直審3−114
〃4−13
昭和55年4月15日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 標題のことについて、医薬品副作用被害救済基金理事長○○○○から別紙2のとおり照会があり、これに対して当庁直税部長名をもって別紙1のとおり回答したから了知されたい。


別紙1

直審3-113
直審4-12
昭和55年4月15日

医薬品副作用被害救済基金
理事長 ○○○○ 殿

国税庁直税部長
○○○○

 標題のことについて、お申出のとおり取扱うこととします。


別紙2

医基発第12号
昭和55年3月12日

国税庁長官 ○○○○ 殿

医薬品副作用被害救済基金
理事長 ○○○○

 医薬品の副作用による被害が近時大きな社会間題となっている現状にかんがみ、これらの被害者を救済するため医薬品副作用被害救済基金法(昭和54年法律第55号、以下「基金法」という。)が制定され、同法に基づき当該被害者に対し医薬品の副作用による被害に係る救済給付を行う機関として医薬品副作用被害救済基金(以下「救済基金」という。)が昭和54年10月15日に設立されたところである。
 当該救済給付の費用に充てるため医薬品製造業者及び輸入販売業者(以下「製造業者等」という。)は、基金法第31条の規定に基づき各年度その医薬品の総出荷数量等に応じた拠出金を救済基金に納付しなければならないこととされているが、これにより医薬品の製造業者等が納付する拠出金は、下記の理由により当該拠出金に係る申告書を提出した日(納入告知書により決定される拠出金については、納入告知書の送付を受けた日)の属する事業年度又は年の損金の額又は必要経費に算入することができるものと考えられるが、念のため貴見を得たく照会する。

1. 本件拠出金は医薬品の副作用による被害の救済給付等の費用に充てるため法律の規定に基づきその納付が強制されるものであること。

2. 本件拠出金により救済される者は医薬品の副作用に係る被害者であってその拠出者たる製造業者等は何らの受益もしないものであること。

3. 救済基金は製造業者等から完全に独立しており、拠出された拠出金の運用処分について製造業者等の支配は全く及ばず、また、将来救済基金が解散した場合であっても、その剰余金は製造業者等に返還されることはないこと。


別紙

1. 基金法は、医薬品の副作用に係る被害者に医療費、障害年金、遺族年金等の給付を行うことにより救済を図ることを目的として、昭和54年10月1日に公布・施行された。

2. 救済基金は、基金法に基づき設立された認可法人であり、上記の目的を達成するため次の業務を行う。

(1) 医薬品の副作用による疾病、廃疾又は死亡につきその被害者又は被害者の遺族等に対し医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金又は葬祭料の給付(以下「救済給付」という。)を行うこと。

(2) 救済給付等の費用に充てるために拠出金を徴収すること。

3. 救済の対象となる医薬品の副作用による被害は、医薬品がその使用目的に従って適正に使用されたにもかかわらずその副作用によって生じた被害であって、昭和55年5月1日以後使用された医薬品が原因となって発生したものに限られ、その賠償につき責任を有する者があることが明らかなものは除かれる。

4. 救済給付等救済基金の業務に必要な費用は、基本的には製造業者等が基金法第31条に基づき納付する拠出金(一般拠出金及び付加拠出金)によって賄われることを原則としている。

5. 一般拠出金は、毎年度製造業者等からその年度の7月31日(昭和54年度についてのみ翌年度の7月31日)までに救済基金に対して拠出金に係る申告書に添えて納付されるが、その拠出金の額は、製造業者等の前年度の医薬品の総出荷数量を基礎として算出した算定基礎取引額に拠出金率を乗じて計算される。

6. 拠出金率は、厚生大臣の認可を得て救済基金が定めるが、救済給付の費用を完全に確保し、もって医薬品の副作用に係る被害者の救済に万全を期すため、当該被害者に支給する救済給付の総額の現在価値を被害発生年度で拠出させるいわゆる完全積立方式として定めることとしている。
 なお、拠出金率は、医薬品の副作用に係る被害者の発生状況、副作用被害の治癒の状況、留保拠出金の運用利率等により救済給付の必要額が変動するので少なくとも5年ごとに見直しを行う。

7. 副作用被害の原因となった医薬品の製造業者等は5の一般拠出金に付加して、さらに一定の付加拠出金を納付しなければならない。

8. 製造業者等が拠出金に係る申告をしない場合については、救済基金が拠出金の額を決定し納入告知する。
 なお、製造業者等が拠出金を納付しない場合には、救済基金は国税の滞納処分の例により滞納処分を行うことができる。