【照会要旨】

 住宅借入金等特別控除の適用を受けた者が、その後、その対象とした家屋の前に居住の用に供していた家屋及び土地等を譲渡し、居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例等の適用を受ける場合には、過去に遡及して住宅借入金等特別控除の適用ができなくなると思われますが、その場合の手続はどうするのですか。

【回答要旨】

 一定の資産を譲渡したことにより、次の1から5に掲げるいずれかの特例の適用を受ける場合において、その資産を譲渡した年の前3年以内の各年分(注)の所得税について住宅借入金等特別控除を受けているときは、その譲渡した日の属する年分の確定申告期限までに、その前3年以内の各年分(注)の所得税について修正申告書又は期限後申告書を提出し、その住宅借入金等特別控除の額に相当する税額を納付しなければならないこととされています(租税特別措置法第41条の3第1項)。

1 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第31条の3)

2 居住用財産の譲渡所得の特別控除(租税特別措置法第35条)

3 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第36条の2)

4 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第36条の5)

5 既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第37条の5)

(注) その資産の譲渡が令和2年3月31日以前に行われたものである場合には、「前年分又は前々年分」とします。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第41条の3第1項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。