【照会要旨】

 肉用牛の売却による農業所得の課税の特例(租税特別措置法第25条第2項第1号)の適用を受けた所得税額から住宅借入金等特別税額控除額を控除することができますか。

【回答要旨】

 肉用牛の売却による農業所得の課税の特例の適用を受けた所得税額から住宅借入金等特別税額控除額を控除することはできません。

 租税特別措置法施行令第26条第39項《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》において、住宅借入金等特別税額控除額は所得税法第92条第1項《配当控除》に規定する所得税額(所得税法第2編第3章第1節の規定による所得税額)から控除すると規定されていることから、住宅借入金等特別控除の規定は所得税法第2編第3章に定める税額計算の特例規定です。
 したがって、租税特別措置法第25条第2項第2号《肉用牛の売却による農業所得の課税の特例》における「所得税法第2編第3章の規定により計算した所得税の額」は、住宅借入金等特別税額控除額を控除した後の額とされ、同項第1号による5%課税相当額から別途住宅借入金等特別税額控除額を控除することはできません。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第25条第2項、第41条第1項、租税特別措置法施行令第26条第39項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。