別表第1 課税物件、課税標準及び税率の取扱い

不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書

(不動産の意義)

1 「不動産」とは、おおむね次に掲げるものをいう。(平18課消3−36、令4課消4-24改正)

(1) 民法(明治29年法律第89号)第86条《不動産及び動産》に規定する不動産

(2) 工場抵当法(明治38年法律第54号)第9条の規定により登記された工場財団

(3) 鉱業抵当法(明治38年法律第55号)第3条の規定により登記された鉱業財団

(4) 漁業財団抵当法(大正14年法律第9号)第5条の規定により登記された漁業財団

(5) 港湾運送事業法(昭和26年法律第161号)第26条《工場抵当法の準用》の規定により登記された港湾運送事業財団

(6) 道路交通事業抵当法(昭和27年法律第204号)第6条《所有権保存の登記》の規定により登記された道路交通事業財団

(7) 観光施設財団抵当法(昭和43年法律第91号)第7条《所有権の保存の登記》の規定により登記された観光施設財団

(8) 立木ニ関スル法律(明治42年法律第22号)の規定により登記された立木
 ただし、登記されていない立木であっても明認方法を施したものは、不動産として取り扱う。
 なお、いずれの場合においても、立木を立木としてではなく、伐採して木材等とするものとして譲渡することが明らかであるときは、不動産として取り扱わず、物品として取り扱う。

(9) 鉄道抵当法(明治38年法律第53号)第28条の2の規定により登録された鉄道財団

(10) 軌道ノ抵当ニ関スル法律(明治42年法律第28号)第1条の規定により登録された軌道財団

(11) 自動車交通事業法(昭和6年法律第52号)第38条の規定により登録された自動車交通事業財団

(不動産の従物)

2 不動産とその附属物の譲渡契約書で、当該不動産と当該附属物の価額をそれぞれ区分して記載しているものの記載金額の取扱いは、次による。(平18課消3−36改正)

(1) 当該附属物が当該不動産に対して従物(民法第87条《主物及び従物》の規定によるものをいう。以下この項において同じ。)の関係にある場合は、区分されている金額の合計額を第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)の記載金額とする。

(2) 当該附属物が当該不動産に対して従物の関係にない場合は、当該不動産に係る金額のみを第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)の記載金額とし、当該附属物に係る金額は第1号の1文書の記載金額としない。

(解体撤去を条件とする不動産の売買契約書)

3 老朽建物等の不動産を解体撤去することを条件として売買する場合に作成する契約書で、その売買価額が当該不動産の解体により生ずる素材価額相当額又はそれ以下の価額である等その不動産の構成素材の売買を内容とすることが明らかなものについては、課税文書に該当しないことに取り扱う。(平元間消3−15改正)

(不動産の売渡証書)

4 不動産の売買について、当事者双方が売買契約書を作成し、その後更に登記の際作成する不動産の売渡証書は、第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当する。
  なお、この場合の不動産の売渡証書に記載される登録免許税の課税標準たる評価額は、当該文書の記載金額には該当しない。

(不動産と動産との交換契約書の記載金額)

5 不動産と動産との交換を約する契約書は、第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に所属し、その記載金額の取扱いは、次による。

(1) 交換に係る不動産の価額が記載されている場合(動産の価額と交換差金とが記載されている等当該不動産の価額が計算できる場合を含む。)は、当該不動産の価額を記載金額とする。

(2) 交換差金のみが記載されていて、当該交換差金が動産提供者によって支払われる場合は、当該交換差金を記載金額とする。

(3) (1)又は(2)以外の場合は、記載金額がないものとする。

(不動産の買戻し約款付売買契約書)

6 買戻し約款のある不動産の売買契約書の記載金額の取扱いは、次による。(平18課消3−36改正)

(1) 買戻しが再売買の予約の方法によるものである場合は、当該不動産の売買に係る契約金額と再売買の予約に係る契約金額との合計金額を記載金額とする。

(2) 買戻しが民法第579条《買戻しの特約》に規定する売買の解除の方法によるものである場合は、当該不動産の売買に係る契約金額のみを記載金額とする。

(共有不動産の持分の譲渡契約書)

7 共有不動産の持分の譲渡契約書は、第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当するものとして取り扱う。

(遺産分割協議書)

8 相続不動産等を各相続人に分割することについて協議する場合に作成する遺産分割協議書は、単に共有遺産を各相続人に分割することを約すだけあって、不動産の譲渡を約するものでないから、第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当しない。

(鉱業権の意義)

9 「鉱業権」とは、鉱業法(昭和25年法律第289号)第5条《鉱業権》に規定する鉱業権をいい、同法第59条《登録》の規定により登録されたものに限る。

(特許権の意義)

10 「特許権」とは、特許法(昭和34年法律第121号)第66条《特許権の設定の登録》の規定により登録された特許権をいう。

(特許出願権譲渡証書)

11 発明に関する特許を受ける権利(出願権)の譲渡を約することを内容とする文書は、特許権そのものの譲渡を約することを内容とするものではないから、課税文書に該当しない。

(実用新案権の意義)

12 「実用新案権」とは、実用新案法(昭和34年法律第123号)第14条《実用新案権の設定の登録》の規定により登録された実用新案権をいう。

(商標権の意義)

13 「商標権」とは、商標法(昭和34年法律第127号)第18条《商標権の設定の登録》の規定により登録された商標権をいう。

(意匠権の意義)

14 「意匠権」とは、意匠法(昭和34年法律第125号)第20条《意匠権の設定の登録》の規定により登録された意匠権をいう。

(回路配置利用権の意義)

15 「回路配置利用権」とは、半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)第3条《回路配置利用権の設定の登録》の規定により登録された回路配置利用権をいう。(平元間消3−15追加)

(育成者権の意義)

16 「育成者権」とは、種苗法(平成10年法律第83号)第19条《育成者権の発生及び存続期間》の規定により登録された育成者権をいう。(平13課消3−12追加)

(商号の意義)

17 「商号」とは、商法(明治32年法律第48号)第11条《商号の選定》及び会社法(平成17年法律第86号)第6条《商号》に規定する商号をいう。(平13課消3−12、平18課消3−36改正)

(著作権の意義)

18 「著作権」とは、著作権法(昭和45年法律第48号)の規定に基づき著作者が著作物に対して有する権利をいう。(平13課消3−12改正)

(船舶の意義)

19 「船舶」とは、船舶法(明治32 年法律第46 号)第5 条に規定する船舶原簿に登録を要する総トン数20 トン以上の船舶及びこれに類する外国籍の船舶をいい、その他の船舶は物品として取り扱う。
 なお、小型船舶の登録等に関する法律(平成13 年法律第102 号)第3 条に規定する小型船舶登録原簿に登録を要する総トン数20 トン未満の小型船舶も物品として取り扱うのであるから留意する。(平13課消3−12改正、平15課消3−6改正)

(船舶委付証)

20 沈没した船舶に海上保険が付されている場合に船主が保険の目的物である船舶を保険会社に委付する際作成する船舶委付証は、契約の成立等を証明するものではないから、課税文書に該当しない。(平13課消3−12改正)

(航空機の意義)

21 「航空機」とは、航空法(昭和27年法律第231号)第2条《定義》に規定する航空機をいい、同法第3条《登録》の規定による登録の有無を問わない。(平13課消3−12改正)

(営業の譲渡の意義)

22 「営業の譲渡」とは、営業活動を構成している動産、不動産、債権、債務等を包括した一体的な権利、財産としてとらえられる営業の譲渡をいい、その一部の譲渡を含む。(昭59間消3−24、平13課消3−12改正)

(注) 営業譲渡契約書の記載金額は、その営業活動を構成している動産及び不動産等の金額をいうのではなく、その営業を譲渡することについて対価として支払われるべき金額をいう。