(償却費が一定の金額に達したかどうかの判定)

49−47 減価償却資産の償却費が令第134条第1項第1号イからホ及び第2号イからハに定める金額に達したかどうかは、次に掲げる資産の区分に応じ、それぞれ次に掲げる区分ごとに判定するものとする。(昭46直審(所)19、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26、平19課個2−31、課審4−44、平20課個2−17、課審4−186、課法9−3改正)

(1) 旧定額法、旧生産高比例法、定額法若しくは生産高比例法により償却費の額を計算している総合償却資産又はその総合償却資産につき計算された償却費の額を合理的基準により個々の資産に配賦している総合償却資産  個々の資産

(2) (1)以外の総合償却資産  1個の総合償却資産とされる設備又は構築物

(3) 49-45に定める個別償却資産  規則第33条に規定する区分

(4) (3)以外の個別償却資産  個々の資産

(償却累積額による償却限度額の特例の償却を行う減価償却資産に資本的支出をした場合)

49−48 令第134条第2項の規定の適用を受けた減価償却資産について資本的支出をし、令第127条第2項の規定を適用した場合には、その適用した後の取得価額及び未償却残額を基礎として減価償却を行うのであるから留意する。(昭55直所3−19、直法6−8追加、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)

(注) 令第127条第2項の規定を適用した後の未償却残額が、その適用した後の取得価額の5%相当額を超える場合には、令第134条第2項の規定の適用を受けることができないことに留意する。

(堅牢な建物等に資本的支出をした場合の減価償却)

49−48の2 令第134条の2第1項の規定により償却をしている減価償却資産について、資本的支出をし、令第127条第2項の規定を適用した場合には、その後の償却費は、次により計算するものとする。(昭55直所3−19、直法6−8、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)

(1) 令第127条第2項の規定を適用した後の未償却残額が当該適用した後の取得価額の5%相当額以下となるときは、当該未償却残額を基礎とし、その時から法定耐用年数の30%に相当する年数により計算する。

(2) 令第127条第2項の規定を適用した後の未償却残額が当該適用した後の取得価額の5%相当額を超えるときは、その5%相当額に達するまでは法定耐用年数により計算し、その5%相当額に達した後は令第134条の2第1項により法定耐用年数の30%に相当する年数により計算することができる。


(劣化資産)

49−49 生産設備の本体の一部を構成するものではないが、これと一体となって繰り返し使用される資産で、数量的に減耗し、又は質的に劣化する次のようなもの(以下49−53までにおいて「劣化資産」という。)に係る取得価額の必要経費算入等については、49−50から49−53までに定めるところによる。

(1) 冷媒

(2) 触媒

(3) 熱媒

(4) 吸着材及び脱着材

(5) 溶剤及び電解液

(6) か性ソーダ製造における水銀

(7) 鋳物製造における砂

(8) 亜鉛鉄板製造における溶融鉛

(9) アルミニューム電解用の陽極カーボン及び氷晶石

(棚卸資産とすることができる劣化資産)

49−50 劣化資産のうち、製造工程において生産の流れに参加し、かつ、中間生産物の物理的又は化学的組成となるものについては、これを棚卸資産として経理することができる。

(注) 49−49の(5)又は(6)に掲げるものがこれに該当する。

(一時に取り替える劣化資産の取得価額の必要経費算入)

49−51 劣化資産(49−50により棚卸資産として経理したものを除く。以下49−53までにおいて同じ。)のうち、主として質的に劣化するなどのため一の設備に使用されている数量の全部が一時に取り替えられるものの取得価額については、次により必要経費に算入する。(平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)

(1) 事業の開始又は拡張に際し投入したものについては、その取得価額を資産に計上し、その取得価額から取替えの時における処分見込価額を控除した金額をその投入の時から取替えの時までの期間を基礎として旧定額法、旧生産高比例法、定額法又は生産高比例法に準じて償却する。

(2) 一の設備に使用されている数量の全部を取り替えた場合には、その取替えに際し投入したものの取得価額を資産に計上して(1)により償却し、取り除いたものについてはその未償却残額からその取替えの時における処分見込価額を控除した金額を必要経費に算入する。

(3) 劣化等による減耗分の補充をした場合には、その補充のために投入したものの取得価額をその投入の都度必要経費に算入する。

(一時に取り替えないで随時補充する劣化資産の取得価額の必要経費算入)

49−52 劣化資産のうち、主として数量的に減耗し、その減耗分を補充することにより長期間にわたりおおむね同様な状態において事業の用に供することができるものの取得価額については、継続して同一の方法によるときは、次のいずれかの方法により必要経費に算入することができる。

(1) 事業の開始又は拡張に際し投入したものの取得価額を資産に計上し、その資産の減耗分の補充のために投入したものの取得価額をその投入の都度必要経費に算入する方法

(2) 事業の開始又は拡張に際し投入したものの取得価額を資産に計上し、その取得価額の50%相当額に達するまで減耗率により計算した減価の額を各年分の必要経費に算入するとともに、その資産の減耗分の補充のために投入したものの取得価額をその投入の都度必要経費に算入する方法

(3) 事業の開始又は拡張に際し投入したものの取得価額を資産に計上し、その資産の減耗分の補充をしたときは、その補充のために投入したものの取得価額を資産に計上するとともに、その投入の直前までに投入した資産の取得価額の累計額のうちの減耗分に対応する金額を必要経費に算入する方法

(4) 各年の12月31日において有する劣化資産を棚卸資産の評価方法に準じて評価する方法

(少額な劣化資産の必要経費算入)

49−53 劣化資産のうち、一の設備に通常使用される劣化資産の取得価額が少額(おおむね60万円未満)なものは、その投入の都度その取得価額を必要経費に算入することができる。(昭55直所3−19、直法6−8、平元直所3−14、直法6−9、直資3−8改正)


(年の中途で譲渡した減価償却資産の償却費の計算)

49−54 年の中途において、一の減価償却資産について譲渡があった場合におけるその年の当該減価償却資産の償却費の額については、当該譲渡の時における償却費の額を譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に含めないで、その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入しても差し支えないものとする。(平13課個2−30、課資3−3、課法8−9追加)

(注) 当該減価償却資産が令第6条第1号、第2号及び第8号に掲げる建物及びその附属設備、構築物及び無形固定資産である場合には、当該償却費の額について譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に含める場合とその年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する場合では、事業税における所得の計算上の取扱いが異なる場合があることに留意する。