(製造の定義)

第9条 揮発油の製造とは、原油、揮発油その他の物に積極的操作を加えて揮発油を造り出す行為をいい、その造り出された揮発油が容器に収容されるかどうかは問わない。

(注) 揮発油以外の物を取り出す留出線から、その物の製造者が予期しない現象として揮発油が一時的に造り出され、それがそのまま当該揮発油以外の物に混入してしまうこととなるようなときは、揮発油の製造はなかつたこととして差し支えないのであるから留意する。

2 前項に規定する「積極的操作」とは、蒸留、分解、改質若しくは脱硫をする等の精製操作、揮発油と揮発油以外の物、規格を異にする2種以上の揮発油若しくは2種以上の単一の炭化水素を混和する等のブレンド操作又はこれらの操作を組み合わせた操作をいい、揮発油を天然ガスから分離する操作、炭化水素ガスを他の炭化水素に吸着させる操作若しくは揮発油、ペンタン留分、廃油その他の物から不純物を除去する操作を含む。

3 課税済みの揮発油につき、輸送途中又は移出先に到着後において、コンタミネーション(油槽のバルブの故障、錯誤その他のやむを得ない事情により揮発油と他の物(灯油を含む。)とが混和され、その揮発油の品質が変化することをいう。以下同じ。)が発生した場合には、そのコンタミネーションに係る炭化水素油(これに更に他の課税済みの揮発油を混和したものを含む。以下この頃において同じ。)が揮発油に該当し、かつ、それが一般の課税済みの揮発油と同等の用途に供する商品として取引されるときにおいてのみ、当該コンタミネーションを揮発油の製造に該当することに取り扱う。この場合において、当該コンタミネーションの事実につき、事故発生場所の最寄りの税務署の税務署長の証明を受けているときは、当該炭化水素油の数量から当該炭化水素油に含まれている課税済みの揮発油の数量を控除した数量の揮発油が、新たに製造されたことに取り扱つて差し支えない。

(注) コンタミネーションに係る炭化水素油が製造場に搬入される場合には、第96条《コンタミネーションに係る揮発油の戻入れ等》の規定の適用があることに留意する。

(製造として取り扱わない行為)

第10条 次に掲げる行為は、前条第1項《製造の定義》の規定にかかわらず揮発油の製造には該当しないことに取り扱う。(昭59間消4−72、平20課消3-40改正)

(1) 炭化水素の製造装置内を循環させる揮発油(その装置の定期修理等のため、一時的にその装置から取り出し、再び循環の用に供されるものを含む。)を当該製造装置により造り出す行為

(2) 課税済みの揮発油を2種以上混和して新たな揮発油とする行為

(3) 課税済みの揮発油から発生した炭化水素ガスを課税済みの揮発油に吸着させて揮発油を回収する行為

(4) 課税済みの揮発油に少量の潤滑油を混和して、自動2輪車等のエンジンの燃料及び潤滑剤として使用されるいわゆる混合油とする行為

(5) 揮発油に微量の酸化防止剤等を添加して当該揮発油の品質を高める行為

(6) 課税済みの揮発油、特定用途免税の揮発油、灯油又は揮発油以外の炭化水素(特定石化製品を含む。)を、溶剤用、抽出用又はドライクリーニング用等の工業用の用途(指定用途を含む。)に消費した場所において、その消費の後に回収された炭化水素等に前条第2項に規定する積極的操作(以下「積極的操作」という。)を加えて、同一用途に消費するための新たな揮発油を造り出す行為

(7) 未納税免税の揮発油にやむを得ず他の物が混入される場合の当該混入行為(その混入後の総体が未納税免税の揮発油となる場合に限る。)

(8) 特定用途免税の揮発油と他の物とを混合して使用することとしている場所において、租特法第89条の3第1項及び同法第90条第1項《特定用途免税》に掲げる用途(以下「特定用途」という。)に消費するために、これらの物を混和して揮発油(租特令第47条の7第2項各号、同令第48条第2項各号《特定用途免税の揮発油の規格》に定める規格(以下「免税規格」という。)を有しなくなるもの及び当該混和後一定期間貯蔵されるものを含む。)を造り出す行為

(製造場の区域)

第11条 製造場の敷地が道路又は運河を隔てる等連続していない場合において、その隔てられた場所が相互に近接し、かつ、揮発油の製造、貯蔵等が同一管理人によつて集中的に管理されているときは、その実態に応じ当該製造場を一つの製造場として取り扱う。

2 一つの製造場で、敷地が2以上の税務署の管轄区域にまたがるものについては、主要建物、事務所、揮発油の搬出入口の所在地等を勘案して、国税局長が定める税務署の管轄区域内にあるものとする。

3 前2項の規定は、特定石化製品の製造場について準用する。

(製造場の範囲の特例)

第12条 第9条第3項《製造の定義》の規定により、コンタミネーシヨンが揮発油の製造として取り扱われる場合には、その製造されたものとして取り扱われる揮発油についてのみその製造として取り扱われることとなつた場所を製造場として取り扱い、当該コンタミネーシヨンを理由としてその場所にある他の揮発油についてまで法第3条第1項《納税義務者》の規定の適用はしないものとする。

2 炭化水素の蔵置場(法定製造場を含む。)で、貯蔵又は荷扱い等の過程において発生する炭化水素ガスを炭化水素に吸着させて回収する方法により揮発油の製造が行われる場合には、その回収行為により製造された揮発油についてのみ当該蔵置場を製造場として取り扱い、当該回収行為があつたことを理由として、その場所にある他の揮発油についてまで法第3条第1項の規定の適用はしないものとする。

3 前項の蔵置場が法定製造場に該当し、同項の回収行為が課税済みの揮発油から発生した炭化水素ガスを未納税免税の揮発油に吸着させる行為である場合において、当該回収数量が明らかであるときは、当該数量と等しい数量の課税済みの揮発油が未納税免税の揮発油に混入されたことに取り扱う。

(注) この場合における当該混入後の揮発油については、第20条第1項《課税済みの揮発油が混入した未納税免税の揮発油の特例等》の規定を適用できるのであるから留意する。

4  租特法上のみなし揮発油のみを製造している場合には、当該みなし揮発油についてのみその場所を製造場として取り扱い、その場所が揮発油の製造場とみなされることを理由として、その場所にある他の揮発油についてまで法第3条第1項の規定の適用はしないものとする。 (昭59間消4−72追加)

(法定製造場の範囲)

第13条 法第14条第6項又は法第14条の3第5項《製造者等とみなす場合》の規定は、未納税免税の揮発油についてのみ適用されるのであり、租特法第89条の2第8項《法の準用》において準用する法第14条第6項の規定は、租特法第89条の2第4項ただし書《揮発油の移出とみなされない場合》の規定(以下「特定石化製品の非課税移出の規定」という。)の適用に係るBTX類についてのみ適用されるのであるから留意する。(平30課消4−19改正)

2 製造場からの移出に係る未納税免税の揮発油に該当するものとしてその移出先に移入された後、その移出元において法第14条第2項《未納税免税の不適用》の規定により揮発油税が免除されないこととなつた揮発油については、同条第6項の規定の適用はないのであるから留意する。

3 保税地域からの引取りに係る未納税免税の揮発油に該当するものとしてその引取先に移入された後、その引取元において法第14条の3第7項《未納税免税の不適用》の規定により揮発油税が徴収されることとなつた揮発油については、同条第5項の規定の適用はないのであるから留意する。(平30課消4−19改正)

4 特定石化製品の非課税移出の規定の適用を受けるものとして移出されたBTX類が、その移出先に移入された後、その移出元が租特法第89条の2第6項《書面及び書類の提出》に規定する手続をしなかつたため、特定石化製品の非課税移出の規定の適用を受けないこととなつた場合には、そのBTX類については、同条第8項において準用する法第14条第6項の規定の適用はないのであるから留意する。

(注) 第2項から第4項までの場合において、法定製造場又は特定石化製品の法定製造場となるべきであつた場所から当該移入に係る揮発油又はBTX類が既に移出され、かつ、その税額が確定しているときは、その税額について減額の更正を行うのであるから留意する。

(保税地域に該当する製造場)

第14条 製造場が保税地域に該当する場合で、関税法(昭和29年法律第61号)第58条の2《納税申告の特例》の規定により揮発油の輸入の許可を受けたとき又は内国貨物に該当する揮発油が搬入されたときは、当該許可又は搬入に係る内国貨物に該当する揮発油については、法第4条《保税地域に該当する製造場》の規定により保税地域に該当しない製造場にあるものとなるのであるから留意する。

2 特定石化製品の製造場が保税地域に該当する場合には、特定石化製品が内国貨物に該当する揮発油を消費して製造されるものであることから、その製造場を保税地域に該当しない特定石化製品の製造場として取り扱うこととなるのであるから留意する。