(災害その他やむを得ない事情の範囲)

9−5−8 法第55条第3項第1号((不正行為等に係る費用等の損金不算入))に規定する「災害その他やむを得ない事情」の意義は、次に掲げるところによる。(令4年課法2−14「二十六」により追加)

(1) 「災害」とは、震災、風水害、冷害、雪害、干害、落雷、噴火その他の自然現象の異変による災害及び火災、鉱害、火薬類の爆発その他の人為による異常な災害並びに害虫、害獣その他の生物による異常な災害をいう。

(2) 「やむを得ない事情」とは、(1)に規定する災害に準ずるような状況又は同項の内国法人の責めに帰することができない状況にある事態をいう。

(帳簿書類その他の物件の意義)

9−5−9 法法第55条第3項第1号イ又はロ((不正行為等に係る費用等の損金不算入))に掲げる帳簿書類その他の物件とは、同項各号の取引が行われたことを明らかにする、又は推測させる一切の帳簿書類その他の物件で同項の内国法人が保存しているものをいうことに留意する。(令4年課法2−14「二十六」により追加)

(取引が行われたことが推測される場合)

9−5−10 法第55条第3項第2号((不正行為等に係る費用等の損金不算入))の取引が行われたことが推測される場合とは、同項の内国法人が保存する帳簿書類その他の物件により、その取引が行われたことが推測される場合をいうのであるが、例えば、当該内国法人の法人税に関する調査において、当該内国法人が帳簿書類その他の物件の提示又は提出をした場合に、当該帳簿書類その他の物件に、取引の年月日や具体的な内容は記載されているが金額が記載されていないときその他その取引が存在すると見込まれるような事実の記載があるときは、同号の取引が行われたことが推測される場合に該当することに留意する。(令4年課法2−14「二十六」により追加)

(相手方に対する調査その他の方法)

9−5−11 法第55条第3項第2号((不正行為等に係る費用等の損金不算入))の「相手方に対する調査その他の方法」には、例えば、次に掲げる方法が該当することに留意する。(令4年課法2−14「二十六」により追加)

(1) 通則法第74条の2第1項((当該職員の所得税等に関する調査に係る質問検査権))の規定による質問検査権の行使に基づく相手方に対する調査

(2) 通則法第74条の7の2第1項((特定事業者等への報告の求め))の規定による同項に規定する特定事業者等への報告の求め

(3) 通則法第74条の12第1項((当該職員の事業者等への協力要請))の規定による同項の事業者又は官公署への協力の求め

(4) 相手方が国税に関する法律その他の法令の規定に基づき所轄税務署長に提出した納税申告書、当該納税申告書に添付された書類その他当該相手方が法令の規定に基づき所轄税務署長に提出した書類の確認

(5) 法第55条第3項の内国法人から提出又は提示のあった取引の相手方が保存する当該取引に関する帳簿書類その他の物件の写しの確認

(注) (1)に掲げる相手方に対する調査は、相手方が支配又は管理をする場所(事業所等)等に臨場して行うものに限られず、個々の実情に応じ、相手方に電話をかけ、又は文書を発送して回答を求める方法によることもできることに留意する。
 なお、相手方が国外にある者である場合には、通常、当該相手方に対し通則法第74条の2第1項の規定による質問検査権の行使ができないため、(1)に掲げる方法以外の方法によることとなる。