(買換資産を当該連結法人の事業の用に供したことの意義)

68の78(2)−1 連結法人が、その取得した買換資産について措置法第68条の78第1項の規定の適用を受けることができるのは、当該買換資産をその取得の日から1年以内に当該連結法人の事業の用に供した場合又は供する見込みである場合に限られるのであるが、この場合において当該連結法人の事業の用に供したかどうかの判定は、次による。
 同条第9項の規定の適用を受ける場合における分割法人等又は分割承継法人等の事業の用に供したかどうかの判定についても同様とする。

(1) 土地の上に当該連結法人の建物、構築物等の建設等をする場合においても、当該建物、構築物等が当該連結法人の事業の用に供されないときにおける当該土地は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。

(2) 空閑地(運動場、物品置場、駐車場等として利用している土地であっても、特別の施設を設けていないものを含む。)である土地、空屋である建物等は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。ただし、特別の施設は設けていないが、物品置場、駐車場等として常時使用している土地で当該連結法人の事業の遂行上通常必要なものとして合理的であると認められる程度のものは、この限りでない。

(3) 工場等の用地としている土地であっても、当該工場等の生産方式、生産規模等の状況からみて必要なものとして合理的であると認められる部分以外の部分の土地は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。

(4) 農場又は牧場等としている土地であっても、当該農場又は牧場等で行っている耕作、牧畜等の行為が社会通念上農業、牧畜業等に至らない程度のものであると認められる場合における当該土地又は耕作能力、牧畜能力等から推定して必要以上に保有されていると認められる場合における当該必要以上に保有されている土地は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。

(5) 植林されている山林を相当の面積にわたって取得し、社会通念上林業と認められる程度に至る場合における当該土地は当該連結法人の事業の用に供したものに該当するが、例えば、雑木林を取得して保有するにすぎず、林業と認められるに至らない場合における当該土地は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。

(6) 他に貸し付けている資産は、その貸付けが相当の対価を得て継続的に行われるものに限り、当該連結法人の事業の用に供したものに該当する。ただし、その貸付けを受けた者が正当な理由なく当該資産をその貸付けの目的に応じて使用していないこと、その貸付けを受けた者における当該資産の使用の状況が(1)、(2)の本文、(3)、(4)及び(5)の後段に該当すること等の事情があるため、その貸付けが専ら圧縮記帳の適用を受けることを目的として行われたと認められる場合は、この限りでない。

(7) 次に掲げるものは、相当の対価を得ていないものであっても、継続的に行われるものである限り、(6)にかかわらず、当該連結法人の事業の用に供したものに該当する。

イ 自己の商品等の下請工場、販売特約店等に対し、それらが商品等について加工、販売等をするために必要な施設として貸し付けるもの(その貸付けを受けた者がその貸付けの目的に応じて使用しているものに限る。)

ロ 工場、事業所等の従業員社宅(役員に貸与しているものを除く。)、売店等として貸し付けているもの

(注) 役員に貸与している社宅は、(6)の取扱いを適用することになる。

(買換資産を当該連結法人の事業の用に供した時期の判定)

68の78(2)−2 連結法人が、買換資産を当該連結法人の事業の用に供した日は、次に掲げるものは次により判定する。(平29年課法2−9「一」により改正)

(1) 土地等については、その使用の状況に応じ、それぞれ次に定める日による。

イ 新たに建物、構築物等の敷地の用に供するものは、当該建物、構築物等を当該連結法人の事業の用に供した日(次に掲げる場合には、その建設等に着手した日)

(イ) 当該建物、構築物等の建設等に着手した日から3年以内に建設等を完了して当該連結法人の事業の用に供することが確実であると認められる場合

(ロ) 当該建物、構築物等の建設等に着手した日から3年超5年以内に建設等を完了して当該連結法人の事業の用に供することが確実であると認められる場合(当該建物、構築物等の建設等に係る事業の継続が困難となるおそれがある場合において、国又は地方公共団体が当該事業を代行することにより当該事業の継続が確実であるものに限る。)

ロ 既に建物、構築物等の存するものは、当該建物、構築物等を当該連結法人の事業の用に供した日(当該建物、構築物等が当該土地等の取得の日前から当該連結法人の事業の用に供されており、かつ、引き続きその用に供されるものであるときは、当該土地等の取得の日)

ハ 建物、構築物等の施設を要しないものは、当該土地等をそのものの本来の目的のために使用を開始した日(当該土地等がその取得の日前から当該連結法人において使用されているものであるときは、その取得の日)

(2) 建物、構築物並びに機械及び装置については、そのものの本来の目的のために使用を開始した日(当該資産がその取得の日前から当該連結法人において使用されているものであるときは、その取得の日)による。

(適格合併等に係る合併法人等における供用事業)

68の78(2)−3 措置法第68条の78第1項又は第9項の規定は、同条第1項に規定する買換資産をその取得の日から1年以内に事業の用に供した場合又は供する見込みである場合に限り適用があるのであるが、適格合併等(適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配をいう。以下同じ。)に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人をいう。以下同じ。)が、当該買換資産を当該適格合併等により合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人をいう。以下同じ。)に移転する場合において、当該合併法人等が当該適格合併等により移転を受ける事業以外の事業の用に供する見込みであるときは、同条第1項又は第9項の規定の適用はないことに留意する。
 措置法第68条の79第1項又は第3項の規定の適用についても同様とする。(平22年課法2−7「三十五」により改正)

(注) 適格合併等により措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受けた買換資産の移転を受けた合併法人等が、当該適格合併等に係る被合併法人等が当該買換資産を取得した日から1年以内に、当該買換資産を当該合併法人等が当該適格合併等により移転を受けた事業の用に供しない場合又は供しなくなった場合には、合併法人等において同条第12項の規定に基づく取戻し課税の適用があるのであるから、留意する。