(少額の減価償却資産又は一括償却資産であるかどうかの判定)

49−39 令第138条又は第139条の規定を適用する場合において、取得価額が10万円未満又は20万円未満であるかどうかは、通常1単位として取引されるその単位、例えば、機械及び装置については1台又は1基ごとに、工具、器具及び備品については1個、1組又は1そろいごとに判定し、構築物のうち例えば枕木、電柱等単体では機能を発揮できないものについては、社会通念上一の効用を有すると認められる単位ごとに判定する。(昭51直所3−1、直法6−1、直資3−1、平11課所4−1改正)

(一時的に貸付けの用に供した減価償却資産)

49−39の2 令第138条又は第139条の規定の適用上、居住者が減価償却資産を貸付けの用に供したかどうかはその減価償却資産の使用目的、使用状況等を総合勘案して判定されるものであるから、例えば、一時的に貸付けの用に供したような場合において、その貸付けの用に供した事実のみをもって、その減価償却資産がこれらの規定に規定する貸付けの用に供したものに該当するとはいえないことに留意する。(令4課個2-13、課法12-16、課審5-9追加)

(主要な業務として行われる貸付けの例示)

49−39の3 規則第34条の2((少額の減価償却資産の主要な業務として行う貸付けの判定))(規則第34条の3((一括償却資産の主要な業務として行う貸付けの判定))において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用上、次に掲げる貸付けには、例えば、それぞれ次に定めるような行為が該当する。(令4課個2-13、課法12-16、課審5-9追加)

(1) 規則第34条の2第1項第1号に掲げる貸付け 居住者が自己の下請業者に対して、当該下請業者の専ら当該居住者のためにする製品の加工等の用に供される減価償却資産を貸し付ける行為

(2) 同項第2号に掲げる貸付け 小売業を営む居住者がその小売店の駐車場の遊休スペースを活用して自転車その他の減価償却資産を貸し付ける行為

(3) 同項第3号に掲げる貸付け 不動産貸付業を営む居住者がその貸し付ける建物の賃借人に対して、家具、電気機器その他の減価償却資産を貸し付ける行為

(注) 本文の(1)から(3)までに定める行為であっても、同条第2項に規定する場合に該当するものは、令第138条第1項又は第139条第1項に規定する主要な業務として行われる貸付けに該当しないことに留意する。

(使用可能期間が1年未満の減価償却資産の範囲)

49−40 令第138条に規定する使用可能期間が1年未満であるものとは、その者の営む業務に属する業種(例えば、紡績業、鉄鋼業、建設業等の業種)において種類等を同じくする減価償却資産の使用状況、補充状況等を勘案して一般的に消耗性のものとして認識されている減価償却資産で、その者の平均的な使用状況、補充状況等からみてその使用可能期間が1年未満であるものをいう。この場合において、種類等を同じくする減価償却資産のうちに、材質、型式、性能等が著しく異なるため、その使用状況、補充状況等も著しく異なるものがあるときは、当該材質、型式、性能等の異なるものごとに判定することができる。(昭51直所3−1、直法6−1、直資3−1改正)

(注) 平均的な使用状況、補充状況等は、おおむね過去3年間の平均値を基準として判定する。

(一括償却資産につき滅失等があった場合の取扱い)

49−40の2 令第139条第1項に規定する一括償却資産につき同項の規定の適用を受けている場合には、その一括償却資産を業務の用に供した年以後3年間の各年においてその全部又は一部につき滅失、除却等の事実が生じたときであっても、当該各年においてその一括償却資産につき必要経費に算入する金額は、同項の規定に従い計算される金額となることに留意する。(平11課所4−1追加)

(注) 一括償却資産の全部又は一部を譲渡した場合についても、同様とする。

(一括償却資産につき相続があった場合の取扱い)

49−40の3 令第139条第1項に規定する一括償却資産につき同項の規定の適用を受けている居住者が死亡し、当該規定に従い計算される金額のうち、その死亡した日の属する年以降の各年分において必要経費に算入されるべき金額がある場合には、当該金額は当該居住者の死亡した日の属する年分の必要経費に算入するものとする。
 ただし、居住者が死亡した日の属する年以後の各年分において必要経費に算入されるべき金額があり、かつ、同項に規定する業務を承継した者がある場合の当該金額の取扱いは、同項の規定に従い計算される金額を限度として次によることとして差し支えないものとする。 (平12課所4−30追加)

(1) 当該居住者の死亡した日の属する年
 当該居住者の必要経費に算入する。

(2) 当該居住者の死亡した日の属する年の翌年以後の各年分
 当該業務を承継した者の必要経費に算入する。

(現金主義の場合の少額の減価償却資産の取得価額)

49−41 法第67条《小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期》の規定の適用を受けている者が令第138条第1項に規定する減価償却資産を取得した場合には、当該減価償却資産の取得価額に相当する金額のうちその支出した金額を当該支出をした日の属する年分のその業務に係る所得の金額の計算上、必要経費に算入する。(昭51直所3−1、直法6−1、直資3−1追加、平11課所4−1、令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)

(総合償却資産について一部の除却等があった場合の償却費の計算)

49−42 総合償却資産(機械及び装置並びに構築物で、当該資産に属する個々の資産の全部につき、その償却の基礎となる価額を個々の資産の全部を総合して定められた耐用年数により償却することとされている減価償却資産をいう。以下49−47までにおいて同じ。)の一部について除却、取壊し又は滅失(以下49−46までにおいて「除却等」という。)があった場合には、その後における当該資産に係る償却費の計算の基礎となる取得価額及び未償却残額は、その除却等があった直前の取得価額及び未償却残額から当該除却等に係る個々の資産の取得価額及び未償却残額を控除した金額によることに留意する。

(注) 除却等があった後、その除却等に係る個々の機械等を補充した場合には、その補充のために要した金額は、その総合償却資産の取得価額に加算される。

(総合償却資産の償却費の計算)

49−42の2 旧定額法、旧生産高比例法、定額法又は生産高比例法により総合償却資産の償却費の額を計算している場合には、その総合償却資産につき計算された償却費の額を合理的基準により個々の資産に配賦するものとし、その者が合理的基準により配賦をしていないときは、その総合償却資産につき適用される耐用年数を基礎として、個々の資産ごとに償却費の額を計算するものとする。(昭46直審(所)19追加、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)

(総合償却資産の除却価額)

49−43 旧定額法、旧生産高比例法、定額法及び生産高比例法以外の方法により償却費の額を計算している総合償却資産の一部について除却等があった場合に当該総合償却資産の未償却残額から控除する当該除却等に係る個々の資産の未償却残額は、その除却等に係る個々の資産が含まれていた総合償却資産の総合耐用年数を基礎として計算される除却等の時における未償却残額に相当する金額とする。ただし、当該未償却残額に相当する金額が当該個々の資産の通常の使用可能期間を基礎として計算される除却等の時における未償却残額に満たないことが明らかな場合には、当該通常の使用可能期間を基礎として計算される除却等の時における未償却残額に相当する金額とする。(昭46直審(所)19、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26、平20課個2−17、課審4−186、課法9−3、平24課個2−11、課審4−8改正)

(注) 個々の資産の通常の使用可能期間とは、機械及び装置については「機械装置の個別年数と使用時間表」の「機械及び装置の細目と個別年数」の「同上算定基礎年数」を基礎として見積もられる耐用年数により、構築物については耐用年数通達付表3又は付表4に定める個別耐用年数による。ただし、その除却等に係る個々の資産がこれらの表に掲げられていない場合には、当該資産と種類等を同じくする資産又は当該資産に類似する資産の個別耐用年数を基礎として見積もられる通常の使用可能期間の年数とする。
 なお、個々の資産の属する総合償却資産について耐用年数の短縮の承認を受けているものがある場合には、その承認を受けた耐用年数の算定の基礎となった個々の資産の耐用年数とする。

(個々の資産ごとの償却費が計算されている場合の除却価額の特例)

49−44 旧定額法、旧生産高比例法、定額法及び生産高比例法以外の方法により償却費の額を計算している総合償却資産の一部について除却等があった場合において、その除却等に係る個々の資産が、その総合償却資産につき適用される耐用年数を基礎として償却費を計算している資産であるとき、又はその総合償却資産につき計算された償却費を合理的基準により除却等に係る個々の資産に配賦した資産であるときは、その資産に係る未償却残額は、49−43にかかわらず、その計算又は配賦されている償却費を基として計算することができるものとする。(昭46直審(所)19、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)

(個々の資産ごとの取得価額等が明らかでない個別償却資産の除却価額)

49−45 個別償却資産(総合償却資産以外の減価償却資産をいう。以下49−47において同じ。)のうち、多量に保有している工具、器具及び備品のような資産で、個々の資産ごとのその取得時期及び取得価額を明らかにすることが困難なため規則第33条第1項に規定する区分ごとに償却費を計算しているものについて、その一部の除却等があった場合には、当該除却等に係る資産の当該除却等の時における未償却残額は、1円とする。(平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26、平20課個2−17、課審4−186、課法9−3改正)

(注) 多量に保有する減価償却資産のうちその除却等をした資産と種類、構造又は用途及び細目を同じくするもの(以下この項において「多量保有資産」という。)の前年の12月31日(以下この項において「基準時」という。)における未償却残額からその除却等に係る多量保有資産の本文の取扱いによった未償却残額を控除した残額が、次に掲げる算式により計算した金額を超える場合には、その超える部分の金額を当該除却等のあった年の必要経費に算入しているときは、これを認める。

(当該除却等のあった年の前年中に取得した多量保有資産の取得価額の合計額)÷(当該年の前年中に取得した多量保有資産の数量)×基準時における多量保有資産の数量のうち除却等の対象とならなかった数量

(除却数量が明らかでない貸与資産の除却数量の推定)

49−46 著しく多量に保有され、かつ、その相当部分が貸与されている資産で、その貸与されているものの実在、除却等の状況を個別に管理することができないためその年において除却等のあったものの全部を確認することができないものについては、過去における除却等の実績を基にするなど、合理的な方法により、その年において除却等のあった数量を推計することができるものとする。

(個別管理が困難な少額資産の除却処理等の簡便計算)

49−46の2 その取得価額が少額(おおむね40万円未満)で個別管理が困難な工具又は器具及び備品について、例えば、種類、構造又は用途及び細目、年分並びに償却方法の区分(以下この項において「種類等の区分」という。)ごとの計算が可能で、その除却数量が明らかにされているものについて、その種類等の区分を同じくするものごとに一括して償却費を計算するとともに、その取得の時期の古いものから順次除却するものとして計算した場合の未償却残額によりその除却価額を計算する方法により継続してその減価償却費の額及び除却価額の計算を行っている場合には、これを認める。(昭55直所3−19、直法6−8追加、平元直所3−14、直法6−9、直資3−8、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)

(追加償却資産に係る除却価額)

49−46の3 令第127条第5項の規定の適用を受けた一の減価償却資産を構成する各追加償却資産の一部に除却等があった場合には、当該除却等に係る追加償却資産を一の資産として、その除却等に係る資産の当該除却等の時における未償却残額を計算することに留意する。この場合において、その未償却残額は、49−18の2の(1)又は(2)の取扱いに準じて計算した金額による。(平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26追加)