第86条の8 国税審議会への諮問

第86条の9 酒類販売管理者

第1項関係

1 酒類販売管理者の選任の意義

 酒類販売管理者は、酒類小売業者(製造者及び販売業者以外の者に酒類を販売する製造者又は販売業者をいう。以下第86条の9において同じ。)の販売場(製造者及び販売業者以外の者に酒類を販売する場所をいう。以下第1項関係において「酒類の小売販売場」という。)において、酒類の販売業務を行うに当たって遵守すべき法令(組合規則第 11 条の9各号《法第 86条の9第1項の財務省令で定める法令》に規定する法令等をいう。以下同じ。)に基づいた適正な販売管理の確保を図るため、酒類販売管理研修を受けた者のうちから酒類小売業者が選任するものである。

(注)

1 酒類販売管理者の選任は、酒類販売管理者を酒類の小売販売場に常駐させることを義務付けるものではないことに留意する。

2 酒類販売管理者について、酒類の販売業務に従事しない者、組合法第 86 条の9第2項各号《酒類販売管理者》のいずれかに該当する者、引き続き6月以上の期間継続して雇用されることが予定されていない者、他の販売場において酒類販売管理者に選任されている者、又は過去3年以内に酒類販売管理研修を受けていない者を選任した場合には、酒類販売管理者を選任したこととならないことに留意する。
 また、酒類販売管理者に選任した者が酒類の販売業務に従事しないこととなった時若しくは継続して雇用しないこととなった時又は酒類販売管理者を解任した時は、当該従事しないこととなった時若しくは継続して雇用しないこととなった時又は解任した時に酒類販売管理者が欠けるに至ったこととなることに留意する。

2 「酒類の販売業務」の範囲

 「酒類の販売業務」とは、酒類の小売販売場において行う酒類の販売(スーパーマーケット等のレジにおいて酒類の代金の決済を行うことを含む。)又は酒類の陳列、管理及び商品説明等の業務をいう。

3 「使用人その他の従業者」の範囲

 「使用人その他の従業者」には、酒類小売業者が自ら雇用する者のほか、派遣を受けている者を含む。

4 酒類販売管理者が行う助言又は指導

 酒類販売管理者が行わなければならない助言又は指導の主なものは、次のとおりである。

(1) 酒類小売業者に対する助言

イ 二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準をはじめ、酒類の販売業務を行うに当たって遵守すべき法令に基づいた適正な販売管理の確保を図るための必要な措置に関する事項

ロ 酒類の販売業務に従事する使用人その他の従業者に対する指導が徹底されるための体制の整備に関する事項

(2) 使用人その他の従業者に対する指導

イ 20歳未満と思われる者に対する年齢確認の実施及び酒類の陳列場所における表示など酒類の販売業務を行うに当たって遵守すべき法令に関する事項

ロ アルコール飲料としての酒類の特性や酒類の商品知識等の修得に関する事項

(注) 使用人その他の従業者に対する指導は、社内研修等を通じて実施する。

5 酒類販売管理研修の意義

 酒類販売管理研修は、酒類販売管理者が、20歳未満と思われる者に対する年齢確認の実施及び酒類の陳列場所における表示など酒類の販売業務を行うに当たって遵守すべき法令に関する事項のほか、アルコール飲料としての酒類の特性や酒類の商品知識等を修得することにより、その資質の向上を図り、もって酒類の小売販売場における酒類の適正な販売管理の確保等について実効性を高めることを目的として実施されるものである。

6 「引き続き6月以上の期間継続して雇用されることが予定されている者」の範囲

 組合規則第 11 条の8第3号《酒類販売管理者の選任》に規定する「引き続き6月以上の期間継続して雇用されることが予定されている者」には、雇用期間の定めのない者を含む。

7 「酒類販売管理研修を行うのに必要かつ適切な組織及び能力を有するもの」の意義

 組合規則第 11 条の 12 第2号《指定の基準》に規定する「酒類販売管理研修を行うのに必要かつ適切な組織及び能力を有するもの」とは、次のいずれにも適合していると認められるものをいう。

(1) 酒類販売管理研修の運営、受講者名簿の作成及び受講履歴の管理等を適切に行うことが確実であること。

(2) 研修講師が、酒類販売管理研修を適切に行うための十分な能力を有していること。

(3) 酒類販売管理研修を継続的に実施することが確実であること。

(4) 申請団体の構成員及び構成員となると見込まれる者に対する酒類販売管理研修の受講の機会を勘案し、酒類販売管理研修を2ヶ月に1回程度実施すると認められる組織及び能力を有すること。

8 「酒類販売管理研修の実施に関する計画が適切なもの」の意義

 組合規則第 11 条の 12 第3号《指定の基準》に規定する「酒類販売管理研修の実施に関する計画が適切なもの」とは、次のいずれにも適合していると認められるものをいう。

(1) 酒類販売管理研修の項目、講師及びテキストが、研修を適切に行うのに十分であること。

(2) 酒類販売管理研修を実施する日時、場所その他研修の実施に関し必要な事項を事前に公表することが可能であること。

9 「受講手数料が適当と認められる額であること」の意義

 組合規則第 11 条の 12 第4号《指定の基準》に規定する「受講手数料が適当と認められる額であること」とは、研修テキストの作成費用、会場借料、講師謝金などを勘案し、実費相当と認められる額であることをいう。
  なお、受講手数料を会費その他の名目で徴している場合は、酒類販売管理研修以外の事業内容等を勘案し、受講手数料に相当する額が適当と認められる額である必要があることに留意する。

10 組合規則第 11 条の 12 第5号《指定の基準》に規定する「正当な理由」の意義

 組合規則第 11 条の 12 第5号《指定の基準》に規定する「正当な理由」とは、会場の規模や収容人数等により、定員を超える申込みに対し、受講者を制限する場合等をいう。

11 組合規則第 11 条の 13 第3号《指定の取消し》に規定する「正当な理由」の意義

 組合規則第 11 条の 13 第3号《指定の取消し》に規定する「正当な理由」とは、例えば、酒類販売管理研修の実施日時、場所その他講習の実施に関し必要な事項を事前に公表し、研修受講希望者を募集したにもかかわらず、研修受講の申込者がなく酒類販売管理研修を実施できなかった場合等をいう。

第5項関係

1 「その情状により酒類販売管理者として不適当である」の意義

 組合法第 86 条の9第5項《酒類販売管理者》に規定する「その情状により酒類販売管理者として不適当である」とは、酒類販売管理者として酒類販売業務を行うに当たって遵守すべき法令の規定に違反した場合において当該違反の程度、違反に至った経緯と違反行為との因果関係及び関係者への影響等を総合的に勘案して判断する。

第9項関係

1 標識の掲示

 組合法第 86 条の9第9項《酒類販売管理者》に規定する標識に記載した組合規則第 11 条の18《標識の掲示》に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その標識に記載した当該事項を訂正する必要があることに留意する(2において同じ。)。

2 組合規則第 11 条の 18 第1項《標識の掲示》の取扱い

 「インターネットその他の公衆の閲覧に供する方法」とは、インターネットのウェブサイト等の見やすい場所に、閲覧に供すべき事項を一体的に表示するものとする。

第87条の2 決算関係書類等の提出

1 役員の解任命令に対する組合等の措置

 組合法第88条《役員の解任命令》の規定により、所轄官庁が組合等に対し、役員を解任すべきことを命じたときは、組合等は、遅滞なく総会又は総代会を招集して当該役員の解任を議決しなければならない。

1 解散命令に伴う所轄官庁及び組合等の措置

 組合法第90条《解散命令》の規定による所轄官庁の解散命令は、総会の議決を経るまでもなく、当然解散するものであるから、当該組合等は総会又は総代会を招集して、清算人の選任、残余財産の処分その他組合等の清算に必要な事項を議決する。

第1項関係

1 「当該職員」の意義

 組合法第91条《質問検査権》第1項に規定する「当該職員」とは国税庁、国税局又は税務署の職員(事務官、技官の別を問わない。)であって、組合法に関する検査又は調査を担当する課、係、部門等に所属する者をいう。

第1項関係

1 交付金の交付基準

 組合法第92条《交付金の交付》第1項に規定する交付金は、別に定める交付金の交付基準により交付するものとする。

2 組合令第10条の移出数量の算定の準用

 組合令第10条《交付金の交付手続》第3号に規定する「製造場から移出した酒類の数量」の算定にあたっては、第14条第1項関係の3及び4の規定を準用する。

第2項関係

1 交付金の使途

 組合法第92条《交付金の交付》第2項の規定により、組合員又は役員等の報酬の支払に充てるために交付金を交付するものではない。

(注) 上記の趣旨から、交付金の会計は、他の一般会計と区分して収支予算を設定することが望ましい。

1 独占禁止法との関係

 独占禁止法の規定は、組合法第93条《私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外》の規定により、所轄官庁の勧告若しくは命令に基づいて行う行為及び所轄官庁の認可を受けた、又は認可を受けることを要しない協定に基づいて行う行為につき適用されないものであるから、組合等が所轄官庁の認可を受けることを要する協定等につき、これを受けないで実施した場合においては、組合法第97条に規定する罰則の適用を受けるとともに、独占禁止法にも抵触することとなるから、留意する。

1 処罰手続

 組合法第96条から第100条までに規定する処罰は、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)で定める手続により、組合法第101条に規定する処罰は、非訟事件手続法(明治31年法律第14号)で定める手続によるものとする。

2 「認可を受けない協定」の範囲

 組合法第97条に規定する「認可を受けない協定」には、組合法第43条《協定の設定及び変更》第1項ただし書の規定に該当する協定は含まないものであるから、留意する。

3 「その他の従業員」の意義

 組合法第100条に規定する「その他の従業員」とは、法人の代表者並びに法人又は人の代理人及び使用人以外の者で、事業主である法人又は人の業務に従事する者をいう。ただし、事業主の業務にたまたま従事し、その業務に関連して違反行為をした者は含まない。

4 「業務に関する行為」の意義

 組合法第100条に規定する「業務に関する行為」とは、事業主たる法人又は人のためにその業務に関連して行った行為で、その結果が事業主である法人又は人におよぶものをいう。

5 「行為者」の意義

 組合法第100条に規定する「行為者」とは、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員(以下「従業者」という。)であって、違反行為を計画しこれを自ら実行し、又は他の従業者に命じて実行させた者はもちろん、その命令によって犯則行為を行った者も含む。

第121条 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の適用に関する経過措置
第2項関係

1 税率適用区分等に関する「異なる表示」の承認についての取扱い

 平成29年改正法附則第121条第2項《酒税の保全及び酒類業組合法等に関する法律の適用に関する経過措置》の規定に基づき、令和6年3月31日まで従前の例により表示を行う酒類について、同年4月1日以後も、引き続き従前の表示を行いたい場合は、組合令第8条の3第6項《表示事項》に規定する「異なる表示」の承認を財務大臣(組合規則第20条《権限の委任》の規定により委任を受けた税務署長。2において同じ。)から受けることとする。
 この承認により異なる表示をする期間は、最長令和9年9月30日まで認めることとする。
 なお、当該承認に当たっては、承認を受ける期間中、組合令第8条の3第1項に掲げる事項の表示が行われていることを消費者等が確認できるよう、同条第6項の承認を受ける者が管理・運営するインターネットのウェブサイトにおいて、次に掲げる事項を公表しなければならない。

(1) 商品名

(2) 内容量

(3) アルコール分

(4) 本来の表示

(5) 異なる表示として表示している事項

2 発泡性を有する旨の表示に関する「異なる表示」の承認についての取扱い

 平成29年改正法附則第34条《その他の発泡性酒類の範囲に関する経過措置》に定める期間の経過後に、組合令第8条の3第1項第5号の「発泡性を有する旨」の表示を行うこととなる酒類について、令和8年10月1日以後も、引き続き従前の表示を行いたい場合は、同条第6項に規定する「異なる表示」の承認を財務大臣から受けることとする。
 この承認により異なる表示をする期間は、最長令和11年9月30日まで認めることとする。
 なお、当該承認に当たっては、承認を受ける期間中、「発泡性を有する旨」を表示していることを消費者等が確認できるよう、同項の承認を受ける者が管理・運営するインターネットのウェブサイトにおいて、次に掲げる事項を公表しなければならない。

(1) 「発泡性を有する旨」を表示していない酒類の商品名

(2) 内容量

(3) アルコール分

(4) 品目

 酒類における有機の表示基準を定める件を廃止する件(令和4年国税庁告示第32号)附則第3項の規定により旧酒類における有機の表示基準(酒類における有機の表示基準を定める件を廃止する件による廃止前の酒類における有機の表示基準をいう。以下同じ。)がなおその効力を有することとされる間、旧酒類における有機の表示基準の適用を受ける酒類に関する改正前の第86条の6《酒類の表示の基準》の4〈酒類における有機の表示基準の取扱い等〉の定めは、なおその効力を有するものとして取り扱う。


酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達目次

(前) 第86条の6 酒類の表示の基準 4,5,6

(次) 第2章 資源の有効な利用の促進に関する法律関係