第6章 補則

(教示の方法)

82−1 審査法第82条第1項の規定による教示は、教示の有無又は内容についての紛争を避けるため、処分の通知書に併記する等の方法により書面によってこれを行うことに取り扱う。

(教示を必要としない処分)

82−2 国税に関する法律に基づく処分のうち、例えば、次に掲げるような不利益を与えるものでない処分については、審査法第82条第1項の教示を必要としないことに留意する。

(1) 納付すべき税額を減少させる更正又は賦課決定で更正の請求を待たずに職権で行う処分

(2) 青色申告の承認の申請に対してこれを承認する処分

(3) 相続税の延納申請に対してこれを申請どおり許可する処分

(4) 酒類の製造免許申請に対してこれを申請どおり免許する処分

(5) 差押えを解除する処分

(処分)

82−3 審査法第82条第2項に規定する「教示」が必要となる処分には、書面でする処分のほか、口頭でする処分及び事実上の行為が含まれるのであるが、同条第1項に規定する「教示」が必要となる処分には、口頭でする処分は含まれないことに留意する。

(注) 口頭でする処分には、例えば、担保として提供された金銭をもって消費税を納付させる場合における口頭による告知(法第36条第2項ただし書)がこれに該当する。

(教示の追完)

82−4 処分に際し教示を行わなかった場合又は誤った教示を行った場合において、法定の不服申立期間内に不服申立てをすることができると認められるときは、既に適法な不服申立てがされているときを除き、速やかに審査法第82条第1項の規定による教示を行うものとする。この場合においては、処分の際に行った教示と同様の効果を生じ、当該教示を行った日の翌日から改めて不服申立期間が進行するものではないことに留意する。

(教示を行わなかった場合等の処分の効力)

82−5 不服申立てをすることができる処分について、審査法第82条第1項の規定による教示を行わなかった場合又は誤った教示を行った場合においても、当該処分の効力には影響を及ぼさないことに留意する。

(教示すべき行政庁)

82−6 審査法第82条第2項の規定により教示を行うべき行政庁は処分庁であるが、法第75条第5項《当該職員がした処分についての不服申立て》又は法第85条第1項《納税地異動の場合における再調査の請求先等》の規定により処分庁とみなされる行政庁も教示を行うべき行政庁に含まれることに留意する。

(決定の際の教示をしなかった場合)

83−1 法第84条第9項《決定の際の教示》の規定による教示をしなかった場合についても、審査法第83条の規定に準じて取り扱う。

(審査請求又は再調査の請求とみなす場合の効果)

83−2 審査法第83条第4項又は第5項の規定により初めから審査請求又は再調査の請求がされたものとみなす場合の効果については、第1編112−3に準ずる。

(審査請求とみなされた場合の補正命令)

83−3 審査法第83条第4項の規定により不服申立てが審査請求とみなされた場合には、当該不服申立書の記載事項の不備等の補正命令も当該審査庁においてこれを行うことに留意する。

(審査請求とみなされた場合の副本)

83−4 審査法第83条第4項の規定により審査請求とみなされた不服申立てについては、22−3に準ずる。