【照会要旨】

 住宅借入金等特別控除と居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の重複適用が認められています。これらの控除の適用要件とされる添付書類には、例えば家屋の登記事項証明書や売買契約書などのように同じものがありますが、両方の控除に必要な添付書類を兼用することは認められますか。

【回答要旨】

 両方の控除の適用を受けるのに必要な添付書類を兼用することは認められます。

 住宅借入金等特別控除は確定申告書に「金額の計算に関する明細書、登記事項証明書その他の書類の添付がある場合に限り、適用する」とされ(租税特別措置法第41条第34項)、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除は確定申告書に「金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する」とされています(租税特別措置法第41条の5第2項)。
 住宅借入金等特別控除に係る登記事項証明書を居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の買換資産に係る登記事項証明書として兼用して同一の確定申告書に添付していた場合、住宅借入金等特別控除の添付書類要件も居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の添付書類要件もそれぞれ満たしていることになります。
 したがって、両方の控除の適用を受けるために必要な添付書類を兼用することは認められます。
 なお、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用を受ける場合、各年の12月31日における買換資産に係る住宅借入金等の年末残高証明書の添付が要件とされていますが、これについても住宅借入金等特別控除の適用に係る「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を代用して差し支えありません。

(注) 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除に係る住宅借入金等の年末残高証明書を住宅借入金等特別控除の「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」に代用することはできません(租税特別措置法施行規則別表第8)。
「登記事項証明書」については、計算明細書への「不動産番号」の記載または「登記事項証明書」の写しの添付に代えることができます(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第11条)。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第41条第34項、第41条の5第2項、租税特別措置法施行規則別表第8、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第11条

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。