(その他雑所得の例示)

35-1 次に掲げるようなものに係る所得は、その他雑所得(公的年金等に係る雑所得及び業務に係る雑所得以外の雑所得をいう。)に該当する。(平8課法8-2、課所4-5、平11課所4-1、平22課個2-25、課審4-45、平23課個2-33、課法9-9、課審4-46、平27課個2-11、課法10-16、課審5-7、令4課個2-21、課資3-10、課審5-13改正)

  1. (1) 法人の役員等の勤務先預け金の利子で利子所得とされないもの
  2. (2) いわゆる学校債、組合債等の利子
  3. (3) 定期積金に係る契約又は銀行法第2条第4項《定義等》の契約に基づくいわゆる給付ほてん
  4. (4) 通則法第58条第1項《還付加算金》又は地方税法第17条の4第1項《還付加算金》に規定する還付加算金
  5. (5) 土地収用法第90条の3第1項第3号《加算金の裁決》に規定する加算金及び同法第90条の4《過怠金の裁決》に規定する過怠金
  6. (6) 人格のない社団等の構成員がその構成員たる資格において当該人格のない社団等から受ける収益の分配金(いわゆる清算分配金及び脱退により受ける持分の払戻金を除く。)
  7. (7) 法人の株主等がその株主等である地位に基づき当該法人から受ける経済的な利益で、24-2により配当所得とされないもの
  8. (8) 令第183条第1項((生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算上控除する保険料等))、令第184条第1項((損害保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算上控除する保険料等))、令第185条((相続等に係る生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算))及び令第186条((相続等に係る損害保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算))の規定の適用を受ける年金
  9. (9) 役務の提供の対価が給与等とされる者が支払を受ける法第204条第1項第7号《源泉徴収義務》に掲げる契約金
  10. (10) 就職に伴う転居のための旅行の費用として支払を受ける金銭等のうち、その旅行に通常必要であると認められる範囲を超えるもの
  11. (11) 役員又は使用人が自己の職務に関連して使用者の取引先等からの贈与等により取得する金品
  12. (12) 譲渡所得の基因とならない資産の譲渡から生ずる所得(営利を目的として継続的に行う当該資産の譲渡から生ずる所得及び山林の譲渡による所得を除く。)

(業務に係る雑所得の例示)

35-2 次に掲げるような所得は、事業所得又は山林所得と認められるものを除き、業務に係る雑所得に該当する。(平元直所3-14、直法6-9、直資3-8、令4課個2-21、課資3-10、課審5-13改正)

  1. (1) 動産(法第26条第1項《不動産所得》に規定する船舶及び航空機を除く。)の貸付けによる所得
  2. (2) 工業所有権の使用料(専用実施権の設定等により一時に受ける対価を含む。)に係る所得
  3. (3) 温泉を利用する権利の設定による所得
  4. (4) 原稿、さし絵、作曲、レコードの吹き込み若しくはデザインの報酬、放送謝金、著作権の使用料又は講演料等に係る所得
  5. (5) 採石権、鉱業権の貸付けによる所得
  6. (6) 金銭の貸付けによる所得
  7. (7) 営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生ずる所得
  8. (8) 保有期間が5年以内の山林の伐採又は譲渡による所得

(注) 事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。
 なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得(資産(山林を除く。)の譲渡から生ずる所得については、譲渡所得又はその他雑所得)に該当することに留意する。

(年金に代えて支払われる一時金)

35-3 令第183条第1項、令第184条第1項、令第185条又は令第186条の規定の対象となる年金の受給資格者に対し当該年金に代えて支払われる一時金のうち、当該年金の受給開始日以前に支払われるものは一時所得の収入金額とし、同日後に支払われるものは雑所得の収入金額とする。ただし、同日後に支払われる一時金であっても、将来の年金給付の総額に代えて支払われるものは、一時所得の収入金額として差し支えない。(昭49直所2-23追加、平元直所3-14、直法6-9、直資3-8、平22課個2-25、課審4-45改正)

(注) 死亡を給付事由とする生命保険契約等の給付事由が発生した場合において当該生命保険契約等に基づく年金の支払に代えて受給開始日以前に支払われる一時金については、9-18参照。

(生命保険契約等又は損害保険契約等に基づく年金に係る所得金額の計算上控除する保険料等)

35-4 令第183条第1項第2号ロ又は第184条第1項第2号ロに規定する保険料又は掛金の総額(令第183条第4項又は第184条第3項の規定の適用後のもの。)には、以下の保険料又は掛金の額が含まれる。(昭49直所2-23、平11課所4-1、平24課個2-11、課審4-8改正)

  1. (1) その年金の支払を受ける者が自ら支出した保険料又は掛金
  2. (2) 当該支払を受ける者以外の者が支出した保険料又は掛金であって、当該支払を受ける者が自ら負担して支出したものと認められるもの

(注) 使用者が支出した保険料又は掛金で36―32により給与等として課税されなかったものの額は、上記(2)に含まれる。

(年金の種類の判定)

35-4の2 令第185条の規定の適用において、その年に支払を受ける生命保険契約等に基づく年金が同条に規定する確定年金、終身年金、有期年金、特定終身年金又は特定有期年金であるかどうかは、当該年金の支払を受ける者の当該年金の令第185条第1項第1号に規定する支払開始日の現況において判定することに留意する。
 令第186条の規定の適用において、その年に支払を受ける損害保険契約等に基づく年金が同条に規定する確定型年金又は特定有期型年金であるかどうかの判定も同様であることに留意する。(平22課個2-25、課審4-45追加)

(保証期間における当初年金受取人の契約年額と当初年金受取人以外の者の契約年額が異なる場合)

35-4の3 その年に支払を受ける生命保険契約等に基づく年金が令第185条第1項第4号に規定する特定終身年金又は同項第5号に規定する特定有期年金である場合において、支給総額見込額の計算の基礎となる年数が保証期間年数とされるもので、同項第8号に規定する当初年金受取人に係る契約年額と当初年金受取人の死亡後その親族その他の者(以下、この項において「当初年金受取人以外の者」という。)に係る契約年額とが異なるときにおける同条の規定の適用については、当該支給総額見込額は、当初年金受取人の契約年額に当初年金受取人に係る支払開始日余命年数を乗じて計算した金額と当初年金受取人以外の者の契約年額に保証期間年数と当該支払開始日余命年数との差に相当する年数を乗じて計算した金額の合計額とする。
 令第186条の規定の適用において、その年に支払を受ける損害保険契約等に基づく年金が同条第1項第2号に規定する特定有期型年金である場合も同様であることに留意する。(平22課個2-25、課審4-45追加)

(受給者が掛金を拠出することにより退職後その使用者であった者から支給される年金)

35-5 在職中に使用者に対して所定の掛金を拠出することにより退職後当該使用者であった者から支給される年金は、法第35条第3項第2号に規定する公的年金等とする。この場合において、その公的年金等の収入金額は、その年中に支給される年金の額から受給者が拠出した掛金(支給開始日までにその掛金の運用益として元本に繰り入れられた金額を含む。)の額を基として令第82条の3《確定給付企業年金の額から控除する金額》の規定に準じて計算した金額を控除した金額による。(昭63直法6-1、直所3-1追加、平14課個2-22、課資3-5、課法-10、課審3-197改正)

(注) 上記後段のかっこ内の「掛金の運用益として元本に繰り入れられた金額」については、30-3の(注)参照

(年金の支給開始日以後に分配を受ける剰余金)

35-6 令第82条の3第1項本文かっこ内に規定する剰余金額については、当該金額そのままが法第35条第3項第3号に規定する公的年金等の収入金額となることに留意する。(昭63直法6-1、直所3-1追加)

(転籍前の法人から支給される較差ほてん金)

35-7 過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金は、法第35条第3項第2号に規定する公的年金等となるのであるが、転籍者(他の法人に転籍した使用人をいう。)に対し転籍前の法人から転籍後の法人との給与条件の較差をほてんするために支給される較差ほてん金(転籍後の法人を経由して支給されるものを含む。)は、法第28条《給与所得》に規定する給与等に該当することに留意する。(昭63直法6-1、直所3-1追加、平23課個2-33、課法9-9、課審4-46改正)

(公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額の計算について)

35-8 法第35条第4項各号に規定する「公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額」は、その年中の公的年金等の収入金額がないものとして計算した場合における合計所得金額をいうのであるから、措置法第41条の3の3第2項((所得金額調整控除))の規定による所得金額調整控除の適用はないものとして計算することに留意する。(令2課個2-12、課法11-3、課審5-6追加)