(原料免税石化製品の範囲等)

第74条 炭化水素の名称で掲げられている原料免税石化製品の範囲は、当該名称の単一の炭化水素に限るものとし、当該名称の単一の炭化水素に異性体がある次の各号に掲げるものの範囲については、当該各号に定めるところによる。

(1) イソペンタン  2-メチルブタンをいう。

(2) イソヘキサン  2-メチルペンタンをいう。

(3) キシロール  オルソキシロール、メタキシロール又はパラキシロールをいう。

(4) イソオクタン  2.2.4-トルメチルペンタンをいう。

(5) イソノナン  2-メチルオクタンをいう。

2 炭化水素の名称で掲げられている原料免税石化製品のうち次の各号に掲げるものには、前項の規定にかかわらず、当分の間、当該各号に定める炭化水素を含めて取り扱う。ただし、第2号から第9号までに定める炭化水素油については、その製造を必要とする理由(当該各号に掲げる名称の単一の炭化水素が製造できない技術的理由を含む。)及び製造方法の詳細をその製造場の所在地の所轄税務署長に届け出て、あらかじめ当該税務署長の確認を受けている場合に限るものとする。(昭59間消4−72、平8課消4−32改正)

(1) アセチレン、エチレン、プロピレン、プロパン、ブチレン又はブタン 通常当該名称で取引され、かつ、当該名称の炭化水素を主成分とするもの

(2)  ベンゾール ベンゾールを全重量の100分の60以上含有し、かつ、揮発油に該当しない炭化水素油

(3)  トルオール トルオールを全重量の100分の60以上含有し、かつ、揮発油に該当しない炭化水素油

(4) キシロール キシロール(エチルベンゾールを除く。以下次号において同じ。)を全重量の100分の60以上含有し、かつ、揮発油に該当しない炭化水素油

(5) アルキルベンゾール 各種のアルキルベンゾール(トルオール、キシロール及びエチルベンゾールを含む。以下この号において同じ。)又はベンゾール及びアルキルベンゾールを全重量の100分の60以上含有し、かつ、揮発油に該当しない炭化水素油で、前3号に該当しないもの

(6) ノルマルヘキサン ノルマルヘキサンを全重量の100分の55以上含有し、かつ、温度差が2度以内である炭化水素油

(7) ジイソブチレン イソブチレンの二量体を全重量の100分の95以上含有し、かつ、温度差が2度以内である炭化水素油

(8) シクロヘキサン 凍結防止のための添加剤を混和した炭化水素油で、シクロヘキサンの含有量が全重量の100分の90以上であるもの

(9) イソヘキサン 2‐メチルペンタン、3‐メチルペンタン、2.2ジメチルブタン又は2.3ジメチルブタンのうち2種類以上を含有するもので、これらの炭化水素を全重量の100分の95以上含有し、かつ、温度差が2度以内である炭化水素油

(注)

1 ただし書の確認は、当該炭化水素油が揮発油の増量用原料又は自動車の内燃機関の燃料等に供されることを防止するため行うものであるから留意する。

2 当該炭化水素油が、揮発油の半製品、原料免税石化製品の半製品又は第25条第2項《特定石化製品の消費等》の規定により特定石化製品と同様に取り扱われるものに該当する場合は、当該確認を行う必要はない。

3 炭化水素以外の名称で掲げられている原料免税石化製品のうち、次の各号に掲げるものには、当該各号に定める物を含めて取り扱う。(昭61間消5−96改正)

(1) アセトン アセトンとその他の物との混合物で、アセトンを全重量の100分の80以上含有するもの

(2) 高級アルデヒド(1分子を構成する炭素の原子の数が6個以上のアルデヒドをいう。) 2種類以上の当該高級アルデヒドの混合物

(3) 高級アルコール(1分子を構成する炭素の原子の数が6個以上のアルコールをいう。) 2種類以上の当該高級アルコールの混合物

(4) アルキルフエノール 2種類以上のアルキルフエノールの混合物

4 前2項の各号に定める物に該当するかどうかは、ガスクロマトグラフイーその他適正と認められる方法により判定する。

5 租特令第47条第11号《掲名石化製品及び用途》に規定する「同条第1項に規定する一般ガス事業の用又は同条第6項に規定する大口ガス事業の用として製造するもの」とは、ガス事業法(昭和29年法律第51号)第2条第2項《定義》に規定する一般ガス事業者又は同条第7項に規定する大口ガス事業者が導管によつて供給するガス事業の用として製造するもの(これらの者が自家消費するものを含む。)をいう。(平8課消4−32、平10課消4−15、平13課消3−14、平14課消3−8改正)

(「原料用」の範囲)

第75条 反応炉等の内部で原料用揮発油を分解するための熱源として、当該揮発油の一部を燃焼させることとしているいわゆる部分燃焼方式の装置によつてエチレン等を製造するような場合には、その燃焼用に消費される部分の揮発油も租特令第47条《掲名石化製品及び用途》に規定する「原料用」に消費される揮発油に含めて取り扱うものとする。

2 租特令第47条第1号の規定により、「原料用」に含むものとされる「当該石油化学製品の製造装置につき試運転その他調整を要する場合において、当該製品が製造されないこととなるときの消費」とは、原料免税石化製品の製造の前段階における試運転用、当該製造装置の洗浄用、その製造のために使用する触媒又は腐食防止剤その他これらに類するものの溶剤(再生溶剤を含む。)用又はその製造工程中におけるガス組成の調整用等の消費をいうことに取り扱う。

(「炭化水素の吸収剤用」等の範囲)

第76条 租特令第47条第2号《掲名石化製品及び用途》に掲げる「炭化水素の吸収剤用」とは、石油化学製品の製造又は石油精製の工程中に発生する副生ガス等からブタジエンを製造する工程において、ブタジエン、ノルマルブタン及びノルマルブチレン等の炭化水素を当該副生ガス等から吸収するための用途をいう。

2 租特令第47条第3号及び第5号に掲げる「重合溶剤用又は共重合溶剤用」とは、重合又は共重合に使用する触媒を分散させ、又はエチレンその他の原料をその揮発油により溶解するための用途をいい、当該重合又は共重合に係る工程において、未反応ガスの分離若しくは吸収又は重合若しくは共重合反応による生成物の濃度調整用等にも供されている場合における当該用途を含む。(平13課消3−14、平14課消3−8改正)

3 租特令第47条第3号の規定により「重合溶剤用又は共重合溶剤用」に含むものとされる「重合溶剤又は共重合溶剤の分離用」とは、所定の重合をしたポリエチレン又はポリプロピレンから、触媒の分散又は原料の溶解等のために使用した重合又は共重合用の溶剤(免税揮発油以外の物を含む。)及び不完全重合物を分離させるための用途をいう。

4 租特令第47条第4号の規定に掲げる「重合溶剤用」とは、重合に使用する触媒を分散させ、又はビニルエーテルをその揮発油により溶解するための用途をいう。(平14課消3−8追加)

5 租特令第47条第5号に規定する次の各号に掲げる用途の範囲は、当該各号に定めるところによる。(平13課消3−14追加、平14課消3−8改正)

(1) 重合溶剤用 重合に使用する触媒を分散させ、又はアクリル酸をその揮発油により溶解するための用途をいう。

(2) 共重合溶剤用 アクリル酸とアクリル酸塩の共重合物を製造する工程において、水に溶解させたアクリル酸又はアクリル酸塩を分散させる用途をいい、当該共重合物から水を分離させるためにも供されている場合における当該用途を含む。

6 租特令第47条第6号の規定により、ポリイソブチレン及びブチルゴムに係る「重合溶剤用又は共重合溶剤用」に含むものとされる次の各号に掲げる用途の範囲は、当該各号に定めるところによる。 (平13課消3−14、平14課消3−8改正)

(1)  重合反応器又は共重合反応器の再生のための溶剤用 重合反応器又は共重合反応器の壁面に付着したポリイソブチレン若しくはブチルゴム又は不純物等の析出物を除去するための用途をいう。

(2) 重合溶剤又は共重合溶剤の再生工程における精留塔の熱交換器の機能低下防止用イソブチレンの重合溶剤又はイソブチレンとイソプレンとの共重合溶剤を再生するための精留塔に附属する熱交換器に付着した析出物を除去するための用途をいう。

7 租特令第47条第7号に掲げる「結晶性ポリスチレン」とは、当該ポリスチレンを構成する分子の配列が規則的であるものをいい、同号に掲げる「反応熱の冷却剤用」とは、結晶性ポリスチレンを製造する工程において、重合反応器内でその揮発油を気化させることにより、その重合反応器内で発生する反応熱を除去するための用途をいう。(平10課消4−15追加、平13課消3−14、平14課消3−8改正)

8 租特令第47条第8号に掲げる「発泡剤用」とは、ポリエチレン又はポリスチレンを発泡性のものとするため、ポリエチレン又はポリスチレンを製造する工程において、エチレンモノマー又はスチレンモノマーに混和するための用途及びポリエチレン又はポリスチレンに含浸させるための用途をいう。(平10課消4−15、平13課消3−14、平14課消3−8改正)

9 租特令第47条第9号に掲げる「メタンの吸収剤用」とは、揮発油が分解して発生した水素とメタンとの混合ガスから水素を製造する工程において、メタンを吸収するための用途をいう。(平10課消4−15、平13課消3−14、平14課消3−8改正)

10 租特規則第38条《装置の指定》に規定する次の各号の装置の範囲は、当該各号に定めるところによる。(平10課消4−15、平13課消3−14、平14課消3−8改正)

(1) 金属性反応管による原料分解装置 原料が通過する金属性反応管をその外部から加熱して、当該原料を分解させるいわゆる外熱方式の原料分解装置をいう。

(2) 金属性触媒を使用する断続式原料分解装置 原料用揮発油を分解するための所要熱量を反応炉内において揮発油を燃焼させて蓄積する加熱期と、その蓄積させた熱により原料用揮発油を分解する製造期とを一定間隔で交互に繰り返すいわゆるサイクリツク方式のガス発生装置のうち、その分解の過程においてニツケル、コバルト等の金属性触媒を使用するものをいう。

11 租特令第47条第9号から第11号までに掲げる「財務省令で定める装置の昇温用若しくは保温用」とは、前項各号の装置で原料を熱分解する場合において、当該装置を熱分解に必要な温度にまで上昇させ、かつ、その温度を維持するために、当該装置を直接に加熱するための用途をいう。 (平10課消4−15、平12課消1−62、平13課消3−14、平14課消3−8改正)

(注) 原料予熱器又は原料分解装置に接続したスチーム発生装置の熱源用等は、当該用途に該当しないことに留意する。

(記帳命令をすべき事項)

第77条 掲名石化製品の製造者に対して記帳の命令をすべき事項のうち租特令第47条の3第2項第2号《記帳等の命令》に規定する「その他参考となるべき事項」とは、同号に規定する「当該揮発油を消費して製造した石油化学製品」と同時に製造された掲名石化製品以外の物の種類、種類ごとの数量、製造の年月日、販売数量、販売の年月日、使用数量、使用目的及び使用の年月日並びにその他の参考事項をいう。