1 強制執行又は競売が開始されている航空機に対する滞納処分

 強制執行又は競売が開始されている航空機に対する滞納処分については、強制競売の開始決定があった不動産に対する滞納処分に関する第29条関係から第33条関係までに定めるところに準ずる(令26条及び規則40条において準用する法25条、26条1項及び3項、27条1項、29条2項、30条、31条、32条、33条2項、令24条1項(令18条から22条までを準用))。
 なお、航空機登録証明書等の取扱いは、第35条関係2に定めるところに準ずるものとする(令26条において準用する令24条2項、規則40条において準用する規則38条2項)。

(注) 上記の場合には、第35条関係2の(3)の通知は、運輸大臣(送付先は、国土交通省航空局)に対して行うことに留意する(執行規則84条参照)。

2 仮差押えの執行がされている航空機に対する滞納処分

 滞納処分は、仮差押えの執行によりその執行を妨げられない(徴収法140条参照)から、仮差押えの執行がされた航空機に対しても滞納処分による差押え及び換価等の手続を進めることができる。この場合には、仮差押えの執行の方法に応じ、次により取扱う。

(1) 仮差押えの登録をする方法による仮差押えの執行がされている場合
 仮差押えの登録をする方法による仮差押えの執行(航空機登録証明書等の取上げを命ずる方法を併用する場合を含む。)がされた航空機に対して滞納処分による差押えをした場合には、仮差押えの執行がされた不動産に対する滞納処分に関する第34条関係(1を除く。)に定めるところに準じて取扱う(令26条及び規則40条において準用する法18条2項及び3項、31条、34条2項、令24条の2(令10条及び18条を準用)、規則40条において準用する規則38条の2(規則37条を準用))。

(注) 航空機登録証明書等の取上げを命ずる方法を併用した場合における航空機登録証明書等の取扱いは、第35条関係3の(2)の口に定めるところに準ずる。

(2) 航空機登録証明書等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行がされている場合
 航空機登録証明書等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行がされた航空機に対して滞納処分による差押えをした場合には、船舶国籍証書等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行がされた船舶で登記されるものに対する滞納処分に関する第35条関係3の(2)に定めるところに準じて取扱う。

3 強制執行又は競売が開始されている自助車等に対する滞納処分

 強制執行又は競売が開始されている自動車等に対する滞納処分については、次に定めるところによるほか、強制競売の開始決定があった不動産に対する滞納処分に関する第29条関係から第33条関係までに定めるところに準ずる(令27条1項及び規則41条において準用する法25条、26条1項及び3項、27条1項、29条2項、30条、31条、32条、33条2項、令18条から21条まで)。

(1) 徴収職員は、強制執行又は競売が開始された後に滞納処分による差押えをした自動車等を占有した場合には、滞納処分による差押えの際債権者、債務者、所有者及び執行規則第176条第2項(同規則177条において準用する場合を含む。)において準用する執行規則第174条第2項の規定により引渡しを命じられている占有者以外の第三者が占有していた自動車等で、その者が執行官に引渡すことを拒んだときを除き、その自動章等を執行官に引渡さなければならない。この場合における引渡しの手続等は、第5条関係(3の(4)、4の(2)及び8を除く。)に定めるところに準ずる(令27条1項において準用する法5条1項、令3条1項及び・2項)。

(注)

1 自動車の差押えに当り、自動車検査証等を取上げているときは、それを自動車と一体のものとして取扱うものとする。

2 徴収職員は、自動車等を執行官に引渡した場合には、その旨を滞納者に通知するものとする。

(2) 上記(1)により執行官に引渡した自動車等につき強制競売若しくは競売の申立てが取下げられ、若しくは強制競売若しくは競売の手続を取消す決定が効力を生じたとき又は滞納処分練行承認の決定があったときは、執行官は、執行裁判所の命令により自動車等を徴収職員に引渡すことになっている(規則41条2項)。この場合における引渡しを受ける手続等は、第23条関係に定めるところに準ずる(令27条2項において準用する令14条(4項後段を除く。))。

(3) 執行官が執行規則第89条第1項等の規定による開始決定により自動車等の引渡しを受けている場合において、滞納処分続行承認の決定があり、当該自動車等を滞納処分により換価するときは、徴収職員は、執行裁判所に対し、執行官に自動車等の引渡しを命ずることを請求し(令27条1項において準用する令12条の3第3項)、必ず引渡しを受ける。この場合における引渡しを受ける手続等は、第23条関係に定めるところに準ずる(令27条1項において準用する令12条の3集4項(令14条(4項後段を除く。)の準用)、22条)。

4 仮差押えの執行がされている自動車等に対する滞納処分

 滞納処分は、仮差押えの執行によりその執行を妨げられない(徴収法140条)から、仮差押えの執行がされている自動車等に対しても滞納処分による差押え及び換価等の手続を進めることができる。この場合には、仮差押えの執行の方法に応じ、次により取扱う。(平15徴徴4-3により改正)

(1) 仮差押えの登録をする方法による仮差押えの執行(自動車等の取上げを命ずる方法を併用する場合を含む。)がされている自動章等に対して滞納処分による差押えをした場合には、仮差押えの執行がされた不動産に対する滞納処分に関する第34条関係に定めるところに準じて取扱う(令28条1項及び規則42条において準用する法18条2項及び3項、31条、34条2項、令10条、18条)。

(注) 自動車等の取上げを命ずる方法を併用した場合における自動車等の取扱いは、(2)のイからハまでに定めるところに準ずる。

(2) 自動車等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行がされている場合
 自動車等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行がされている自動車等に対して滞納処分による差押えをした場合には、次に定めるところによるほか、仮差押えの執行がされた不動産に対する滞納処分に関する第34条関係3から5までに定めるところに準じて取扱う。

(注) 滞納処分による売却代金について、滞納者に交付すべき残余が生じた場合には滞納者に交付するものとする。

イ 執行官が自動車等の引渡しを受けている場合において、滞納処分による換価のため必要があるときは、徴収職員は、保全執行裁判所に対し、執行官にその自動車等の引渡しを命ずることを請求することができる(令28条1項において準用する令12条の3第3項)。

ロ 徴収職員は、上記イにより自動車等の引渡しを受けた場合において、滞納処分による差押えを解除すべきときは、その自動車等を執行官に引渡さなければならない。この場合における引渡しの手続等は、第5条関係(4の(2)及び8を除く。)に定めるところに準じて処理する(令28条2項において準用する法5条1項本文、令3条1項から3項まで)。

ハ 執行官が自動車等の引渡しを受けている場合において、自動車等に著しい価額の減少を生ずるおそれがあるとき又はその保管のため不相応な費用を要するときは、執行官は、その旨を徴収職員に通知することになっている。(最高裁通達七の3参照)ので、徴職員は、この通知を受けた場合には、換価の要否を検討した上、次により取扱うものとする。

(イ) 自動車等を換価する必要があるとさは、上記イによリ執行官からその引渡しを受けて換価する。

(ロ) 納税の猶予又は換価の猶予中であるなどの理由により、自動車等を換価することができない場合で、当該自動車等を換価しなくても徴収上弊害がないと認められるときは、差押えを解除するものとする。


目次

滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の逐条通達(国税庁関係)の全文改正について

引用の法令番号一覧表

主用省略用語一覧表