【照会要旨】

 平成18年の医療法改正前に設立された財団たる医療法人1会の寄附行為では「本財団を解散した場合の残余財産は、設立当時における寄附行為者又はその相続人に帰属するものとする。」と規定されています。
 このたび、設立時の寄附行為者である理事長甲が死亡しましたが、甲の相続に係る相続税の申告に当たって、1会に対する残余財産分配請求権は相続財産を構成するのでしょうか。

【回答要旨】

 財団には持分の概念がないため、照会の場合の残余財産分配請求権は、法人が解散した場合に具体化するものであり、解散しない限りは、具体的な権利として生ずるものではありませんから、相続財産を構成しません。
 なお、照会のような寄附行為を定めた財団たる医療法人への寄附については、相続税法第66条第4項の規定により、医療法人について贈与税の課税関係が生じることとなります。

【関係法令通達】

 相続税法第2条、第66条第4項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。