(障害者として取り扱うことができる者)

2−38 身体障害者手帳の交付を受けていない者又は戦傷病者手帳の交付を受けていない者であっても、次に掲げる要件のいずれにも該当する者は、令第10条第1項第3号又は第4号《障害者及び特別障害者の範囲》に掲げる者に該当するものとして差し支えない。この場合において、その障害の程度が明らかに同条第2項第3号又は第4号に規定する障害の程度であると認められる者は、法第2条第1項第29号に掲げる特別障害者に該当するものとして差し支えない。(平元直所3−14、直法6−9、直資3−8、平26課個2-9、課審5-14改正)

(1) その年分の法第112条第1項《予定納税額の減額の承認の申請手続》に規定する申請書、確定申告書、給与所得者の扶養控除等申告書、退職所得の受給に関する申告書又は公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出する時において、これらの手帳の交付を申請中であること、又はこれらの手帳の交付を受けるための身体障害者福祉法第15条第1項《身体障害者手帳》若しくは戦傷病者特別援護法施行規則第1条第4号《手帳の交付の請求》に規定する医師の診断書を有していること。

(2) その年12月31日その他障害者であるかどうかを判定すべき時の現況において、明らかにこれらの手帳に記載され、又はその交付を受けられる程度の障害があると認められる者であること。

(常に就床を要し複雑な介護を要する者)

2−39 令第10条第1項第6号に掲げる「常に就床を要し、複雑な介護を要する者」とは、その年12月31日その他障害者であるかどうかを判定すべき時の現況において、引き続き6月以上にわたり身体の障害により就床を要し、介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる者をいうものとする。(平元直所3-14、直法6-9、直資3-8改正)


〔寡婦及びひとり親(第30、第31号関係)〕

(寡婦の要件としての扶養親族の有無)

2−40 法第2条第1項第30号イ(1)に掲げる要件については、その者が扶養控除の規定の適用を受ける控除対象扶養親族又はその者の控除対象扶養親族以外の扶養親族(法第85条第5項の規定の適用がある場合には、同項の規定によりその者の扶養親族に該当する者に限る。)を有することをいうのであるから留意する。(昭49直所2−23、平16課個2−23、課資3−7、課法8−8、課審4−33、平22課個2−16、課法9−1、課審4−30、令2課個2−12、課法11−3、課審5−6改正)

(合計所得金額の計算)

2−41 法第2条第1項第30号イ(2)に規定する合計所得金額の計算に当たっては、次のことに留意する。(平16課個2−23、課資3−7、課法8−8、課審4−33追加、平18課個2−7、課資3−2、課審4−89、平19課法9−16、課個2−27、課審4−40、令2課個2−12、課法11−3、課審5−6改正)

(1) 法第9条((非課税所得))、第10条((障害者等の少額預金の利子所得等の非課税))その他の法令に規定する非課税所得の金額は、含まれないものであること。

(2) 法その他の法令に規定する所得計算の特例の適用を受けた場合には、その適用後の所得の金額により計算すること。

 (注) 措置法に規定する課税長期譲渡所得金額又は課税短期譲渡所得金額を計算する場合における特別控除額の控除は、 上記の所得計算の特例には当たらないことに留意する。

(生死が明らかでない者の範囲)

2−42 令第11条第3号又は第4号《寡婦の範囲》に規定する危難に遭遇した者で、同一の危難に遭遇した者について既に死亡が確認されているなど、当該危難の状況からみて生存していることが期待できないと認められるものについては、当該危難があった時からこれらの号に掲げる者に該当するものとして差し支えない。この場合において、後日その者の生存が確認されたときにおいても、その確認された日前の寡婦又はひとり親の判定については影響がないものとする。(昭49直所2−23、昭57直所3−1、令2課個2−12、課法11−3、課審5−6改正)


〔勤労学生(第32号関係)〕

(通信教育生)

2−43 学校教育法第1条《学校の範囲》に規定する学校の学生又は生徒には、通信教育生でその課程を履修した後は通信教育生以外の一般の学生等と同一の資格を与えられるものも含まれる。

(給与所得等以外の所得に係る部分の金額が10万円以下であるかどうかの判定)

2−44 合計所得金額の計算上法第69条《損益通算》の規定の適用がある場合には、法第2条第1項第32号本文に規定する「合計所得金額のうち給与所得等以外の所得に係る部分の金額が10万円以下」であるかどうかは、合計所得金額から同号に規定する給与所得等(以下この項において「給与所得等」という。)の金額の合計額を控除した残額により判定する。この場合において、同号に規定する事業所得に損失が生じているときは、その損失の金額を同号に規定する給与所得、退職所得及び雑所得の金額の合計額から控除した残額を給与所得等の金額の合計額とする。(昭60直所3−1、直法6−1、直資3−1、平23課個2−33、課法9−9、課審4−46改正)

(注) 上記の取扱いは、例えば、

 不動産所得の損失の金額

△55万円

 事業所得の損失の金額

△10万円

 給与所得の金額

50万円

 山林所得の金額

60万円

 総所得金額

0

 山林所得金額

45万円

 合計所得金額

45万円

の場合のように損益通算の結果、合計所得金額の全てが山林所得金額(給与所得等以外の所得に係る部分の金額)からなるものとされる場合であっても、法第2条第1項第32号の規定の適用に当たっては、次に掲げる算式により給与所得等以外の所得に係る部分の金額を求めることとしたものである。

 給与所得の金額50万円−事業所得の損失の金額10万円=給与所得等の金額40万円

 合計所得金額45万円−給与所得等の金額40万円=給与所得等以外の所得に係る部分の金額5万円

(職業に必要な技術の教授をする課程の意義)

2−45 令第11条の3第2項第1号《勤労学生の範囲》に規定する「職業に必要な技術の教授をする」課程とは、一定の資格、特殊な技能又は専門的な知識を必要とする職業におけるその一定の資格の取得又は特殊な技能若しくは専門的な知識の習得に必要な学科、実技等の教授をする課程をいうものとする。(昭46直審(所)19、昭60直所3−21、直資3−5改正)


〔同一生計配偶者等(第33号から第33号の4まで関係)〕

(配偶者)

2−46 法に規定する配偶者とは、民法の規定による配偶者をいうのであるから、いわゆる内縁関係にある者は、たとえその者について家族手当等が支給されている場合であっても、これに該当しない。(平18課個2−18、課資3−10、課審4−114改正)

(注) 外国人で民法の規定によれない者については、法の適用に関する通則法(平成18年法律第78号)の規定によることに留意する。

(生計を一にするの意義)

2−47 法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。

(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。

 イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合

 ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合

(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。

(青色事業専従者等の範囲)

2−48 法第2条第1項第33号に規定する「青色事業専従者等」とは、その配偶者が居住者の同一生計配偶者に該当するかどうかを判定する場合における当該居住者又は当該居住者と生計を一にする居住者の青色事業専従者等をいうのであるから、例えば年の中途までこれらの者以外の者の青色事業専従者等であった場合であっても、これらの者の青色事業専従者等に該当しないときは、同号の青色事業専従者等に含まれないことに留意する。(昭63直所3−3、直法6−2、直資3−2追加、平元直所3−14、直法6−9、直資3−8、平29課法10−13、課個2−22、課審5−8改正)

〔扶養親族(第34号及び第34号の2関係)〕

(青色事業専従者に該当する者で給与の支払を受けるもの及び事業専従者に該当するものの範囲)

2−48の2 法第2条第1項第34号かっこ内に規定する「第57条第1項に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払を受けるもの及び同条第3項に規定する事業専従者に該当するもの」については、2−48の取扱いに準ずる。(平29課法10−13、課個2−22、課審5−8追加)

(里親に委託された児童及び養護受託者に委託された老人の範囲)

2−49 法第2条第1項第34号に規定する「里親に委託された児童」は、扶養親族であるかどうかを判定すべき時の現況において、原則として、年齢が18歳未満の者に限られ、また、同号に規定する「養護受託者に委託された老人」は、当該判定すべき時の現況において、原則として、年齢が65歳以上の者に限られることに留意する。(平2直所3−9、直法6−7、平5課所4−1、平15課個2−23、課資3−7、課法8−11、課審4−37、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26、平19課個2−31、課審4−44改正)

(注)

1 児童福祉法第4条第1項《児童の定義》、同法第31条第2項《在所年齢の延長等》、老人福祉法第5条の4第1項《福祉の措置の実施者》及び同法第11条第1項第3号《老人ホームへの入所等》参照

2 当該児童の委託を受けた里親又は当該老人の委託を受けた養護受託者であるかどうかは、それぞれ各都道府県に備え付けてある里親登録簿又は市町村に備え付けてある養護受託者登録簿に記載されているところにより判定することができる。

(38万円以上受けているかどうかの判定)

2−50 法第2条第1項第34号の2ロ(3)に規定する「その居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている」かどうかは、次により判定するものとする。(令4課個2-13、課法12-16、課審5-9追加、令5課個2-25、課法12-11、課審5-9改正)

(1) その支払が、規則第47条の2第6項第1号又は第8項第1号に規定する金融機関(以下この項において「金融機関」という。)が行う為替取引によるものである場合

イ その支払は、その居住者が生活費又は教育費に充てるための金銭を送金した日に行われたものとする。

ロ その支払が外貨建てで行われる場合には、その居住者が送金をした金融機関の当該送金した日におけるその外国通貨に係る対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値(以下この項において「電信売買相場の仲値」という。)により本邦通貨に換算する。ただし、この場合において、本邦通貨により外国通貨を購入し直ちに送金するときは、現に支出した本邦通貨の額をその円換算額とすることができる。

(2) その支払が、規則第47条の2第6項第2号又は第8項第2号に規定するクレジットカード等の提示又は通知(以下この項において「クレジットカード等の利用」という。)によるものである場合

イ その支払は、クレジットカード等の利用をした日に行われたものとする。

ロ そのクレジットカード等の利用が外国通貨で決済されたものである場合には、当該クレジットカード等の利用をした日における電信売買相場の仲値により本邦通貨に換算する。ただし、この場合において、その外国通貨で決済されたものについて本邦通貨で表示される預貯金の口座から引き落として支払われるときは、現に支出した本邦通貨の額をその円換算額とすることができる。

(3) その支払が、規則第47条の2第6項第3号又は第8項第3号に規定する電子決済手段等取引業者が行う同条第6項第3号又は第8項第3号に規定する電子決済手段(以下この項において「電子決済手段」という。)の移転によるものである場合

イ その支払は、電子決済手段の移転がされた日に行われたものとする。

ロ その電子決済手段の価額が外国通貨で表示されるものである場合には、その電子決済手段の価額をその表示される外国通貨の金額とみなして、その電子決済手段の移転がされた日における電信売買相場の仲値により本邦通貨に換算する。ただし、この場合において、本邦通貨により電子決済手段を購入し直ちに移転するときは、現に支出した本邦通貨の額をその円換算額とすることができる。

(注)

1 邦貨換算については、その支払を受ける金額の年間の合計額につき、その年最後の支払の日の電信売買相場の仲値又は当該最後の支払に係る実際に適用された外国為替の売買相場により一括して換算した金額にすることもできる。

2 電信売買相場の仲値については、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次のとおりとする。

(1) その支払に係る金融機関の電信売買相場の仲値が存在する場合 原則として、その支払に係る金融機関のものによることとするが、その居住者の主たる取引金融機関のものなど合理的なものを継続して使用している場合には、これを認める。

(2) 上記(1)以外の場合 原則として、その居住者の主たる取引金融機関のものによることとするが、合理的なものを継続して使用している場合には、これを認める。


〔特別農業所得者(第35号関係)〕

(たばこ耕作者についての特別農業所得者の判定)

2−51 たばこ耕作者が特別農業所得者に該当するかどうかの判定に当たっては、葉たばこの刈取り後の農家における通常の熟成の過程の完了する時期が9月1日以後となるものについては、その所得は9月1日以後に生ずるものとして差し支えない。この場合において、通常の熟成の過程の完了する時期とは、葉たばこを積み重ねて発酵させ、化学変化を起こさせるいわゆる堆積発酵の過程の完了する時期をいい、その時期が明らかでない場合には、刈取り時からおおむね2月の期間を経過した時期とする。(令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)