課評2-9
課資2-140

平成7年8月18日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

標題のことについては、下記により取り扱うこととしたから、これによられたい。

(趣旨)
阪神・淡路大震災の発生日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産についての評価方法を定めたものである。

(用語の意義)

1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

(1) 大震災  阪神・淡路大震災をいう。

(2) 震災特例法  阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成7年法律第11号)をいう。

(3) 震災特例法施行令  阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令(平成7年政令第29号)をいう。

(4) 評価通達  昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17「財産評価基本通達」をいう。

(5) 課税時期  相続、遣贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下同じ。)若しくは贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。以下同じ。)により財産を取得した日又は相続税法の規定により相続、遣贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日をいう。

(6) 応急仮設住宅  大震災の被災者に対し、災害救助法(昭和22年法律第118号)第2条の規定に基づく救助として供与される同法第23条第1項第1号の応急仮設住宅をいう。

(7) 評価会社  評価しようとする株式又は出資に係る株式の発行会社又は出資のされている会社をいう。

(8) 指定地域  震災特例法第29条((特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例))第1項に規定する指定地域をいう。

(9)指定地域内に保有する資産の割合が高い法人の株式等  平成7年1月17日において保有していた資産の大震災の発生直前の価額(大震災の発生直前における時価をいう。)の合計額のうちに占める指定地域内にあった動産(金銭及び有価証券を除く。)、不動産、不動産の上に存する権利及び立木の価額の合計額の割合が10分の3以上である法人の株式又は出資をいう。

(10) 震災特例法通達  平成7年8月18日付課評2-8、課資2-139「阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律に規定する特定株式等の評価について」通達をいう。

(被災した造成中の宅地の評価)

2 大震災により被災した造成中の宅地の価額は、評価通達24-3((造成中の宅地の評価))に定める「その宅地の造成に係る費用現価」を次に掲げる額の合計額として計算した金額によって評価する。

(1) 大震災の発生日の前日までに支出したその宅地の造成に係る費用現価のうち、被災後においてなおその効用を有すると認められる金額に相当する額

(2) 大震災の発生日から課税時期までに支出したその宅地の造成に係る費用現価

(応急仮設住宅の敷地の用に貸し付けられている土地の評価)

3 応急仮設住宅の敷地の用に供する土地として関係府県知事又は関係市町長に使用貸借により貸し付けられている土地の価額は、その土地の自用地としての価額(評価通達25((貸宅地の評価))に定める「自用地としての価額」をいう。)から、その使用貸借に係る使用権の残存期間が評価通達25(2)のイからニまでの残存期間のいずれに該当するかに応じてそれぞれに定める割合を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価する。

(被災家屋の評価)

4 大震災により被災した家屋(以下「被災家屋」という。)の価額は、次に掲げる金額の合計額によって評価することができる。

(1) 評価通達89((家屋の評価))の定めにより評価した大震災の発生直前の家屋の価額から、その価額に地方税法(昭和25年法律第226号)第367条の規定に基づき条例に定めるところによりその被災家屋に適用された固定資産税の軽減又は免除の割合を乗じて計算した金額を控除した金額

(2) 大震災の発生日から課税時期までに支出したその被災家屋の修理、改良等に係る費用現価の100分の70に相当する金額

(被災した建築中の家屋の評価)

5 大震災により被災した建築中の家屋の価額は、評価通達91((建築中の家屋の評価))に定める「その家屋の費用現価」を次に掲げる額の合計額として計算した金額によって評価する。

(1) 大震災の発生日の前日までに支出したその家屋の費用現価のうち、被災後においてなおその効用を有すると認められる金額に相当する額

(2) 大震災の発生日から課税時期までに支出したその家屋の費用現価

(類似業種比準価額の計算)

6 指定地域内に保有する資産の割合が高い法人の株式等につき、評価通達180((類似業種比準価額))に定める類似業種比準価額により評価することとなる場合において、課税時期が大震災の発生日から同日を含むその法人の事業年度末までの間にあるときには、震災特例法通達2((特定株式等の大震災の発生直後の価額))(1)の定めを準用することができるものとする。

(純資産価額の計算)

7 評価会社の株式又は出資につき評価通達185((純資産価額))に定める「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」により評価することとなる場合において、評価会社の各資産のうちに、評価会社が課税時期前3年以内に取得した指定地域内の土地及び土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)で、かつ、評価会社が平成7年1月16日以前に取得したものがあるときには、課税時期が平成7年1月17日から平成10年1月16日までの間にあるときに限り、その土地等の価額については、評価通達185のかっこ書の定めを適用しないことができるものとする。