(2)に定めるところにより計算した1株当たりの利益金額と大震災の発生直後の状況に基づいて合理的に見積もった大震災の発生日を含む事業年度の所得金額を基として計算した利益金額の見積額(以下「見積利益金額」という。)を直前期末における発行済株式数(1株当たりの資本金の額が50円以外の金額である場合には、同日における資本金額を50円で除して計算した数によるものとする。)で除して計算した金額との合計額の2分の1に相当する金額
      3. ハ「1株当たりの純資産価額(帳薄価額によって計算した金額)」
         評価通達183(3)に定める1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)。ただし、上記ロの見積利益金額が欠損となる場合には、評価通達183(3)に定める利益積立金額に相当する金額について所要の調整を行うことができる。
      4. (注) 上記イ「1株当たりの配当金額」、ロ「1株当たりの利益金額」及びハ「1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」のそれぞれの金額のうち、いずれか2以上が0となるときには、震災特例法第29条第1項及び第30条((特定土地等及び特定株式等に係る贈与税の課税価格の計算の特例))第1項の規定を適用しない場合において、評価通達189((特定の評価会社の株式))(3)ロに定める株式に該当するときに限り、その特定株式等の評価は、評価通達189-4((開業前又は休業中の会社の株式の評価))の定めによる。
    2. (2)評価通達185((純資産価額))に定める1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)によって評価する場合
       課税時期における各資産を評価通達の定めるところにより評価した価額の合計額を、課税時期において指定地域内にあった動産等(評価会社が平成7年1月17日において保有していたものに限る。)の状況が大震災の発生直後の現況にあったものとみなして、大震災の発生直後におけるその動産等の価額として評価した各資産の価額の合計額として評価した1株当たりの特定株式等の価額
    3. (注) 評価会社が課税時期前3年以内に取得又は新築した土地及び土地の上に存する権利並びに家屋及びその附属設備又は構築物の価額についても、大震災の発生直後におけるこれらの資産の価額として評価するのであるから留意する。