企第250号
平成13年8月8日

国税庁

課税部長 村上喜堂 殿

社団法人生命保険協会
専務理事 諏訪 茂

 当協会の加盟会社の中には、下記の内容のがん保険(終身保障タイプ)及び医療保険(終身保障タイプ)を販売している会社があります。
 つきましては、法人が自己を契約者とし、役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)を被保険者としてがん保険(終身保障タイプ)及び医療保険(終身保障タイプ)に加入した場合の保険料の取扱いについては、以下のとおり取り扱って差し支えないか、貴庁の御意見をお伺いしたく御照会申し上げます。

<がん保険(終身保障タイプ)の概要>

(省 略)

<医療保険(終身保障タイプ)の概要>

1.主たる保険事故及び保険金

保険事故 保険金
災害による入院 災害入院給付金
病気による入院 病気入院給付金
災害又は病気による手術 手術給付金

(注) 保険期間の終了(保険事故の発生による終了を除く。)に際して支払う保険金はない。
 なお上記に加えて、ごく小額の普通死亡保険金を支払うものもある。

2.保険期間 終身

3.保険料払込方法 一時払、年払、半年払、月払

4.保険料払込期間 終身払込、有期払込

5.保険金受取人 会社、役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)

6.払戻金
この保険は、保険料は掛け捨てでいわゆる満期保険金はないが、保険契約の失効、告知義務違反による解除及び解約等の場合には、保険料の払込期間に応じた所定の払戻金が保険契約者に払い戻される。これは、保険期間が長期にわたるため、高齢化するにつれて高まる死亡率等に対して、平準化した保険料を算出しているためである。

<保険料の税務上の取扱いについて>

1.保険金受取人が会社の場合

(1) 終身払込の場合は、保険期間の終了(保険事故の発生による終了を除く。)に際して支払う保険金がないこと及び保険契約者にとって毎年の付保利益は一定であることから、保険料は保険期間の経過に応じて平準的に費用化することが最も自然であり、その払込の都度損金の額に算入する。

(2) 有期払込の場合は、保険料払込期間と保険期間の経過とが対応しておらず、支払う保険料の中に前払保険料が含まれていることから、生保標準生命表の最終の年齢「男性106歳、女性109歳」を参考に「105歳」を「計算上の満期到達時年齢」とし、払込保険料に「保険料払込期間を105歳と加入時年齢の差で除した割合」を乗じた金額を損金の額に算入し、残余の金額を積立保険料として資産に計上する。

(3) 保険料払込満了後は、保険料払込満了時点の資産計上額を「105歳と払込満了時年齢の差」で除した金額を資産計上額より取り崩して、損金の額に算入する。ただし、この取り崩し額は年額であるため、払込満了時が事業年度の中途である場合には、月数あん分により計算する。

2. 保険金受取人が役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)の場合

(1) 終身払込の場合は、保険期間の終了(保険事故の発生による終了を除く。)に際して支払う保険金がないこと及び保険契約者にとって毎年の付保利益は一定であることから、保険料は保険期間の経過に応じて平準的に費用化することが最も自然であり、その払込の都度損金の額に算入する。

(2) 有期払込の場合は、保険料払込期間と保険期間の経過とが対応しておらず、支払う保険料の中に前払保険料が含まれていることから、生保標準生命表の最終の年齢「男性106歳、女性109歳」を参考に「105歳」を「計算上の満期到達時年齢」とし、払込保険料に「保険料払込期間を105歳と加入時年齢の差で除した割合」を乗じた金額を損金の額に算入し、残余の金額を積立保険料として資産に計上する。

(3) 保険料払込満了後は、保険料払込満了時点の資産計上額を「105歳と払込満了時年齢の差」で除した金額を資産計上額より取り崩して、損金の額に算入する。ただし、この取り崩し額は年額であるため、払込満了時が事業年度の中途である場合には、月数あん分により計算する。

(4) ただし、役員又は部課長その他特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者としている場合には、当該役員又は使用人に対する給与とする。


法人契約の「がん保険(終身保障タイプ)・医療保険(終身保障タイプ)」の保険料の取扱いについて(法令解釈通達)

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法人が支払う「がん保険」(終身保障タイプ)の保険料の取扱いについて(法令解釈通達)(PDF/175KB)