(返品により減少した収入金額の処理)

51−18 令第141条第1号《必要経費に算入される損失の生ずる事由》に規定する販売した商品の返戻により減少することとなる収入金額は、その商品の返戻につき、その発送をした旨の通知を受けた日(その商品の返戻について承諾を必要とする場合には、その承諾をした日)の属する年分の総売上高から控除する。ただし、その者が継続して同一の経理を行うときは、その商品を受け取った日の属する年分の総売上高から控除して差し支えない。(平11課所4−1改正)

(農地の転用、移転が不許可になったことなどにより返還した仲介手数料等)

51−19 不動産売買業者の仲介又は譲渡に係る農地についてその転用若しくは移転の許可が得られなかったこと、又はその転用若しくは移転の届出が受理されなかったことにより、その不動産業者が返還した仲介手数料又は譲渡代金は、令第141条第3号の規定によりその返還した日の属する年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することに留意する。(平11課所4−1改正)


(返品債権特別勘定の設定)

51−20 出版業を営む者で青色申告書を提出する居住者のうち、常時、その販売する出版業に係る棚卸資産の大部分につき、一定の特約を結んでいるもの(以下この項において「特定事業者」という。)が、雑誌(週刊誌、旬刊誌、月刊誌等の定期刊行物に限る。以下51−21までにおいて同じ。)の販売に関し、その取次業者又は販売業者(以下この項においてこれらの者を「販売業者」という。)との間に次の(1)及び(2)に掲げる事項を内容とする特約を結んでいる場合には、その販売した年において51−21に定める繰入限度額以下の金額を返品債権特別勘定に繰り入れ、その繰り入れた金額に相当する金額をその年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。(平11課所4−1、平30課個2−19、課審5−2改正)

(1) その年12月31日において販売業者がまだ販売していない雑誌(その年最後の発行に係るものを除く。以下51-21までにおいて「店頭売れ残り品」という。)に係る売掛金に対応する債務を同日において免除すること。

(2) 店頭売れ残り品をその年12月31日において当該特定事業者に帰属させること。

(注)  一定の特約とは、次に掲げる事項を内容とする特約とする。

(1) 販売業者からの求めに応じ、その販売した棚卸資産を当初の販売価額によって無条件に買い戻すこと。

(2) 販売業者において、当該特定事業者から棚卸資産の送付を受けた場合にその注文によるものかどうかを問わずこれを購入すること。

(返品債権特別勘定の繰入限度額)

51−21 返品債権特別勘定の繰入限度額は、次のいずれかの金額とする。(平11課所4−1、平30課個2−19、課審5−2改正)

(1) その年12月31日における雑誌の販売に係る売掛金(その年最後の発行に係るものを除く。)の帳簿価額の合計額に当該雑誌の返品率を乗じて計算した金額から店頭売れ残り品の同日における価額に相当する金額を控除した金額

(2) その年12月31日以前2月間における雑誌の販売の対価の額(その年最後の発行に係るものを除く。)の合計額に当該雑誌の返品率を乗じて計算した金額から店頭売れ残り品の同日における価額に相当する金額を控除した金額

(注) 上記(1)及び(2)の返品率とは、その年及びその前年における当該雑誌の販売の対価の額の合計額のうちに51−20(注)1に規定する特約に基づく当該雑誌の買戻しに係る対価の額の合計額の占める割合をいう。

(返品債権特別勘定の金額の総収入金額算入)

51−22 返品債権特別勘定の金額は、その繰り入れた年の翌年分の事業所得の金額の計算上総収入金額に算入する。(平11課所4−1改正)

(明細書の添付)

51−23 返品債権特別勘定への繰入れを行う場合には、その繰入れを行う年分に係る確定申告書に、返品債権特別勘定の繰入額の計算に関する明細を記載した書類を添付するものとする。(平11課所4−1改正)