10条 2以上の者が、同一の油層、ガス層又は石炭層につき共同の鉱業権等を有する等の事情により、共同事業として原油、ガス状炭化水素又は石炭を採取している場合であっても、その採取に係る原油、ガス状炭化水素又は石炭の売却その他の処分については当該2以上の者が出資比率等に応じ各別に行っているときは、その採取場から移出される当該原油、ガス状炭化水素又は石炭に係る石油石炭税の納付については、国税通則法(昭和37年法律第66 号)第9条《共有物等に係る国税の連帯納付義務》の規定の適用はないのであるから留意する。(平15課消3−41改正)

(注) 本条に規定する2以上の者のうち1人が現実に、ガス状炭化水素又は石炭の採取を行つている場合には、他の者は法第6条第1項《採取者とみなす場合》に規定する委託者となるのであるから留意する。

(再輸入した原油等の不課税)

11条 輸出直後に輸入された原油、ガス状炭化水素若しくは石炭で、その輸出の際に法第11条第1項《輸出免税》の規定による石油石炭税の免除を受けていないことが明らかなもの又は輸出直後に輸入された石油製品については、その保税地域からの引取りの際における石油石炭税を課さないものとする。 (平15課消3−41改正)

(場内消費不適用として取り扱う場合等)

12条 原油、ガス状炭化水素の採取場において次の各号に掲げる用途等に消費した原油、ガス状炭化水素については、法第5条第1項《移出又は引取り等とみなす場合》の規定を適用しないことに取り扱う。(平15課消3−41改正)

(1) 油層又はガス層を刺激する等のため、坑井に注入する原油又はガス状炭化水素

(2) 土壌・水質若しくは大気等の汚染又は危険を防止するため、焼却する原油又はガス状炭化水素

(3) 装置の点検修理等の際、危険を防止する等のため、大気中に放散するガス状炭化水素

2 製品の原料として、保税地域のうち保税工場(関税法第56条第1項《保税工場の許可》に規定する保税工場をいう。以下同じ。)又は総合保税地域(関税法第62条の8第1項《総合保税地域の許可》に規定する総合保税地域をいう。以下同じ。)における保税作業(関税法第56条第1項《保税工場の許可》に規定する保税作業をいう。以下同じ。)により消費される原油等又は当該原油等を原料として製造した製品に対する法、輸徴法及び租特法の適用関係は次のとおりであるから留意する。(平15課消3−41、平18課消1-1改正)

(1) 当該原油等の消費に対しては、輸徴法第16 条第2 項《保税工場等において保税作業をする場合等の内国消費税の特例》の規定により、法第5条第2項《移出又は引取り等とみなす場合》の規定の適用はない。

(2) 当該製品が次のいずれにも該当する場合を除き、当該製品の原料として消費された原油等は輸徴法第16 条第8 項又は第9 項の規定により、これらの規定に定める時に保税地域から引き取るものとみなされる。

イ 石油製品、石油ガスその他のガス状炭化水素又は石炭若しくは練炭、豆炭その他これらに類する固形燃料で石炭から製造したものであること。

ロ 輸徴法第12条第1項から第3項まで《船用品又は機用品の積込み等の場合の免税》、同法第13条第3項《免税等》又は租特法第90条の4第1項《引取りに係る石油製品等の免税》(第4号に限る。)の規定により石油石炭税の免除を受けるべきものであること。

(「滞納処分」の意義等)

13条 法第5条第3項《移出又は引取り等とみなす場合》に規定する次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。(平15課消3−41改正)

(1) 滞納処分 国税徴収法(昭和34年法律第147号)第5章《滞納処分》の規定に基づく滞納処分をいう。

(2) その例による処分 国及び公共団体の収入金等の徴収につき国税徴収法に規定する滞納処分の例により行う滞納処分をいう。

(3) 強制執行 民事執行法(昭和54年法律第4号)等の規定に基づき行う強制執行をいう。

(4) 担保権の実行としての競売 民事執行法等の規定に基づき行う担保権の実行としての競売をいう。

(5) 企業担保権の実行手続 企業担保法(昭和33年法律106号)の規定に基づき行う企業担保権の実行手続をいう。

(6) 破産手続 破産法(大正11年法律第71号)の規定に基づき行う破産手続をいう。

(換価を移出とみなす場合の納税義務成立の時期等)

14条 法第5条第3項《移出又は引取り等とみなす場合》に規定する「換価の時」とは、換価された原油、ガス状炭化水素又は石炭の代金を買受人が納付した時をいう。(平15課消3−41改正)

2 法第5 条第3 項の規定は、滞納処分等の手続(前条各号《「滞納処分」の意義等》に掲げる手続をいう。以下同じ。)により差し押えられた原油、ガス状炭化水素又は石炭が公売場等に換価のために搬出され、搬出先において換価された場合においても適用する。この場合においては、当該原油、ガス状炭化水素又は石炭の代金を買受人が納付した時に搬出元の採取場から移出されたものとして取り扱う。(平15課消3−41改正)

3 原油、ガス状炭化水素又は石炭が滞納処分等の手続により換価される前に、当該原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取者がその採取場における原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取を廃止した場合は、法第5条第4項ただし書に規定する承認を受けない限り、その廃止の時に当該原油、ガス状炭化水素又は石炭につき同項本文の規定が適用されるのであるから留意する。(平15課消3−41改正)

4 法第5条第3項の規定により移出したものとみなされた原油、ガス状炭化水素又は石炭に係る石油石炭税の徴収は、国税通則法第39条第1項《強制換価の場合の消費税等の徴収の特例》の規定により、その売却代金のうちから徴収することができるのであるから留意する。(平15課消3−41改正)

(採取を廃止した場合の取扱い)

第15条 法第5条第4項《移出又は引取り等とみなす場合》に規定する「採取を廃止した場合」には、事実上採取を廃止した場合のほか、事業を譲渡した場合、法人成りの場合及び会社分割等により営業を承継させた場合等も含まれるのであるから留意する。(平13課消3−14、平15課消3−41、平18課消3−36改正)

2 事業を譲渡した場合、法人成りの場合又は分割等があった場合等で、その時にその採取場に現存する原油、ガス状炭化水素又は石炭についても譲渡し、若しくは承継させるときは、当該譲渡等により移出したものとみなされる時に、その移出したものとみなされる原油、ガス状炭化水素又は石炭について、法第10条第1項第2号《未納税移出》の規定の適用があるものとして同号の承認を与えても差し支えない。(平15課消3−41、平18課消3−36改正)

(みなし採取場として税務署長の指定する期間)

16条 法第5条第5項《移出又は引取り等とみなす場合》に規定する「税務署長の指定する期間」は、採取者の経営の実態等を十分考慮して、石油石炭税の保全上支障がないと認められる範囲において決定する。(平15課消3−41改正)

(委託採取の取扱い)

17条 法第6条第1項《採取者とみなす場合》に規定する「原油、ガス状炭化 水素又は石炭の採取者」には、現実に原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取をしている者のほか、原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取を目的とする事業を営む者(鉱業権等を有するかどうかを問わない。)を含むのであるから留意する。(平15課消3−41改正)

2 原油、ガス状炭化水素若しくは石炭の採取者又は販売業者の間で原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取を委託する行為が2 段階以上にわたって行われている場合には、原則として、最初の委託者に対して法第6条第1項の規定を適用する。(平15課消3−41改正)

3 原炭を他の選炭業者に供給して当該選炭業者に対し石炭の採取を委託している場合には、当該原炭を供給し、選炭による採取の委託をする者が、法第6 条第1項《採取者とみなす場合》の規定により採取者とみなされるのであるから留意する。
なお、この場合においては、当該選炭業者において石炭が採取された場所が採取場となる。(平15課消3−41改正)

(自家用ガス状炭化水素のみの採取者の意義等)

第18条 法第6条の2《適用除外》の規定は、その採取するガス状炭化水素を自己又は同居の親族の個人的な消費にのみ充てる目的で採取する場合におけるその採取者及びガス状炭化水素について適用されるのであるから留意する。

2 法第6 条の2に規定する「同居の親族」とは、採取者と同居する民法(明治31 年法律第9号)第725 条《親族の範囲》に規定する親族(6親等内の血族(法定血族を含む。)、配偶者及び3 親等内の姻族)をいう。(平15課消3−41改正)

(納税地の特例承認)

19条 法第7条第1項ただし書《納税地》の規定による承認は、原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取場以外の場所を納税地とすることが、石油石炭税の申告、納税手続上便宜と認められる場合に、当該原油、ガス状炭化水素又は石炭の販売業務を統括する事務所等の所在地に対して与えるものとする。(平15課消3−41改正)