65の2-1 措置法の規定による収用等の場合の課税の特例には、圧縮記帳等の特例(措置法第64条から第65条まで)及び5,000万円損金算入の特例(措置法第65条の2の規定による5,000万円の損金算入の特例をいう。以下同じ。)があるが、これらの特例相互間の適用関係は次のとおりである。(昭50年直法2-21「48」、平2年直法2-1「二十八」、平3年課法2-4「二十三」、平15年課法2-7「六十一」、平16年課法2-14「二十一」、平27年課法2-8「二十五」、令3年課法2-31「十」により改正)
(注) 措置法第65条第7項から第9項までの規定により換地処分等による譲渡があったものとみなされる資産を含む。
65の2-2 法人が、同一事業年度のうち同一の年に属する期間中に収用換地等により譲渡した資産のうちに、例えば最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までに譲渡した資産と同日後に譲渡した資産とがあるなど、5,000万円損金算入の特例の適用が受けられる資産と受けられない資産とがある場合において、その受けられる資産につき5,000万円損金算入の特例の適用を受けたときは、5,000万円損金算入の特例の適用が受けられない資産については、圧縮記帳又は特別勘定経理の特例の適用はないことに留意する。(昭50年直法2-21「49」、平3年課法2-4「二十三」、平15年課法2-7「六十一」、平16年課法2-14「二十一」、平22年課法2-7「二十三」、令3年課法2-31「十」により改正)
(注) 措置法第65条第1項第3号から第7号までに掲げる場合に該当する資産の譲渡をした場合において、換地処分等により取得したこれらの号に規定する資産については、他の収用換地等された資産についての5,000万円損金算入の特例の適用の有無に関係なく、圧縮記帳の特例だけが適用される。
65の2-3 措置法第65条の2第1項に規定する5,000万円の額は、年を通ずる損金算入限度額であるから、次の場合における損金算入額の計算は、それぞれ次によることに留意する。(昭50年直法2-21「50」、平2年直法2-1「二十八」、平3年課法2-4「二十三」により改正)
(注)
65の2-3の2 措置法第64条の2第4項の規定に基づき引継ぎを受けた特別勘定を設けている合併法人等(同項に規定する合併法人等をいう。以下同じ。)が、当該特別勘定につき同条第7項又は第8項の規定により圧縮記帳を行う場合であっても、当該特別勘定の基礎となった収用換地等による譲渡は被合併法人等(被合併法人、分割法人又は現物出資法人をいう。)が行ったものであることから、当該被合併法人等が行った当該譲渡と同一の年に属する期間中に合併法人等が自ら行った収用換地等による譲渡については措置法第65条の2第1項の規定による5,000万円損金算入の特例の適用を受けることができることに留意する。(平14年課法2-1「五十」により追加、平22年課法2-7「二十三」により改正)
65の2-4 資産の収用換地等による譲渡につき土地収用法の規定による仲裁の申請に基づき仲裁判断があった場合若しくは補償金の支払の請求があった場合又は農地法の規定による転用等の許可を受けなければならない場合若しくは同法第5条第1項第6号の規定による届出をする場合には、その譲渡が最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までにされないときであっても、5,000万円損金算入の特例の適用があるが、この特例は、仲裁の申請若しくは補償金の支払請求又は農地の転用等の許可申請若しくは届出書の提出が最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までにされなかった場合には適用がないことに留意する。(昭50年直法2-21「51」、平3年課法2-4「二十三」、平15年課法2-7「六十一」、平21年課法2-5「二十一」、令2年課法2-17「二十五」、令5年課法2−8「十九」により改正)
65の2-5 土地収用法第46条の2第1項の規定により補償金の支払の請求ができる資産は、土地及び土地に関する所有権以外の権利に限られているが、これらの資産につき最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までに補償金の支払の請求があった場合には、これらの資産の上にある建物等の収用換地等による譲渡についても措置法第65条の2第3項第1号括弧書に規定する「補償金の支払の請求があった場合」に準じて取り扱う。(平19年課法2-3「四十一」、平23年課法2-17「三十四」により改正)
65の2-5の2 漁業協同組合又は漁業協同組合連合会(以下65の2-5の2において「組合等」という。)が有する団体漁業権又は入漁権(以下65の2-5の2において「団体漁業権等」という。)の消滅又は価値の減少(以下65の2-5の2において「消滅等」という。)により組合等の組合員が措置法第64条第1項第7号に掲げる補償金又は対価(以下65の2-5の2において「補償金等」という。)を取得する場合における措置法第65条の2第3項第1号の規定の適用については、団体漁業権等につき同号に規定する公共事業施行者から組合等に対して最初に買取り等の申出があった日から6月を経過した日後において当該組合員の組合員行使権(漁業法第105条に規定する組合員行使権をいい、当該買取り等の申出の対象となった団体漁業権等に係るものに限る。以下65の2-5の2において同じ。)の消滅等に伴う補償金等の額が確定した場合であっても、当該公共事業施行者と当該組合等の間で締結された当該団体漁業権等の消滅等に関する契約の効力が最初に買取り等の申出があった日から6月を経過した日までに生じているときは、当該組合員の組合員行使権の収用換地等による譲渡は、最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までにされているものとして取り扱う。(昭57年直法2-11「十四」により追加、平15年課法2-7「六十一」、令3年課法2-31「十」、令4年課法2−14「四十七」により改正)
(注) 組合等が有する団体漁業権等の消滅等により、当該組合等の組合員がその組合員行使権の消滅等に伴って取得する補償金等については、当該組合員に対する配分額が確定した日を含む事業年度の益金の額に算入することに留意する。
65の2-6 措置法令第39条の3第5項第3号の場合において、農地又は採草放牧地(以下65の2-7までにおいて「農地等」という。)の譲渡につき農地法第5条第1項の規定による許可の申請をした日後に当該許可を要しないこととなったときにおける同号に規定する「その要しないこととなった日」とは、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる日によるものとする。(昭57年直法2-11「十四」、平11年課法2-9「四十四」、平15年課法2-7「六十一」、平16年課法2-14「二十一」、平21年課法2-5「二十一」、平28年課法2-11「三十五」、令2年課法2-17「二十五」、令5年課法2−8「十九」により改正)
65の2-6の2 現物出資法人又は現物分配法人が最初に買取り等の申出を受けた場合において、現物出資又は現物分配によりその資産の移転を受けた被現物出資法人又は被現物分配法人が収用換地等による譲渡をしたときは、当該譲渡は、最初に買取り等の申出を受けた者以外の法人による譲渡に該当することから、当該現物出資又は現物分配が適格現物出資又は適格現物分配に該当するかどうかにかかわらず、当該譲渡につき措置法第65条の2第1項の規定の適用はないことに留意する。(平14年課法2-1「五十」により追加、平22年課法2-7「二十三」により改正)
(注) 適格合併又は適格分割があった場合の同項の規定の適用については、同条第3項第3号の規定によるのであるから留意する。
65の2-7 一の収用換地等に係る事業につき譲渡した資産のうちに農地法の規定による転用等の許可を受けなければならない農地等とその他の資産とがあり、これらの資産の収用換地等による譲渡が2以上の年にわたって行われた場合において、その他の資産の収用換地等による譲渡が行われた年にその農地等につき譲渡に関する契約が締結されており、かつ、その年にその農地等の収用換地等による譲渡があったものとして申告したときは、その農地等はその年において収用換地等による譲渡があったものとして取り扱う。
65の2-8 一の収用換地等に係る事業につき譲渡した資産のうちに土地(土地に関する所有権以外の権利を含む。以下65の2-8において同じ。)とその土地の上にある建物等とがあり、その土地の譲渡は権利取得裁決により、その建物等の譲渡は明渡裁決により行われたため、これらの資産の譲渡が2以上の年にわたった場合において、その建物等につき権利取得裁決前に明渡裁決の申立てをしており、かつ、その土地の譲渡があった年にその建物等の譲渡があったものとして申告したときは、その建物等はその年において収用等による譲渡があったものとして取り扱う。
65の2-9 土地収用法第16条に規定する関連事業は、本体事業から独立した別個の事業ではなく、本体事業に付随する事業として、本体事業とともに措置法第65条の2第3項第2号に規定する「一の収用換地等に係る事業」に該当することに留意する。
65の2-10 一の収用換地等に係る事業が次に掲げる場合に該当する場合において、その事業の施行につき合理的と認められる事情があるときは、次に掲げる地域ごとにそれぞれ別個の事業として措置法第65条の2第3項第2号の規定を適用するものとする。(昭57年直法2-11「十四」により改正)
65の2-11 受益者等課税信託(法第12条第1項に規定する受益者(同条第2項の規定により同条第1項に規定する受益者とみなされる者を含む。以下65の2-11において「受益者等」という。)がその信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされる信託をいう。)の信託財産に属する資産について措置法第65条の2第1項に規定する収用換地等による譲渡があった場合における同条の規定の適用に当たっては、次に掲げる事項は、それぞれ次によることに留意する。(平19年課法2-5「六」により追加)
65の2-12 公共事業施行者の買取り等の申出に関する事務に従事した者がその公共事業施行者の本店又は主たる事務所以外の営業所、事務所その他の事業場に勤務するものである場合には、保存する「買取り等の申出があったことを証する書類」は、当該営業所、事務所その他の事業場の長が発行したものによることができるものとする。(平19年課法2-5「六」、平30年課法2-12「二十二」により改正)
65の2-13 措置法第65条の2第1項の規定の適用に当たって、措置法規則第14条第5項第2号から第4号の2まで、第4号の5から第5号まで、第5号の12、第5号の13、第8号又は第11号の規定により、事業の施行者に代わり、事業の施行者以外の者(以下「代行買収者」という。)が資産の買取り等をする場合には、措置法規則第22条の3第3項第1号又は第2号に規定する「買取り等の申出があったことを証する書類」又は「買取り等があったことを証する書類」は当該資産の買取り等の申出又は買取り等をした代行買収者が発行するのであるが、措置法規則第14条第5項第2号から第4号の2まで、第4号の5から第5号まで、第5号の12、第5号の13、第8号又は第11号に規定する証明書は、これらの規定に規定する者が発行することに留意する。(昭50年直法2-21「52」、昭51年直法2-39「30」、昭52年直法2-33「46」、昭63年直法2-1「二十二」、平10年課法2-17「三十四」、平15年課法2-7「六十一」、平16年課法2-14「二十一」、平19年課法2-5「六」、平27年課法2-8「二十五」、平29年課法2-17「二十八」、令元年課法2-10「三十五」により改正)
65の2-14 措置法規則第22条の3第3項第2号に規定する「当該買取り等につき施行令第39条の3第5項各号に掲げる場合のいずれかに該当する場合」の「その旨を証する書類」とは、例えば、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次のものをいうのであるが、措置法規則第22条の3第3項第2号に規定する「公共事業施行者の買取り等の年月日及び当該買取り等に係る資産の明細を記載した買取り等があったことを証する書類」にそれぞれ次の(1)から(4)までの括弧書の日が記載されている場合で、当該書類を保存しているときには、措置法第65条の2の規定の適用がある。(平15年課法2-7「六十一」により追加、平19年課法2-5「六」、平23年課法2-17「三十四」、平30年課法2-12「二十二」により改正)