【照会要旨】

 農業を営む長男が死亡したが、長男には配偶者も子もいないことから、相続人は母親一人です。母親は、財産を二男に引き継がせることを目的として相続の放棄をし、農業従事者である二男が農地等を相続した場合は、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができますか。

【回答要旨】

 長男の相続人である母親が、民法の規定に従い長男の死亡したことを知った時から3か月以内に相続の放棄をした場合には、母親ははじめから相続人とならなかったものとみなされるため、相続人は兄弟である二男となります。
  したがって、相続人である二男が農地等を相続した場合には、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができます。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第70条の6第1項
 民法第915条第1項、第939条

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。