(組織再編成の日)

1−6−1 合併、分割、現物出資、現物分配、株式交換等(法第2条第12号の16《定義》に規定する株式交換等をいう。以下この節において同じ。)又は株式移転(以下1−6−1において「組織再編成」という。)が行われた場合における当該組織再編成の日は、当該組織再編成により合併法人、分割承継法人若しくは被現物出資法人に資産若しくは負債の移転があった日、被現物分配法人その他株主等に資産の移転があった日又は株式交換等若しくは株式移転が行われた日をいうのであるから、留意する。(平19年課法2−3「七」、平22年課法2−1「五」、平29年課法2−17「四」、令3年課法2−21「二」により改正)

(注) 1 合併又は分割の場合における当該移転があった日は、合併の効力を生ずる日(新設合併の場合は、新設合併設立法人の設立登記の日)又は分割の効力を生ずる日(新設分割の場合は、新設分割設立法人の設立登記の日)をいう。
  2 現物出資が株式交付である場合における当該移転があった日は、株式交付の効力を生ずる日をいう。
  3 株式交換等又は株式移転が行われた日とは、次に掲げる組織再編成の区分に応じ、それぞれ次に定める日をいう。

  • (1) 株式交換 株式交換の効力を生ずる日
  • (2) 株式交換以外の株式交換等で、株式会社を対象法人(法第2条第12号の16に規定する対象法人をいう。)とするもの 次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に定める日
    • イ 当該株式交換等が同号イに掲げる「全部取得条項付種類株式に係る取得決議」によるものである場合 同号イの全部取得条項付種類株式を発行した法人が、会社法第234条第2項《一に満たない端数の処理》の規定により同号イの最大株主等である法人(当該法人と完全支配関係を有する法人を含む。)へ1株未満の株式の全てを売却した日又は同条第4項の規定により1株未満の株式の全てを買い取った日
    • ロ 当該株式交換等が同号ロに掲げる「株式の併合」によるものである場合 同号ロの株式の併合を行った法人が、同法第235条第2項において準用する同法第234条第2項の規定により同号ロの最大株主等である法人(当該法人と完全支配関係を有する法人を含む。)へ1株未満の株式の全てを売却した日又は同法第235 条第2項において準用する同法第234条第4項の規定により1株未満の株式の全てを買い取った日
    • ハ 当該株式交換等が同号ハに掲げる「株式売渡請求に係る承認」によるものである場合 同号ハの一の株主等である法人が、当該株式売渡請求をするに際して、同法第179条の2第1項《株式等売渡請求の方法》の規定により当該承認をする法人の同号ハの発行済株式等の全部を取得する日として定めた日
  • (3) 株式移転 株式移転完全親法人の設立登記の日

(合併等に際し1株未満の株式の譲渡代金を被合併法人等の株主等に交付した場合の適格合併等の判定)

1−6−2 連結法人が行った合併が法第2条第12号の8《適格合併》に規定する適格合併に該当するかどうかを判定する場合において、被合併法人の株主等に交付された金銭が、その合併に際して交付すべき合併法人の株式(出資を含む。以下1−6−2において同じ。)に1株未満の端数が生じたためにその1株未満の株式の合計数に相当する数の株式を他に譲渡し、又は買い取った代金として交付されたものであるときは、当該株主等に対してその1株未満の株式に相当する株式を交付したこととなることに留意する。ただし、その交付された金銭が、その交付の状況その他の事由を総合的に勘案して実質的に当該株主等に対して支払う合併の対価であると認められるときは、当該合併の対価として金銭が交付されたものとして取り扱う。
 連結法人が行った株式交換等又は株式移転が同条第12号の17《適格株式交換等》又は第12号の18《適格株式移転》に規定する適格株式交換等又は適格株式移転に該当するかどうかを判定する場合についても、同様とする。(平19年課法2−3「七」、平19年課法2−17「四」、平22年課法2−1「五」、平28年課法22−11「二」、平29年課法2−17「四」により改正)

(注) 当該1株未満の株式は、令第4条の3第4項第5号《適格合併の要件》、第20項第5号《適格株式交換等の要件》及び第24項第5号《適格株式移転の要件》に規定する議決権のないものに該当する。

1−6−3 削除(平19年課法2−3「七」により改正、平22年課法2−1「五」により削除)

(従業者の範囲)

1−6−4 法第2条第12号の8ロ(1)若しくは令第4条の3第4項第3号《適格合併の要件》、法第2条第12号の11ロ(2)若しくは令第4条の3第8項第4号若しくは第9項第4号《適格分割の要件》、法第2条第12号の14ロ(2)若しくは令第4条の3項第15項第4号《適格現物出資の要件》、同条第16項第3号《適格株式分配の要件》、法第2条第12号の17ロ(1)若しくは令第4条の3第20項第3号《適格株式交換等の要件》又は法第2条第12号の18ロ(1)若しくは令第4条の3第24項第3号《適格株式移転の要件》に規定する「従業者」とは、役員、使用人その他の者で、合併、分割、現物出資、株式分配、株式交換等又は株式移転の直前において被合併法人の合併前に行う事業、分割事業(同条第8項第1号に規定する分割事業をいう。以下この節において同じ。)、現物出資事業(同条第15項第1号に規定する現物出資事業をいう。以下この節において同じ。)、完全子法人(法第2条第12号の15の2《株式分配》に規定する完全子法人をいう。以下1−6−4において同じ。)の事業、株式交換等完全子法人の事業又はそれぞれの株式移転完全子法人の事業に現に従事する者をいうものとする。ただし、これらの事業に従事する者であっても、例えば、日々雇い入れられる者で従事した日ごとに給与等の支払を受ける者について、法人が従業者の数に含めないこととしている場合は、これを認める。
 令第4条の3第4項第2号、第8項第2号、第15項第2号、第20項第2項又は第24項第2号《共同事業要件》の従業者の範囲についても、同様とする。(平19年課法2−3「七」、平19年課法2−17「四」、平22年課法2−1「五」、平28年課法2−11「二」、平29年課法2−17「四」、平30年課法2−12「一」、令元年課法2−10「二」により改正)

(注)

1 出向により受け入れている者等であっても、被合併法人の合併前に行う事業、分割事業、現物出資事業、完全子法人の事業、株式交換等完全子法人の事業又はそれぞれの株式移転完全子法人の事業に現に従事する者であれば従業者に含まれることに留意する。

2 下請先の従業員は、例えば自己の工場内でその業務の特定部分を継続的に請け負っている企業の従業員であっても、従業者には該当しない。

3 分割事業又は現物出資事業とその他の事業とのいずれにも従事している者については、主として当該分割事業又は現物出資事業に従事しているかどうかにより判定する。

(主要な事業の判定)

1−6−5 被合併法人の合併前に行う事業が2以上ある場合において、そのいずれが法第2条第12号の8ロ(1)及び(2)《適格合併》に規定する「主要な事業」であるかは、それぞれの事業に属する収入金額又は損益の状況、従業者の数、固定資産の状況等を総合的に勘案して判定する。
 令第4条の3第16項第4号《適格株式分配》又は法第2条第12号の17ロ(1)及び(2)《適格株式交換等》若しくは第12号の18ロ(1)及び(2)《適格株式移転》における判定についても、同様とする。(平19年課法2−3「七」、平29年課法2−17「四」、平30年課法2−12「一」により改正)

(事業規模を比較する場合の売上金額等に準ずるもの)

1−6−6 令第4条の3第4項第2号《適格合併に係る共同事業要件》、第8項第2号《適格分割に係る共同事業要件》、第15項第2号《適格現物出資に係る共同事業要件》、第20項第2号《適格株式交換等に係る共同事業要件》又は第24項第2号《適格株式移転に係る共同事業要件》に規定する「これらに準ずるものの規模」とは、例えば、金融機関における預金量等、客観的・外形的にその事業の規模を表すものと認められる指標をいう。(平19年課法2−3「七」、平19年課法2−17「四」、平22年課法2−1「五」、平28年課法2−11「二」、平29年課法2−17「四」により改正)

(注) 事業の規模の割合がおおむね5倍を超えないかどうかは、これらの号に規定するいずれか一の指標が要件を満たすかどうかにより判定する。

(特定役員の範囲)

1−6−7 令第4条の3第4項第2号《適格合併に係る共同事業要件》に規定する「これらに準ずる者」とは、役員又は役員以外の者で、社長、副社長、代表取締役、代表執行役、専務取締役又は常務取締役と同等に法人の経営の中枢に参画している者をいう。(平19年課法2−3「七」、平19年課法2−17「四」、平22年課法2−1「五」により改正)

(主要な資産及び負債の判定)

1−6−8 法第2条第12号の11ロ(1)若しくは令第4条の3第8項第3号若しくは第9項第3号《適格分割の要件》又は法第2条第12号の14ロ(1)若しくは令第4条の3第15項第3号《適格現物出資の要件》の規定の適用上、分割事業又は現物出資事業に係る資産及び負債が主要なものであるかどうかは、分割法人又は現物出資法人が当該事業を行う上での当該資産及び負債の重要性のほか、当該資産及び負債の種類、規模、事業再編計画の内容等を総合的に勘案して判定するものとする。(平19年課法2−17「四」、平22年課法2−1「五」、平28年課法2−11「二」、平29年課法2−17「四」により改正)

(従業者が従事することが見込まれる業務)

1−6−9 法第2条第12号の8ロ(1)《適格合併》に規定する「合併法人の業務」、同条第12号の11ロ(2)《適格分割》に規定する「分割承継法人の業務」又は同条第12号の14ロ(2)《適格現物出資》に規定する「被現物出資法人の業務」は、合併により移転した事業、分割事業又は現物出資事業に限らないことに留意する。
 令第4条の3第4項第3号《適格合併の要件》、第8項第4号若しくは第9項第4号《適格分割の要件》又は第15項第4号《適格現物出資の要件》の判定についても、同様とする。(平19年課法2−17「四」、平22年課法2−1「五」、平28年課法2−11「二」、平29年課法2−17「四」により改正)

(出向により分割承継法人等の業務に従事する場合)

1−6−10 法第2条第12号の11ロ(2)又は令第4条の3第8項第4号若しくは第9項第4号《適格分割の要件》に規定する「分割承継法人の業務に従事することが見込まれていること」には、分割法人の分割の直前の従業者が出向により分割承継法人の業務に従事する場合が含まれることに留意する。
 法第2条第12号の14ロ(2)又は令第4条の3第15項第4号《適格現物出資の要件》の判定についても、同様とする。(平19年課法2−17「四」、平22年課法2−1「五」、平28年課法2−11「二」、平29年課法2−17「四」により改正)

(移転資産の範囲−借地権の設定)

1−6−11 分割、現物出資又は現物分配による資産の移転には、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人を借地権者とする借地権の設定(令第138条第1項《借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入》の規定の適用がある設定に限る。)が含まれる。(平19年課法2−3「七」、平22年課法2−1「五」、令元年課法2−10「二」により改正)

(注) この場合における当該借地権に係る法第62条第2項《合併及び分割による資産等の時価による譲渡》若しくは第62条の5第2項《現物分配による資産の譲渡》に規定する「原価の額」又は法第62条の2第2項《適格分割型分割による資産等の帳簿価額による引継ぎ》、法第62条の3第1項《適格分社型分割による資産等の帳簿価額による譲渡》、第62条の4第1項《適格現物出資による資産等の帳簿価額による譲渡》若しくは第62条の5第3項《適格現物分配による資産の帳簿価額による譲渡》に規定する「帳簿価額」は、当該借地権に係る土地につき令第138条第1項の規定により損金の額に算入される金額に相当する金額をいう。

(国内にある事業所に属する資産又は負債の判定)

1−6−12 令第4条の3第10項《適格現物出資の要件》に規定する「国内にある事業所に属する資産又は負債」に該当するかどうかは、原則として、当該資産又は負債が国内にある事業所又は国外にある事業所のいずれの事業所の帳簿に記帳されているかにより判定するものとする。
 ただし、国外にある事業所の帳簿に記帳されている資産又は負債であっても、実質的に国内にある事業所において経常的な管理が行われていたと認められる資産又は負債については、国内にある事業所に属する資産又は負債に該当することになるのであるから留意する。(平19年課法2−17「四」、平22年課法2−1「五」、平29年課法2−17「四」により改正)

(内部取引に準ずるものの例示)

1−6−13 令第4条の3第12項((適格現物出資の要件))に規定する「その他これに準ずるもの」には、例えば、連結法人の国外にある事業所のうち法第69条第4項第1号((外国税額の控除))に規定する国外事業所等に該当しない事業所と同号に規定する本店等との間で行われた同号に規定する内部取引に相当する事実が含まれる。(平28年課法2−11「二」、平29年課法2−17「四」により追加)