(法人でない社団の範囲)

1−2−1 法第2条第1項第7号《人格のない社団等の意義》に規定する「法人でない社団」とは、多数の者が一定の目的を達成するために結合した団体のうち法人格を有しないもので、単なる個人の集合体でなく、団体としての組織を有して統一された意志の下にその構成員の個性を超越して活動を行うものをいい、次に掲げるようなものは、これに含まれない。

(1) 民法第667条《組合契約》の規定による組合

(2) 商法第535条《匿名組合契約》の規定による匿名組合(以下1−3−1及び1−3−2において「匿名組合」という。)

(法人でない財団の範囲)

1−2−2 法第2条第1項第7号《人格のない社団等の意義》に規定する「法人でない財団」とは、一定の目的を達成するために出えんされた財産の集合体で、特定の個人又は法人の所有に属さないで一定の組織による統一された意志の下にその出えん者の意図を実現すべく独立して活動を行うもののうち、法人格を有しないものをいう。

(人格のない社団等についての代表者又は管理人の定め)

1−2−3 法第2条第1項第7号《人格のない社団等の意義》に規定する「代表者又は管理人の定めがあるもの」とは、社団又は財団の定款、寄附行為、規則、規約等によって代表者又は管理人が定められている場合のほか、当該社団又は財団の業務に係る契約を締結し、その金銭、物品等を管理する等の業務を主宰する者が事実上あることをいうものとする。したがって、法人でない社団又は財団で資産の譲渡等を行うものには、代表者又は管理人の定めのないものは通常あり得ないことに留意する。

(福利厚生等を目的として組織された従業員団体に係る資産の譲渡等)

1−2−4 事業者の役員又は使用人をもって組織した団体(以下1−2−5において「従業員団体」という。)が、これらの者の親睦、福利厚生に関する事業を主として行っている場合において、その事業経費の相当部分を当該事業者が負担しており、かつ、次に掲げる事実のいずれか一の事実があるときは、原則として、当該事業の全部を当該事業者が行ったものとする。

(1) 事業者の役員又は使用人で一定の資格を有する者が、その資格において当然に当該団体の役員に選出されることになっていること。

(2) 当該団体の事業計画又は事業の運営に関する重要案件の決定について、当該事業者の許諾を要する等当該事業者がその事業の運営に参画していること。

(3) 当該団体の事業に必要な施設の全部又は大部分を当該事業者が提供していること。

(従業員負担がある場合の従業員団体の資産の譲渡等の帰属)

1−2−5 従業員団体について、例えば、その団体の課税仕入れ等が、当該事業者から拠出された部分と構成員から収入した会費等の部分とであん分する等の方法により適正に区分されている場合には、1−2−4にかかわらず、その団体が行った事業のうちその区分されたところにより当該構成員から収入した会費等の部分に対応する資産の譲渡等又は課税仕入れ等については、当該事業者が行ったものとすることはできないものとする。