【照会要旨】

 A社の人身傷害補償保険の後遺障害保険金については、原則として後遺障害確定時に一時金として被害者(被保険者)に支払われることになります(所得税は非課税)が、一定の場合に被保険者が選択したときには、逸失利益に対する損害補てん部分については、就労可能年限までの定期金による支払いを受けることができます。
 この定期金による支払いを受けていた被保険者が、その後、定期金支払い終了前に死亡した場合には、相続人に対して未払分(未払いとなった定期金の総額から残年数に応じた中間利息相当額を控除した金額)が一括して支払われることになりますが、この被保険者の死亡により相続人に対して支払われる一時金は相続税の課税対象となりますか。
 なお、定期金により後遺障害保険金を受け取っていた者の死亡は保険事故ではありません。また、一時金は、保険契約によって受取人が指定されているものではなく、死亡した後遺障害者の全ての相続権者から委任を受けた者がその請求を行うことができるとされています。

【回答要旨】

 被相続人(被保険者)が有していた保険金請求権に係る未払金に関する権利を相続により取得し、当該権利に基づいて一時金を受領するものですから、当該権利は、本来の相続財産として相続税の課税対象となり、その価額は、一時金の金額によることとなります。

【関係法令通達】

 平成11年10月18日課審5-2「人身傷害補償保険金に係る所得税、相続税及び贈与税の取扱い等について(法令解釈通達)」

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。