【照会要旨】

 私は、2年前にA銀行から2,000万円を借り入れ(償還期間20年)、居住用家屋を新築して住宅借入金等特別控除の適用を受けていました。
 昨年、B銀行から1,800万円を借り入れ(償還期間15年)、A銀行からの借入金を返済し、引き続き住宅借入金等特別控除の適用を受けていました。
 今回、新たにC銀行から1,500万円を借り入れ(償還期間12年)、B銀行からの借入金を返済する予定です。この場合、引き続き住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるでしょうか。
 なお、いずれの借換えについても、借り換えた金額は借換え直前の借入金残高を下回っています。

【回答要旨】

 住宅借入金等特別控除の対象となる借入金等は、その適用対象となる家屋の新築若しくは購入(一定の敷地の購入も含みます。)又は増改築等に要するものであることが必要とされており(租税特別措置法第41条第1項)、それ以外の借入金等は該当しないことになります。ただし、借入金等を借り換えた場合には、新たな借入金が当初の借入金等を消滅させるためのものであることが明らかであり、かつ、その新たな借入金を家屋の新築若しくは購入又は増改築等の資金に充てるものとしたならば租税特別措置法第41条第1項第1号又は第4号《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》の要件を満たしているときに限り、その新たな借入金は住宅借入金等特別控除の対象となる借入金に該当するものとして取り扱われています(租税特別措置法関係通達41-16)。
 この取扱いは、新たな借入金が、本制度の適用要件の一つである10年以上の割賦償還の方法で返済することとされているような場合に、本制度の適用対象外とすることは適当ではないという考えによるもので、その趣旨からすれば一度目の借換えのみに限るべきものではないと考えられます。
 したがって、照会の場合には、C銀行からの借入金が租税特別措置法第41条第1項第1号の要件を満たしていれば、引き続き住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第41条第1項、租税特別措置法関係通達41-16

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。