配当計算書

1 法第133条第1項の「配当計算書」とは、法第131条《配当計算書》の配当計算書をいう。ただし、法第133条第2項の規定により更正されたときは、更正後の配当計算書をいう。

配当計算書に関する異議

(異議の範囲)

2 法第133条第2項の「配当計算書に関する異議」とは、配当計算書に記載された金額についての異議をいう。

(不服申立てとの関係)

3 換価代金等の配当に関して異議を有する者が、通則法の規定による再調査の請求又は処分庁を経由する審査請求と法第133条の異議の申出とを併せてした場合において、法第133条の異議の申出が認められなかったときは、不服申立てだけが審理されることとなる。
なお、再調査の請求又は処分庁を経由する審査請求だけがされた場合において、その内容が法第133条の異議に当たるときは、その部分については、法第133条の異議の申出が併せてされたものとして取り扱う。

(異議の申出者)

4 法第133条第2項の規定により異議の申出をすることができる者は、滞納者及びその異議が認められることによって配当される金額が増加することとなる者である。

(配当計算書の更正)

5 法第133条第2項各号の規定により配当計算書を更正したときは、その旨を配当計算書に関する異議に関係を有する者及び滞納者に通知するものとする。この書面の様式は、別に定めるところによる。

第1号の異議

(異議の内容)

6 法第133条第2項第1号の「配当計算書に記載された国税、地方税又は公課の配当金額に対するものであるとき」とは、異議が配当計算書に配当すべき金額として現に記載されている国税、地方税又は公課の金額についてのその金額の存否又は多少に関するものであるときをいい、行政機関等から異議の申出があったことにより、国税、地方税又は公課以外の債権に影響を与えることとなるときも含まれる。

(行政機関等)

7 法第133条第2項第1号の「その行政機関等」とは、配当計算書に関し、法第133条第2項第1号に規定する異議の申出があった場合において、その異議の目的となった配当金額を受けるべき行政機関等をいう。

(行政機関等からの通知)

8 法第133条第2項第1号の「行政機関等からの通知に従い」とは、異議の内容が7の行政機関等の権限に係るものである場合には、その行政機関等からその異議に関する通知を受け、その通知に従うことをいう。

第2号の異議

(異議の内容)

9 法第133条第2項第2号の「配当計算書に記載された国税、地方税又は公課の配当金額を変更させないものである場合」とは、異議を認めても配当計算書に記載された国税、地方税又は公課の配当金額に影響を与えない場合をいう。

(異議の関係者)

10 法第133条第2項第2号の「その異議に関係を有する者」とは、異議を認めることにより配当金額に影響を受けることとなる債権者をいう。

(合意)

11 法第133条第2項第2号の「その他の方法で合意したとき」とは、10の債権者と滞納者が、配当計算書に記載された金額以外の配当金額によることを合意したときをいう。

(供託)

12 法第133条第2項第2号の異議を正当と認めないとき又はその他の方法による合意がないことにより換価代金等を交付することができないときは、税務署長は、換価代金等を供託しなければならない(法第133条第3項、令第50条第1項)。この供託及び供託後の手続については、19に定めるところによる。

第3号の異議

(異議の内容)

13 法第133条第2項第3号の「配当計算書に記載された国税、地方税又は公課の配当金額を変更させるその他の債権の配当金額に関するものである場合」とは、異議が配当計算書に記載された国税、地方税又は公課に対する直接の異議ではなく、これら以外の債権の配当金額に関するものであって、その異議を認めることにより、国税、地方税又は公課の配当金額に影響を与えることとなる場合をいう。

(異議の関係者)

14 法第133条第2項第3号の「異議に関係を有する者」とは、異議を認めることにより配当金額に影響を受けることとなる債権者及び行政機関等をいう。

(合意)

15 法第133条第2項第3号の「その他の方法で合意したとき」とは、異議を認めることにより配当金額に影響を受けることとなる行政機関等及び債権者並びに滞納者が、配当計算書に記載された金額以外の金額によることを合意したときをいう。

(異議の参酌)

16 法第133条第2項第3号の「その異議を参酌して配当計算書を更正して交付し」とは、税務署長がその異議について客観的にみて合理的な理由があると認めるときは、その異議の内容を参酌して配当金額を定め、配当計算書を更正して、換価代金等を交付することをいう。

(供託等)

17 法第133条第2項第3号の異議を正当と認めないとき又はその他の方法による合意がないときで、税務署長が異議につき相当の理由がないと認める場合の配当については、次による。

(1) 国税、地方税又は公課の金額は、直ちに交付する(法第133条第2項第3号)。

(2) (1)以外の異議に関係を有する者に配当すべき換価代金等は、供託しなければならない(法第133条第3項、令第50条第1項)。この供託及び供託後の手続については、19に定めるところによる。

特殊な場合の供託

(停止条件)

18 法第133条第3項の「停止条件」とは、その成就まで法律行為の効力の発生を停止する条件をいう(民法第127条)。

(供託等の手続)

19 法第133条第3項に掲げる場合における換価代金等の交付については、次に掲げるところによる。

(1) 法第133条第2項の規定により換価代金等を交付することができない場合には、税務署長は、その換価代金等を供託(第134条関係5、6参照)し、その旨を異議に関係を有する者に通知しなければならない(令第50条第1項)。この書面の様式は、別に定めるところによる。
なお、滞納者に対しては、異議に関係のないときであっても、上記に準じて通知するものとする。

(2) (1)の場合において、確定判決、異議に関係を有する者の全員の同意その他の理由により換価代金等の交付を受けるべき者及び金額が明らかになったときは、これに従って配当しなければならない。この場合において、税務署長は、その配当を受けるべき者に配当額支払証を交付するとともに、(1)により供託した供託所に支払委託書を送付しなければならない(令第50条第2項)。この配当額支払証及び支払委託書は、別に定めるところによる。

(3) (2)による配当を受けるべき者に対する供託所の支払は、(2)の支払委託書に基づいて行われる(令第50条第3項)。

(4) 換価代金等を配当すべき債権が停止条件付である場合又は仮登記(保全仮登記を含む。)がされた質権、抵当権若しくは先取特権により担保される債権である場合における換価代金等の交付については、(1)から(3)までに定めるところにより準じて行う(令第50条第4項)。

滞調法の規定による供託

20 執行停止に係る強制執行による差押え後に登記された担保権がある場合又は仮差押え後に担保権が設定されている場合の換価代金の交付については、滞調法に規定するところにより供託しなければならない(同法第33条第2項、第34条第2項。第129条関係13、14参照)。