(名義株がある場合の支配関係及び完全支配関係の判定)

1−2−1 法第2条第12号の7の5《支配関係》の規定の適用上、一の者と法人との間に当該一の者による支配関係があるかどうかは、当該法人の株主名簿、社員名簿又は定款に記載又は記録されている株主等により判定するのであるが、その株主等が単なる名義人であって、当該株主等以外の者が実際の権利者である場合には、その実際の権利者が保有するものとして判定する。
同条第12号の7の6《完全支配関係》の規定の適用上、一の者と法人との間に当該一の者による完全支配関係があるかどうかについても、同様とする。(平19年課法2−3「三」、平22年課法2−1「二」、平27年課法2−8「一」により改正)

(支配関係及び完全支配関係を有することとなった日の意義)

1−2−2 支配関係又は完全支配関係があるかどうかの判定における当該支配関係又は当該完全支配関係を有することとなった日とは、例えば、その有することとなった原因が次に掲げる場合には、それぞれ次に定める日となることに留意する。(平19年課法2−3「三」、平22年課法2−1「二」、令3年課法2−21「一」により改正)

(1) 株式(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第14項《定義》に規定する投資口を含む。以下同じ。)の購入 当該株式の引渡しのあった日

(2) 新たな法人の設立 当該法人の設立後最初の事業年度開始の日

(3) 1−6−1《組織再編成の日》に規定する組織再編成 同通達で定める組織再編成の日

(注) 上記(1)の株式を譲渡した法人における法第61条の2第1項《有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入》に規定する譲渡利益額又は譲渡損失額の計上は、原則として、当該株式の譲渡に係る契約の成立した日に行うことに留意する。

(完全支配関係の判定における従業員持株会の範囲)

1−2−3 令第4条の2第2項第1号《支配関係及び完全支配関係》に規定する組合は、民法第667条第1項《組合契約》に規定する組合契約による組合に限られるのであるから、いわゆる証券会社方式による従業員持株会は原則としてこれに該当するが、人格のない社団等に該当するいわゆる信託銀行方式による従業員持株会はこれに該当しない。(平17年課法2-14「二」、平19年課法2−17「二」、平22年課法2−1「二」により改正)

(従業員持株会の構成員たる使用人の範囲)

1−2−4 令第4条の2第2項第1号《支配関係及び完全支配関係》の「当該法人の使用人」には、法第34条第6項《使用人兼務役員の範囲》に規定する使用人としての職務を有する役員は含まれないことに留意する。(平19年課法2−3「三」、平19年課法2−17「二」、平22年課法2−1「二」、平29年課法2−17「三」により改正)

(連結納税の完全支配関係の判定における従業員持株会等に係る株式の保有割合の意義)

1−2−5 連結子法人の発行済株式のうちに令第4条の2第2項各号《支配関係及び完全支配関係》に掲げる株式がある場合の法第4条の2《連結納税義務者》に規定する完全支配関係の判定は、令第4条の2第2項に規定する「割合」が5%未満かどうかにより行うのであるから、例えば、連結子法人に係る当該割合が5%未満である状態が継続していたものが5%以上となったときには、当該連結子法人はその時において連結親法人との間に当該連結親法人による連結完全支配関係を有しないこととなることに留意する。(平19年課法2−17「二」、平22年課法2−1「二」により改正)

(最初連結事業年度開始の日に完全支配関係を有することとなった法人の取扱い)

1−2−6 法第4条の3第3項《連結納税の承認》の規定により承認があったとみなされる他の内国法人は、最初の連結事業年度としようとする期間の開始の時に同条第1項の内国法人との間に完全支配関係があるものに限られるのであるから、例えば、当該最初の連結事業年度としようとする期間の開始の日に当該内国法人によって設立された法人のように当該開始の日において当該内国法人との間に完全支配関係を有することとなった法人は、これに該当せず、同条第10項《連結納税への加入》の規定の適用があることに留意する。(平15年課法2−12「二」、平22年課法2−1「二」により改正)

(連結完全支配関係を有しなくなる事実)

1−2−7 法第4条の5第2項第5号《連結納税の承認のみなし取消し》に規定する「連結完全支配関係を有しなくなったこと」には、例えば、次に掲げる事実がこれに該当する。(平15年課法2−12「二」、平19年課法2−17「二」、平22年課法2−1「二」により改正)

(1) 連結子法人の発行済株式又は出資(以下1−2−7において「発行済株式等」という。)の全部又は一部が当該連結子法人との間に連結完全支配関係がない者に保有されることとなったこと

(2) 連結子法人の発行済株式等の全部又は一部を直接又は間接に保有する他の連結子法人(以下第3節までにおいて「株式等保有連結子法人」という。)に次に掲げる事実が生じたことに基因して連結完全支配関係を有しなくなったこと

イ 株式等保有連結子法人の発行済株式等の全部又は一部が当該株式等保有連結子法人との間に連結完全支配関係のない者に保有されることとなったこと

ロ 解散(破産手続開始の決定による解散に限る。)

ハ 合併による解散(当該株式等保有連結子法人との間に連結完全支配関係がある連結法人との合併による解散を除く。)

ニ 同条第1項《連結納税の承認の取消し》の規定により連結納税の承認を取り消されたこと

ホ 令第4条の2第2項《支配関係及び完全支配関係》に規定する「割合」が5%以上となったこと

(3) 連結親法人が法第4条の5第1項の規定により連結納税の承認を取り消されたこと