第3章 給与所得に係る源泉徴収

第1節 通則

(支給総額が確定している給与等を分割して支払う場合の税額の計算)

183〜193共−1 支給総額が確定している給与等を分割して支払う場合の各支払の際徴収すべき税額は、当該確定している支給総額に対する税額を各回の支払額にあん分して計算するものとする。

(支給総額が確定する前に給与等を支払う場合の税額の計算)

183〜193共−2 給与等の概算払をする場合のように、支給総額が確定する前に給与等を支払う場合の各支払の際徴収すべき税額は、最初に給与等を支払う際には、その支払額に対して法第185条又は第186条の規定を適用して計算し、第2回以後に給与等を支払う際には、その直前までに既に支払った給与等の累計額とその時に支払う給与等の額との合計額に対してこれらの条の規定を適用して計算した税額からその直前までに徴収した税額の累計額を控除して計算するものとする。

(派遣役員等の給与等に対する源泉徴収)

183〜193共−3 使用者が自己の役員又は使用人を他の者のもとに派遣した場合において、その派遣先が当該役員又は使用人に対して支払う給与等の一切を当該使用者に支払い、当該使用者から当該役員又は使用人に対して給与等を支払うこととしているときは、その派遣先が当該使用者に支払う給与等に相当する金額については源泉徴収を要しないものとする。

(船舶乗組員の給与等に対する源泉徴収)

183〜193共−4 船舶の乗組員の給与等を船長等にあらかじめ一括して前渡しし、航行中の船舶において船長等に支払わせることとしているような場合における当該給与等に対する源泉徴収は、次によるものとする。

(1) 当該給与等のうち毎月支払う固定給のように船長等に前渡しする際に各人ごとの支給額が明らかな部分については、それぞれ定められた支給日が到来する都度その到来した部分に係る徴収税額をその日の属する月の翌月10日までに納付する。

(2) 当該給与等のうち(1)以外の部分については、船長等が現実に当該給与等を支払う際(1)の給与等の部分を含めた支給総額につき計算した税額から(1)により徴収した税額を控除した税額を徴収し、国内に帰港した日の属する月の翌月10日までにその税額を納付する。

(給与改訂に伴う新旧給与の差額に対する税額の計算)

183〜193共−5 給与等の改訂が既往にさかのぼって実施された場合における新旧給与の差額については、その差額の総額を36−9の(3)に掲げる日の属する月の給与等として、法第185条又は第186条の規定により徴収税額を計算する。

(非常勤の政府職員の給与等に対する税額の計算)

183〜193共−6 一般職の職員の給与に関する法律第22条《非常勤職員の給与》に規定する常時勤務を要しない委員等に対する手当については、法第185条の規定により徴収税額を計算する。(平2直法6−5、直所3−6改正、平13課法8−2、課個2−7、平19課法9−9、課個2−20、課審4−32改正)

(過年分の課税漏れ給与等に対する税額の簡易計算)

183〜193共−8 過年分の課税漏れ給与等(年末調整を行うべき給与等に限る。)に対する源泉徴収税額は、当該給与等の額と当該年分の課税済の給与等との合計額について計算した法第190条第2号に掲げる税額から当該課税済の給与等の額について計算した同号に掲げる税額(当該課税済の給与等についてまだ年末調整をしていない場合には、当該課税済の給与等について法第185条及び第186条の規定により徴収した税額の合計額)を控除して計算して差し支えない。

(注) 上記の場合において、延滞税及び不納付加算税の額の計算の基礎となる各月ごとの課税漏れ給与等に係る税額は、上記により徴収すべき税額に、その年分の当該課税漏れ給与等の総額のうちに各月ごとの課税漏れ給与等の額の占める割合を乗じて求めた額とする。