(場内消費の範囲等)

第21条 場内消費課税の規定は、製造場又は保税地域において、揮発油が自動車の内燃機関の燃料、溶剤、洗浄(揮発油又は原料免税石化製品の製造装置の洗浄を除く。以下この項において同じ。)若しくは熱源等の用に消費され、又は石油化学製品その他の揮発油以外の物を製造するための原料等として消費されることにより、将来揮発油としてその製造場又は保税地域から現実に移出又は引取りが行われる可能性がなくなり、揮発油税の課税に支障をきたす場合に適用する趣旨であるから、揮発油が、洗浄又は流量計の器差試験のように、繰り返し使用され、又は再び揮発油として移出若しくは引取りされることが可能な用途に使用される場合には、その使用により消滅した数量又は廃油(その製造場又は保税地域において再生用に供されるものを除く。)となる数量の揮発油に対してのみ適用するものとする。

2 製造場又は保税地域において、揮発油が次に掲げるような用途に利用されており、かつ、その利用された揮発油が、更にその製造場若しくは保税地域から移出若しくは引取りされ、又はその製造場若しくは保税地域において消費されることとなる場合には、当該利用行為が揮発油の欠減を伴うものであつても、揮発油の消費には該当しないことに取り扱う。

(1) 熱交換等の方法により他の物を加熱又は冷却するための用途

(2) 揮発油若しくは掲名石化製品の製造装置又はこれに附属する設備の機能の維持を図るメカニカルシール等のための用途

(「新たな揮発油を製造するために消費される場合」の範囲等)

第22条 場内消費不適用の規定に規定する「新たな揮発油を製造するために消費される場合」とは、積極的操作を加えて原料揮発油を新たな揮発油に転換させるために、当該原料揮発油が消費される場合をいい、次に掲げる場合を含めて取り扱う。(昭59間消4−72改正)

(1) いつたん揮発油以外の物を製造し、更にその物を原料として新たな揮発油を製造する工程における当該揮発油以外の物(以下「揮発油の半製品」という。)の製造用に、原料揮発油が消費される場合

(注) 新たな揮発油を製造する工程においていつたん製造された物が租特法上のみなし揮発油に該当する場合には、揮発油そのものとなり、揮発油の半製品には該当しないのであるから留意する。

(2) 揮発油の製造装置(同一の製造工程において他の製品が併産されるものを含む。)の洗浄用又は当該製造装置に組み込まれた加熱炉において公害防止等の目的で、揮発油の原料を加熱するための燃料用として揮発油が消費される場合

(3) 揮発油の製造工程において使用される触媒又は腐食防止剤その他これらに類するものの溶剤(再生溶剤を含む。)として揮発油が消費される場合

2 前項第1号の場合には、揮発油の半製品が原料免税石化製品と同一の名称の炭化水素に該当するときにおいても、その原料揮発油の消費につき石化免税の規定を適用する必要はないのであるから留意する。ただし、当該炭化水素が、他の原料免税石化製品と併産されるものである場合又は原料免税石化製品の原料にも供されることが予定されている場合には、当該炭化水素の原料として消費される原料揮発油の全量につき、便宜、石化免税の規定を適用することとして差し支えない。(昭59間消4−72改正)

(注) ただし書の規定の適用を受けて製造された炭化水素であつても、更に揮発油の原料として消費される部分については、原料免税石化製品ではなく、揮発油の半製品として取り扱われるのであるから留意する。

3 第1項第1号の場合において、いつたん揮発油の半製品を製造する製造場と、その半製品を原料として新たな揮発油を製造する製造場(当該揮発油の原料として、常時、課税済みの揮発油を消費するものを除く。)とが異なるときは、その半製品を法第14条第1項第1号《未納税移出》に掲げる揮発油と同様に取り扱い、その半製品が新たな揮発油の原料として消費された事績をいずれの製造場においても明らかにさせておくものとする。

4 揮発油を原料とする同一の製造工程において、新たな揮発油と揮発油以外の物(揮発油の半製品を除く。以下次項において同じ。)とが同時に製造される場合には、その製造された新たな揮発油(揮発油の半製品を含む。以下この項及び次項において同じ。)の数量に対応する数量の当該原料揮発油のみが、新たな揮発油を製造するために消費されたものとする。この場合における当該対応する数量は、当該原料揮発油の数量に、その製造された物の総重量のうちに占める当該新たな揮発油の重量の割合を乗じて計算する方法その他適正と認められる方法により計算する。

5 前項の場合において、揮発油以外の物が第24条第1項第1号《場内消費不適用として取り扱う場合》に掲げる物であるときは、当該原料揮発油の全量が新たな揮発油を製造するために消費されるものとして取り扱う。

(「石油化学製品の製造のため揮発油を消費すること」の範囲等)

第23条 掲名石化製品を製造する際、その前処理工程として、揮発油からいつたん掲名石化製品以外の物を製造する工程がある場合には、その物が当該掲名石化製品の製造のため租特令第47条《掲名石化製品及び用途》に定める用途に消費されるものである限り、その前処理工程にかけられる時に、当該揮発油が当該用途に消費されるものとして取り扱つて差し支えない。(昭59間消4−72改正)

(注) 当該掲名石化製品以外の物が揮発油に該当する場合であつてもこの取扱いの適用が受けられることに留意する。

2 揮発油又は前項の掲名石化製品以外の物を租特令第47条に定める用途に消費する行為及び当該消費により消滅しなかつたこれらの物を回収・再精製等して、更に当該用途に消費する行為が、同一の製造場において繰り返されている場合には、第21条第1項《場内消費の範囲等》の規定にかかわらず、最初に当該用途に供する揮発油の全量に対して場内消費課税の規定及び石化免税の規定を適用する。

3 原料免税石化製品の製造のため原料用に揮発油を消費する場合とは、積極的操作を加えて原料揮発油を原料免税石化製品に転換させるために、当該原料揮発油を消費する場合をいい、次に掲げる場合を含めて取り扱う。

(1) いつたん原料免税石化製品以外の物を製造し、更にその物を原料として原料免税石化製品を製造する工程における当該原料免税石化製品以外の物(以下「原料免税石化製品の半製品」という。)の製造用に、原料揮発油を消費する場合

(2) 第75条《「原料用」の範囲》に規定する用途に揮発油を消費する場合

4 前項第1号の場合において、いつたん原料免税石化製品の半製品を製造する製造場と、その半製品を原料として原料免税石化製品を製造する製造場とが異なり、かつ、その半製品が揮発油に該当しない物であるときは、その半製品を規則第1条第2号《未納税で移出できる揮発油》に掲げる揮発油と同様に取り扱い、その半製品が原料免税石化製品の原料として消費された事績をいずれの製造場においても明らかにさせておくものとする。

5 揮発油を原料とする同一の製造工程において原料免税石化製品と原料免税石化製品以外の物(原料免税石化製品の半製品を除く。以下次項において同じ。)とが同時に製造される場合には、その製造された原料免税石化製品(原料免税石化製品の半製品を含む。以下この項及び次項において同じ。)の数量に対応する数量の当該原料揮発油のみが原料免税石化製品の原料用に消費されたものとする。この場合における当該対応する数量は、当該原料揮発油の数量に、その製造された物の総重量のうちに占める当該原料免税石化製品の重量の割合を乗じて計算する方法その他適正と認められる方法により計算する。

6 前項の場合において、原料免税石化製品以外の物が新たな揮発油(揮発油の半製品を含む。)又は次条第1項第1号《場内消費不適用として取り扱う場合》に掲げる物であるときは、当該原料揮発油の全量が原料免税石化製品の原料用に消費されるものとして取り扱う。(昭59間消4−72改正)

(注)

1 原料免税石化製品が2種類以上製造されている場合においても、それぞれに対応する当該原料揮発油の消費数量の計算を省略して差し支えない。

2 新たな揮発油については、その製造場からの移出の時に、揮発油税の課税又は免除がされることに留意する。

(場内消費不適用として取り扱う場合)

第24条 次に掲げる場合には、場内消費課税の規定を適用しないことに取り扱う。

(1) 揮発油以外の物のうち次に掲げるものの原料として揮発油を消費する場合

イ 水素、メタン、エタン、プロパン若しくはブタン等のガス又はペンタン留分(他の物の製造工程において、これに付随して製造されるものに限る。)

ロ 灯油の規格を有する炭化水素油又はその他の炭化水素油で90%留出温度が267度を超えるもの(以下これらを「重質油」という。)

ハ 炭化水素油で、重質油若しくはニに掲げる物を製造するための中間原料とされるもの又は廃棄若しくは焼却されるもの

ニ 硫黄、カーボンブラツク等(原料揮発油中に存在した又は製造工程中に生じた不純物等から取得したものに限る。)

(2) 石油製品(揮発油を含む。)又は石油化学製品等の製造工程において、付随的に製造された揮発油を廃棄又は焼却する場合

(3) 天然ガスを採取する際同時に採取される炭化水素油、原油に該当する炭化水素油又はこれらを混和した炭化水素油のうち揮発油に該当するものを、他の原油等と混和して、第8条第1号《揮発油に該当しないことに取り扱う炭化水素油》に掲げる炭化水素油とする場合

2 原油、石炭、重質油又は石油化学製品等の揮発油以外の物を原料として新たな揮発油以外の物を製造するための一単位の製造工程において、いつたん揮発油が製造され、更に当該揮発油の全部又は一部がそのまま新たな揮発油以外の物の原料として消費されている場合は、当該原料用に揮発油を消費することについて場内消費課税の規定を適用しないことに取り扱う。

(注)  「一単位の製造工程」とは、常圧蒸留装置、接触改質装置、水素化分解装置等通常ユニット(集中合理化製造装置にあつてはセクション)等と称される一連の製造装置による製造工程をいう。

3  前項の規定に該当する場合において、その製造された揮発油以外の物が重質油に該当しない炭化水素油であるときは、当該炭化水素油が揮発油の原料として好適であることにかんがみ、その物の製造者に対し、その製造、移出、荷受人、最終需要者及び運送に関する事項を明らかにさせておくよう指導するものとする。(昭59間消4−72改正)

4 同一の製造場において特定石化製品を指定用途に供する工程の一環として、いつたん当該特定石化製品の指定用途外消費により揮発油が製造され、更に当該揮発油が指定用途に消費される場合には、当該揮発油の消費については、場内消費課税の規定を適用しないことに取り扱う。

(特定石化製品の消費等)

25条 指定用途に消費する工程中に、いつたん特定石化製品を指定用途外消費する工程がある場合には、その工程にかけられる時に、当該特定石化製品が指定用途に消費されるものとして取り扱つて差し支えない。

2 前項の場合において、指定用途外消費をする特定石化製品の製造場と当該指定用途外消費により製造される物を更に指定用途に消費する場所とが異なり、かつ、その物が揮発油に該当しない物であるときは、その物を特定石化製品と同様に取り扱い、その物が指定用途に消費された事績をいずれの場所においても明らかにさせておくものとする。ただし、その物が第81条第1項《一定の容器に収容された特定石化製品》に規定する販売用の容器に収容されているものである場合には、その販売先を帳簿その他の記録により明らかにさせておけば足りるものとする。

3 特定石化製品を指定用途に消費する行為、及び当該消費により消滅しなかつた物を回収・再精製等して更に当該指定用途に消費する行為が、同一の特定石化製品の製造場において繰り返されている場合には、最初の消費の時に当該特定石化製品の全量が当該指定用途に消費されたものとして取り扱う。

4 特定石化製品を消費する工程において、指定用途への消費と指定用途外消費とが同時に行われる場合には、合理的な方法によりあん分して算出された数量の当該特定石化製品のみが、指定用途に消費されたものとする。

5 前項の場合において、指定用途外消費により製造された物が、前条第1項第1号《場内消費不適用として取り扱う場合》に掲げる物であるときは、当該特定石化製品の全量が指定用途に消費されるものとして取り扱う。

6 特定石化製品を揮発油(揮発油の半製品を含む。)の製造用に供する場合の指定用途外消費は、新たな揮発油を製造するための揮発油の消費とみなされ、当該消費について場内消費不適用の規定が適用されるのであるから留意する。

(注) 当該製造された物については、その製造場からの移出の時に、その全量に対して揮発油税の課税又は免除がされることに留意する。

7 前項の指定用途外消費が、特定石化製品と課税済みの揮発油とを混和してベンジン類を製造するために行われる場合には、同項の規定にかかわらず、場内消費不適用の規定を適用せず、当該指定用途外消費につき揮発油税を課する。(平元間消5−13改正)

(注) この場合における当該ベンジン類は、第19条第1項第4号《課税しないことに取り扱う揮発油》に掲げる揮発油に該当する。

(「滞納処分」の意義等)

第26条 法第5条第3項《換価を移出とみなす場合》に規定する次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。(昭59間消4−72改正)

(1) 滞納処分 国税徴収法(昭和34年法律第147号)第5章《滞納処分》の規定に基づく滞納処分をいう。

(2) その例による処分 国及び公共団体の収入金等の徴収につき国税徴収法に規定する滞納処分の例により行う滞納処分をいう。

(3) 強制執行 民事執行法(昭和54年法律第4号)等の規定に基づき行う強制執行をいう。

(4) 担保権の実行としての競売 競売法等の規定に基づき行う担保権の実行としての競売をいう。

(5) 企業担保権の実行手続 企業担保法の規定に基づき行う企業担保権の実行手続をいう。

(6) 破産手続 破産法の規定に基づき行う破産手続をいう。

(換価を移出とみなす場合の納税義務成立の時期等)

第27条 法第5条第3項《換価を移出とみなす場合》に規定する「換価の時」とは、換価された揮発油の代金を買受人が納付した時をいう。

2 法第5条第3項の規定は、滞納処分等の手続(前条各号《「滞納処分」の意義等》に掲げる手続をいう。以下同じ。)により差し押えられた揮発油が公売場等に換価のため搬出され、搬出先において換価された場合においても適用する。この場合においては、当該揮発油の代金を買受人が納付した時に搬出元の製造場から移出されたものとして取り扱う。

3 揮発油が滞納処分等の手続により換価される前に、当該揮発油の製造者がその製造場における揮発油の製造を廃止した場合は、法第5条第4項ただし書《製造廃止の場合のみなし移出等》に規定する承認を受けない限り、その廃止の時に当該揮発油につき同項本文の規定が適用されるのであるから留意する。

4 法第5条第3項の規定により移出したものとみなされた揮発油に係る揮発油税の徴収は、国税通則法(昭和37年法律第66号)第39条第1項《強制換価の場合の消費税等の徴収の特例》の規定により、その売却代金のうちから徴収することができるのであるから留意する。

(「製造を廃止した場合」の意義等)

第28条 法第5条第4項《製造廃止の場合のみなし移出等》に規定する「製造を廃止した場合」とは、事実上製造を廃止した場合のほか、製造場を移転した場合、事業を譲渡した場合、法人成りの場合及び分割により事業を継承させた場合等も含まれるのであるから留意する。(平13課消3−14、平18課消3−36改正)

2 事業を譲渡した場合、法人成りの場合又は会社分割があった場合等で、その時にその製造場に現存する揮発油についても譲渡し、若しくは承継させるときは、当該譲渡により移出したものとみなされる時に、その移出したものとみなされる揮発油について、法第14条第1項第5号《未納税移出》の規定の適用があるものとして同号の承認を与えて差し支えない。(平13課消3−14、平18課消3−36、平30課消4−19改正)

(みなし製造場として税務署長の指定する期間)

第29条 法第5条第5項《製造廃止後におけるみなし製造場》に規定する「税務署長の指定する期間」は、製造者の経営の実態等を十分考慮して、揮発油税の保全上支障がないと認められる範囲において決定する。

(滞納処分等に係る特定石化製品)

第30条 特定石化製品が滞納処分等の手続により換価される場合には、買受人の購入の目的に従つて租特法第89条の2第4項本文《揮発油の移出等とみなす場合》の規定又は特定石化製品の非課税移出の規定を適用するものとし、その代金を買受人が納付した時に、特定石化製品の製造場から当該特定石化製品が移出されたものとして取り扱う。この場合において、その買受人によりその製造場で引き続き蔵置される特定石化製品は、租特令第47条の4第4項《特定石化製品の蔵置の目的》に規定する「長期間にわたつて貯蔵する目的」に充てるための特定石化製品(以下次項において「長期間蔵置の特定石化製品」という。)に該当することに取り扱う。

2 特定石化製品の製造者がその製造を廃止した場合において、その製造場に現存する特定石化製品については、法第5条第4項《製造廃止の場合のみなし移出等》の規定の適用はないのであるから留意する。ただし、その製造の廃止が事業の譲渡又は法人成りに該当する場合において、当該特定石化製品をも譲渡するときは、当該特定石化製品を長期間蔵置の特定石化製品に該当するものとして、当該譲渡の時に、特定石化製品の非課税移出の規定を適用することに取り扱う。(平18課消3−36改正)