【照会要旨】

 7年前に建築して居住の用に供していた家屋の一部がシロアリによって被害を受けたため修繕を行いましたが、この修繕に要した支出は雑損控除の対象となりますか。
 また、シロアリにより被害を受けた際に要したシロアリの駆除費用はどうですか。

【回答要旨】

 シロアリによる被害は、所得税法施行令第9条《災害の範囲》に規定する「害虫……その他の生物による異常な災害」に該当し、修繕に要した費用及びそのシロアリを駆除するための費用は雑損控除の対象となります。
 なお、所得税法施行令第206条第1項第3号《雑損控除の対象となる雑損失の範囲等》に規定する「被害の拡大又は発生を防止するため緊急に必要な措置を講ずるための支出」とは、切迫している被害の発生を防止するための応急措置に係る費用のように、その費用の支出の効果がその災害による被害の発生を防止することのみに寄与するものをいい(所得税基本通達70-11)、シロアリの被害を事前に防止するための費用及びシロアリの駆除とともに行う予防のための費用は、応急的措置に係る費用でないことから、雑損控除の対象となりません。

【関係法令通達】

 所得税法第2条第1項第27号、第72条、所得税法施行令第9条、第206条第1項第3号、所得税基本通達70-11

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。